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風に吹かれて

My Life & My Favorite things

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黒石までドライブ

久しぶりの郊外ドライブ。
メンバーは娘と孫ふたりとわれわれ夫婦の5人。
娘の運転で一路黒石の「ル・グレ」まで。

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「ル・グレ」に行くのは数年ぶりのこと。
着くとまずはロシェルの兄弟であるラビに会いに行く。
そろそろ13歳になるラビは、衰えが目立つ。
後ろ足が覚束ない。
切ないものがあるが、それでも10歳で死んだロシェルに比べればまだマシか。
出来るだけ長生きしてほしい。
ロシェルの分まで。

ラビと別れた後は店内でいつものようにピザやパスタを注文。
オーナー夫婦と話し込む。
久しぶりなので話が弾む。

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「ル・グレ」の後は近くの「津軽伝承工芸館」まで行く。
そこで全員で足湯に浸かる。
少し熱めのお湯が心地いい。
場内を散策後は旧市内まで移動、「こみせ通り」を見物。

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「こみせ通り」のなかほどにある「高橋家」に入る。
庭に面した場所でコーヒーを飲みながらしばしの休憩。
古い家屋と庭に癒される。
まるで田舎の実家に帰省して夏休みを楽しんでいるような気分である。
開け放した座敷から時折り吹いてくる冷たい風が、体の熱を奪って夏の暑さを忘れさせてくれる。
これぞ夏休みといった趣きに浸る。
いい時間を過ごすことができた。


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テーマ : お出かけ日記  ジャンル : 日記


Category: 月別観た映画と読んだ本

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今月観た映画と読んだ本(2018年7月)

観た映画


Scent of a Woman「セント・オブ・ウーマン 夢の香り Scent of a Woman」(DVD)
1992年アメリカ 監督:マーティン・ブレスト 出演:アル・パチーノ/クリス・オドネル/ジェームズ・レブホーン/ガブリエル・アンウォー/フィリップ・シーモア・ホフマン/リチャード・ヴェンチャー/ブラッドリー・ウィットフォード


bijo-yaju.jpg「美女と野獣 BEAUTY AND THE BEAST」(DVD)
2017年アメリカ 監督:ビル・コンドン 出演:エマ・ワトソン/ダン・スティーヴンス/ルーク・エヴァンス/ジョシュ・・ギャッド/ケヴィン・クライン/ユアン・マクレガー/イアン・マッケラン/エマ・トンプソン


red-sparrow.jpg「レッド・スパロー RED SPARROW」(DVD)
2018年アメリカ 監督:フランシス・ローレンス 出演:ジェニファー・ローレンス/ジョエル・エドガートン/マティアス・スーナールツ/シャーロット・ランプリング/メアリー=ルイーズ・パーカー/ジェレミー・アイアンズ


showman.jpg「グレイテスト・ショーマン THE GREATEST SHOWMAN」(DVD)
2017年アメリカ 監督:マイケル・グレイシー 出演:ヒュー・ジャックマン/ミシェル・ウィリアムズ/ザック・エフロン/ゼンデイヤ/レベッカ・ファーガソン/キアラ・セトル/ヤヒヤ・アブドゥル=マティーンII


yozoraha-s.jpg夜空はいつでも最高密度の青色だ(DVD)
2017年 監督/脚本:石井裕也 出演:石橋静河/池松壮亮/佐藤玲/三浦貴大/松田龍平/田中哲司/ポール・マグサリン/市川実日子/野嵜好美/大西力


gf2.jpg「ゴッドファーザーPARTII」(DVD)
1974年アメリカ 監督/脚本:フランシス・フォード・コッポラ 出演:アル・パチーノ/ロバート・デュヴァル/ダイアン・キートン/ロバート・デ・ニーロ/ジョン・カザール/タリア・シャイア/リー・ストラスバーグ/マイケル・ヴィンセント・ガッツォー


sinkansen.jpg新感染 ファイナル・エクスプレス(DVD)
2016年韓国 監督:ヨン・サンホ 出演:コン・ユ/キム・スアン/チョン・ユミ/マ・ドンソク/チェ・ウシク/アン・ソヒ/キム・ウィソン/チェ・グィファ/パク・ミョンシン/シム・ウンギョン/イェ・スジョン


paterson-s.jpgパターソン(DVD)
2016年アメリカ 監督/脚本:ジム・ジャームッシュ 出演:アダム・ドライバー/ゴルシフテ・ファラハニ/永瀬正敏/バリー・シャバカ・ヘンリー/チャステン・ハーモン/クリフ・スミス/ウィリアム・ジャクソン・ハーパー


sinryakusya.jpg散歩する侵略者(DVD)
2017年 監督/脚本:黒沢清 出演:長澤まさみ/松田龍平/高杉真宙/恒松祐里/前田敦子/満島真之介/児嶋一哉/光石研/東出昌大/小泉今日子/笹野高史/長谷川博己




読んだ本


saketohon.jpg「酒と本があれば、人生何とかやっていける」(河谷史夫 書評・エッセイ)


seiran.jpg「青嵐の坂」(葉室麟 時代小説)


utsurona_20180801083656a2a.jpg「虚ろな十字架」(東野圭吾 ミステリー)




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映画「散歩する侵略者」

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風変わりな映画である。
SFと言うには、ちょっと戸惑いがある。
といってリアルな物語というのでもなく、何とも形容しがたい。
簡単にいうと、宇宙人による地球侵略の映画なのだが、よくあるSFもののような宇宙船や宇宙人が現れることはなく、地球人との戦闘が描かれるわけでもない。
映画の大半はごく普通の日常生活が描かれるだけ。
そこに普段の日常とは違ったものが唐突に侵入してくる。
侵略という事実は、単にセリフによって知らされるだけ。
宇宙人の実像はなく、宇宙人に体を乗っ取られた人物がそのセリフを口にするが、そんな冗談ともつかないような言葉は、誰も本気にしない。
だが確実に侵略の日は近づいている。
そんな不思議な映画である。

伊坂幸太郎の「終末のフール」や「フィッシュ・ストーリー」といった小説と似た肌触りというか設定である。
これらの小説もリアルな日常生活が主な舞台として描かれるが、そこに地球滅亡という危機がからんでくる。
その事実を省くと、ごく普通の小説と何ら変わらない。
そこがこの映画と共通するところだ。

主人公を演じているのは、松田龍平、そしてその妻を長澤まさみ。
松田龍平は宇宙人に体を乗っ取られ、地球侵略のために地球人がもつさまざまな概念をリサーチするという役目を担っている。
彼のヌーボーとした地の部分が、役によく合っており、なかなかの適役。
そして訳の分からなくなってしまった夫を持て余しながらも、見捨てることもせず、地球滅亡の最後まで彼から離れずにいる妻役をよく演じて、こちらも適役。
このふたりに絡むのが、ちょっと斜に構えた記者を演じる長谷川博己。
彼も宇宙人に体を乗っ取られた若いふたり(高杉真宙、恒松祐里)と行動を共にしている。
その5人を中心に追いつ追われつの逃走劇があり、そしてついに地球侵略の日を迎えることになる。
そして意外な結末へと向かってゆく。

監督は黒沢清。
得意のホラー演出を随所に見せながら、徐々に危機感を募らせていくところは、やはりベテランならではの味わいがある。
不安や不可解なことの多い今の時代、ひょっとするとこういうこともありかも、と思わせるような説得力がある。
終末感を漂わせる画面に釘付けになってゆく。
そして張り詰めた後に来る静かなラストでは、ホロリとさせられた。
荒唐無稽なだけでは終わらせない。
さすがである。


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映画「パターソン PATERSON」

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愛すべき小品。
繰り返される単調な日常を淡々と描いただけの映画なのに、なぜか愛おしくなってしまう。
朝決まった時間になるとベッドから起き出して、キッチンでシリアルだけの朝食をとる。
弁当箱ひとつを下げてバス会社まで歩いて出勤、定時になるとバスを発車させる。
そして運転中のバスの中で交わされる乗客たちのたわいない会話に耳を傾ける。
仕事が終わると定時に帰宅、夕食の後は、愛犬マーヴィンを連れて夜の散歩に出かける。
そして行きつけのバーで1杯だけビールを飲む。
そんな判で押したような日常が、淡々と繰り返されていく。
たったそれだけの映画が、何とも愛おしくて心温まる。

主人公はパターソンに住むパターソンという名前の男。
年齢は30代半ば、もしくは後半くらいか。
市バスの運転手をしており、イスラム系の妻ローラと小さな家で暮している。
子供はいないが、マーヴィンという名のブルドッグを飼っている。

パターソンはバスの運転手だが、詩人でもある。
一冊のノートを常に携帯しており、時間を見つけてはノートに詩を書きつけていく。
その詩が町の風景とダブって時々画面に挿入される。
日本でいえば、俳句や短歌をものにするシロート詩人といったところ。
それが判で押したような日常の、鮮やかな句読点になっている。
彼は自分が書く詩で有名になりたいとか、誰かに認められたいといった野心を持って書いているわけではない。
どこかに発表しようといった気持ちなどはなく、唯一妻に読んで聴かせるだけ。
一方妻は対照的に野心満々で、カップケーキを焼いて近く開かれるバザーに出品、それを契機にいずれ店を開いて成功させたいと考えている。
またデザイン好きで、服やカーテンを自作したり、室内を塗り替えるなど、まことに行動的というか衝動的。
パターソンの弁当も彼女が作っているが、そのユニークさもなかなかのもの。
さらに通販でギターと教則本を買って、歌手として成功したいとも考えているが、どこまで本気なのか判然としない。
無邪気な夢見る少女と変わりがないようにも見える。
そんな陽気で楽天的な妻と、穏やかで感情を露わにしないパターソンとの取り合わせが微笑ましい。

パターソンは、ニュージャージー州にある人口15万人ほどの町。
古い町で、静かで寂れた街並みが、イギリスの古い炭鉱町のように見える。
町の中にグレートフォールズという雄大な滝が流れていて、主人公パターソンはこの滝を見るため、しばしばそこを訪れる。
そしてそこで静かに詩作をする。
古びて薄汚れた町だが、いかにも住み易そうだ。
またこの町は様々な有名人を輩出しており、行きつけのバーではパターソンに関連した人物たちの写真や雑誌や新聞記事の切り抜きが、「殿堂の壁」と名づけられた壁に貼られている。
たとえば凸凹コンビで有名なアボット・コステロのひとり、ルー・コステロ。
パターソンと妻が観に行く映画も、彼が出演している「凸凹フランケンシュタインの巻」である。
さらに黒人ボクサーのルービン・ハリケーン・カーター。
殺人の冤罪で逮捕されたという人物で、そういえば、以前観た「ハリケーン」という映画では、デンゼル・ワシントンが演じていたことを思い出した。
また詩人のアレン・ギンズバーグもこの町の出身。
さらに詩人のウィリアム・カーロス・ウィリアムズが、この町を題材に「パターソン」という詩集を出しているが、主人公パターソンは、その詩集を座右の書として大切にしている。

こうした背景の中で月曜から始まって月曜に終わるパターソンの単調な生活が描かれていくわけだが、これといって大きな事件が起きるわけでも、ドラマチックなことが起きるわけでもない。
それでいて目が離せないのは、彼が代わり映えのしない毎日をけっして不満に思っているわけではなく、いやむしろそんなささやかな生活を愛おしくさえ思っていることが伝わってくるからである。
詩人としての目を通して見れば何もないと思える日常が、別な輝きをもって見えてくるのだろう。
たとえば映画の冒頭で語られる詩は、彼が集めているマッチの中の「オハイオ印のブルーチップ」というどこにでも転がっているようなマッチについて書くことから始まっているが、それが次第に「愛の詩」という詩に結実されていく。
また朝ベッドで目が醒めた奥さんが「双子の夢を見た」と呟けば、町のあちこちでいろんな双子たちと出会うようになる。
それが幻想なのか、妄想なのか、あるいは現実なのか、判然とはしないが、ついつい笑いを誘われる。
そしてそのなかでいちばん印象に残るのが、詩を書く少女との出会い。
エミリー・ディキンソンの詩が好きだというこの少女が、自作の詩を読んで聴かせる。
その詩にパターソンは強い印象を受け、触発される。
そこに現れたのが少女の母親と姉、すると姉妹はなんと双子であった。
ここでもつい笑いを誘われる。
こうした微苦笑は、映画のあちこちに散見され、いい味付けになっている。
そして心優しい人たちとの交流。
バーのマスターであるドク、別れ話でもつれているマリーとエヴェレット、コインランドリーで自作のラップを唄う男、皆アフリカ系アメリカ人ばかり。
そしていつも不平不満ばかりを口にする同僚のインド系アメリカ人。
静かな日常のなかで、彼らとの交流だけが小さなさざ波のような変化をもたらしている。

パターソンを演じているのは、アダム・ドライヴァー。
今いちばん気になる俳優である。
最近映画でよく見かけるが、いちばん最初に彼を見たのは、「フランシス・ハ」という映画だった。
以来気になる俳優のひとりになった。
そして最近では「ヤング・アダルト・イン・ニューヨーク」や「沈黙」といった映画で出会い、そして今回のこの映画である。
パターソンはまさに適役。
そして妻のローラを演じているのが、イラン人女優のゴルシフテ・ファラハニ。
調べてみると、パターソンという町はイスラム系の人が多く住む町として知られている。
そんなところから、イラン人女優の彼女が起用されたのだろうが、この映画に登場する人たちが全員マイノリティというところは、パターソンの偏見をもたない人間性を表していて好感が持てる。
そして特筆すべきは、愛犬マーヴィンを演じたブルドック。
何とも愛らしく、何度も笑いを誘われた。
主役のふたりに次ぐ存在、いやそれ以上の存在感を示した演技であった。
この映画には欠かせない重要なキャラクターになっている。
こんな可愛い犬と過ごせるのであれば、やはりそれは何物にも代えがたい生活ということになるだろう。
そう思わせる存在であった。


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映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」

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いわゆるボーイ・ミーツ・ガールものではあるが、よくある恋愛ものとは一線を画した作品。
それらがもつ輝きや感傷といったものはここにはない。
ドラマチックなものとは無縁の、地味で不器用な物語。
しかしそこには今を生きるリアルな男女の姿がしっかりと捉えられている。

青年・慎二(池松壮亮)は建設現場で日雇い労働者として働いている。
古いアパートで一人暮しをしており、左目がほとんど見えない。
そんなこともあって社会に適応できないでいる。
唯一交流があるのは、建設現場での同僚3人。
年上の智之(松田龍平)、中年の岩下(田中哲司)、そして出稼ぎフィリピン人のアンドレス(ポー ル・マグサリン)。
その3人と出かけたガールズバーで、美香(石橋静河)という女性と知り合いになる。
美香は病院に勤務する看護師だが、夜になるとアルバイトとしてガールズバーで働いている。
彼女も心に鬱屈や不安を抱えて生きている。
そんなふたりが、偶然の出会いを繰り返すなかで親しくなっていく。
そして東京という都会の中で自分の居場所を見失ったふたりが、真剣に向き合うなかで、次第に自分達の居場所を見つけていく、というのがおおまかなストーリーである。

この映画を観ているうちに、以前観た「オーバーフェンス」のことをふと思い出した。
どちらの主人公も先行きの見えない人間で、偶然知り合い、その触れ合いの中で確実なものを手にするようになっていく、という共通点からである。
またふたりが知り合うきっかけになったのが、女性が働くバーというのも共通するところ。
さらに慎二が働く工事現場の同僚たちの存在が重要な要素として描かれるが、それも「オーバーフェンス」の職業訓練所と共通するものがある。
そういえば工事現場の同僚のひとりを松田龍平が演じているが、「オーバーフェンス」でも同僚のひとりを松田龍平の弟である松田翔太が演じている。
また夜の町を、主人公ふたりが自転車に乗って走るという印象的な場面が出てくるのも、共通するところ。
「オーバーフェンス」でオダギリ・ジョーが移動手段として使っているのが自転車だったが、この映画でも石橋静河が同じく自転車を移動手段として使っている。
そんないくつかの共通点から出てきた連想であった。

監督および脚本は「舟を編む」などの石井裕也。
原作は2008年に21歳で中原中也賞を受賞した注目の詩人・最果(さいはて)タヒの同名の詩集。
それゆえ物語自体はまったくのオリジナルで、詩集のなかで使われた言葉がいくつかセリフのなかに挿入されることで、その世界観を表わしている。
昨年度のキネマ旬報日本映画ベスト・テン第1位、そして脚本賞と新人女優賞(石橋静河)を受賞している。
今観るべき、そして今という時代をリアリティ豊かに描き出した「最高密度」の作品である。


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映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」

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韓国初のゾンビ映画である。
そして舞台となるのが、ソウルからプサンへと走る高速鉄道の車内という、これまでになかった設定で、それによってパニック映画、サバイバル映画に加えて密室劇の面白さも味わえるという仕掛けになっている。
どちらかといえば苦手なゾンビ映画だが、それでも韓国映画歴代第12位、1,000万人以上の観客動員を果たした人気の映画ということで、観ることにした。
そして評判通りの面白いエンターテインメントであった。

特筆すべきはそのスピード感。
ゾンビといえば、足を引きづりながら覚束なく歩くというのが、お決まりだが、この映画はそこが違う。
確かに普段はゆっくりと動いているが、それでもいったん獲物を見つけると突然動きを速め集団で雪崩をうつように襲ってくる。
そしてその素早い動きが新幹線のスピードと連動、映画全体がまさにジェットコースターのようなスピード感で疾走、息つく暇もなくこれでもかと予想外の展開をみせて飽きることがない。
そうしたアクションに加え、登場人物たちに魅力的な人物を配し、さまざまな人間ドラマを見せていく。
パニック映画、サバイバル映画などではよくあるお決まりの手法ではあるが、その手際よさ、演出のうまさはなかなかのもの。
そのうまさに乗せられ、何度も胸を熱くさせられたのである。
それほど多くのゾンビ映画を観ているわけではないが、(最近では日本映画の「アイアムアヒーロー」やアメリカ映画の「ワールド・ウォー・Z」など)まさかゾンビ映画で泣かされるとは。
そんなわけで予想以上の面白さに大満足の映画であった。


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今月観た映画と読んだ本(2018年6月)

観た映画


shape-of-water-s.jpgシェイプ・オブ・ウォーター(DVD)
2017年アメリカ 監督/脚本:ギレルモ・デル・トロ 出演:サリー・ホーキンス/マイケル・シャノン/リチャード・ジェンキンス/ダグ・ジョーンズ/マイケル・スツールバーグ/オクタヴィア・スペンサー


three-billboard-s.jpgスリー・ビルボード(DVD)
2017年アメリカ 監督/脚本:マーティン・マクドナー 出演:フランシス・マクドーマンド/ウディ・ハレルソン/サム・ロックウェル/アビー・コーニッシュ/ジョン・ホークス/ピーター・ディンクレイジ/ルーカス・ヘッジズ/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ/ケリー・コンドン


low-down.jpg「LOW DOWN ロウダウン」(DVD)
2014年アメリカ 監督:ジェフ・プレイス 出演:ジョン・ホークス/エル・ファニング/グレン・クローズ/ピーター・ディンクレイジ



読んだ本


nagakutsumetaiaki.jpg「長く冷たい秋」(サム・リーヴス ミステリー)



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映画「スリー・ビルボード Three Billboards Outside Ebbing, Missouri」

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フランシス・マクドーマンド、サム・ロックウェル、ウディ・ハレルソンと、好きな俳優3人が揃って出演、さらにスモールタウンを舞台にした物語とあって、観る前から期待大であった。
そしてその期待を上回る映画であった。

原題は「Three Billboards Outside Ebbing, Missouri」。
訳すと「ミズーリ州エビングの3つの野外広告看板」となる。
その題名が示すように、ミズーリ州の架空の町エビングの郊外に、ある日、野外広告看板が建てられたことからこの映画の物語が始まる。
そこに書かれているのは、警察の捜査に対する抗議文である。
7か月前、娘が強姦のうえ殺された。
その捜査が進展しないことに苛立った母親が、抗議のために建てたのである。
看板のベースに使われた赤い色には、母親の怒りと悲しみが込められているように見える。
そしてそれがきっかけで小さな町に様々なトラブルが巻き起こる。

常軌を逸した強気の女性を演じるのは、フランシス・マクドーマンド。
作業用のつなぎを着て頭にバンダナを巻いた姿は、まるで戦闘服を着た兵士のようだ。
警察をはじめ町の人間たちを相手に、たったひとりで立ち向かう。
その展開には西部劇の匂いも感じさせる。

対する警察署長を演じるのがウディ・ハレルソン。
有能な署長で人望があるが、癌を患っている。
そしてその部下である警察官がサム・ロックウェル。
粗暴な差別主義者である。
この3人を中心に憎しみの連鎖が巻き起こり、怒りや哀しみ、不安や絶望、誤解や偏見が交錯する人間喜劇が繰り広げられる。
そしてその狂気に満ちたおぞましい騒動の末に現れる人間の善なる部分に、少なからぬ救いを感じることができるのが、この映画最大の魅力である。

閉じられたスモールタウンでの犯罪、スリラー、そしてコメディを交えたドラマということですぐに「ファーゴ」を連想した。
もちろんそれはフランシス・マクドーマンドがどちらも主演という共通性から浮かんだ連想ではあるが、監督の考えの中にこの映画の存在があったのは間違いないだろう。
そんな想像が働く内容である。

監督はマーティン・マクドナー、アイルランド系のイギリス人である。
映画を手がける前は舞台で活躍しており、劇作家として高い評価を受けている。
緻密で意表を突く展開、人間を見つめる確かな目など、脚本の巧みさは、劇作家として培った経験を反映したものだろう。
類まれなる才能を感じる。
そうした脚本の佳さをさらに高めるのが、曲者ぞろいの出演者たち。
フランシス・マクドーマンド、サム・ロックウェル、ウディ・ハレルソンといった主要俳優はもちろんのこと、彼らを取り巻く脇役陣たちも忘れ難い。
広告会社の若き社長レッド、サム・ロックウェルの酒浸りの老母、マクドーマンドの元夫と19歳のガールフレンド、小男のジェームスなど、いずれも個性豊かな俳優ばかり。
そうした配役の妙には、監督のセンスの良さが窺える。
さらにそうした気配りは、映画の細部にも見ることができるが、それを確認するためにも、またもういちどこの映画を見直してみたいなどと考えている。
そう思わせる力を持った映画なのである。


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映画「シェイプ・オブ・ウォーター Shape of Water」

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昨年度のアカデミー賞で13部門でノミネート、作品賞、監督賞、音楽賞、美術賞の4部門で最優秀賞を獲得した話題の映画である。
それが新作レンタルで登場、さっそく借りてきた。

米ソ冷戦時代のアメリカを舞台に、主人公イライザと半魚人の恋を描いたファンタジーである。
いわゆる異類婚姻譚の一種であるが、こうした話は神話や説話によって昔から語られてきた物語である。
映画でいえば「キングコング」や「美女と野獣」などがそれにあたる。
それらの映画では怪獣たちが人間の女性に魅せられるが、この映画では女性の側から怪獣に惹かれていく。
そこが大きく違うが、それは主人公イライザが幼い頃のトラウマがもとで声を出すことができないという設定に基づいている。
孤独な魂がもうひとつの孤独と出会って心を通わせる。
囚われて自由を奪われた半魚人に惹かれていくのは当然というわけだ。
外見の異様さは彼女にとって障害とはならない。
それをたやすく飛び越える資質を彼女は持っている。
それは彼女の生活を見れば一目瞭然。
親友であるアパートの隣人ジャイルズはゲイの老画家、また同僚で友人の掃除婦ゼルダは黒人の女性と、いずれも社会の片隅で生きるマイノリティである。
そして彼女自身は言葉が話せない。
半魚人はけっして遠い存在ではない。
恐怖の対象とは見ていない。
まるで子犬に近づくような優しさで半魚人と触れ合おうとする。
何と純粋で無垢で愛らしい姿であろうか。
その好奇心に満ちた眼差しを見ていると、昔観た映画「ミツバチのささやき」の純真無垢な少女の姿を思い出す。

そして物語の中盤、事態は一気に動き出し、米ソのスパイ合戦を絡ませた半魚人の救出劇で大いに楽しませてくれる。
またイライザの日常の描き方にも楽しみの要素が様々散りばめられている。
まず彼女が住むアパートは映画館の上にあるという設定である。
そこで上映されているのが史劇「砂漠の女王」。
そのストーリーが、この映画の物語ともリンクしている。
また隣人ジャイルズは古い映画が好きで、テレビで放映される昔の映画ばかり観ている。
その映画に合わせてふたりでタップを踏む場面が楽しい。
そしてそれがイライザと半魚人がダンスを踊る幻想シーンへと繋がっていく。
SFがあり、ホラーがあり、活劇がある。
さらにそこにミュージカルまでが加わるという、まるでオモチャ箱をひっくり返したような賑やかさ。
そうしたすべてが混乱することなく、イライザと半魚人のロマンスをしっかりと支えているのである。
映画好きには堪らないシーンが満載である。

監督はメキシコ出身のギレルモ・デル・トロ。
特殊メイクから映画の世界に入ったという変わり種。
少年時代に日本のアニメやマンガ、特撮映画に夢中になり、その影響を大きく受けたという。
いわゆりオタク精神の持ち主である。
そんな少年時代にテレビで映画「大アマゾンの半魚人」を観た。
映画では「半魚人は探検隊の女性に恋するけど、殺されてしまう。」
だが「半魚人があまりに可哀そうで、僕は、半魚人が彼女と仲良くデートする絵を描いた。それからずっと2人を幸せにしたいと思い続けて、40年以上かけて夢をかなえたんだ」
古い革袋に新しい酒を入れたというわけである。
そうやって生み出された「シェイプ・オブ・ウォーター」の半魚人は、異形の姿をしているが、人間に危害を加える怪物ではなく、柔らかな心を持った存在として描かれる。
そしてそこに自らを含めたマイノリティたちの怒りや悲しみを付与することで、確かな今日性を獲得しているのである。
さらに言えば、囚われ虐待され傷ついた半魚人の姿には、殉教者のイメージを重ねるて見ることもできる。
そうした読み解きができるのも、この映画がもつ豊かさである。

題名の「シェイプ・オブ・ウォーター」は日本語に訳すると「水の形」。
だが水に形などはない。
これについて監督は次のように語っている。
「愛と水には形はない。だがそれはどこへでも流れ込んでいける。そしてその入れ物に合わせて形を作る。愛と水はこの世で最も強い力なのだ。」
その言葉通り場所を変え、形を変えるたびに愛も水も変化していく。
その行きつく先が果たしてどんなものになるか、それは映画を観てのお楽しみ。
映画愛、モンスター愛に溢れたラブ・ロマンスを心ゆくまで堪能してほしい。


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今月観た映画と読んだ本(2018年5月)

観た映画


hajimariheno-s.jpgはじまりへの旅(DVD)
2016年アメリカ 監督/脚本:マット・ロス 出演:ヴィゴ・モーテンセン/ジョージ・マッケイ/フランク・ランジェラ/スティーヴ・ザーン/キャスリン・ハーン/サマンサ・イズラー/アナリース・バッソ


koinouzu-s.jpg恋の渦(DVD)
2013年 監督:大根仁 出演:新倉健太/若井尚子/柴田千紘/後藤ユウミ/松澤匠/上田祐揮/澤村大輔/圓谷健太/國武綾/松下貞治/鎌滝博秋/杉尾真理子/広瀬登紀江


chinmoku.jpg「沈黙 サイレンス」(DVD)
2016年アメリカ 監督/脚本:マーティン・スコセッシ 出演:アンドリュー・ガーフィールド/アダム・ドライヴァー/浅野忠信/窪塚洋介/笈田ヨシ/塚本晋也/イッセー尾形/小松菜奈/加瀬亮/リーアム・ニーソン


private-ryan-s.jpgプライベート・ライアン(DVD)
1998年アメリカ 監督:スティーブン・スピルバーグ 出演:トム・ハンクス/トム・サイズモア/エドワード・バーンズ/バリー・ペッパー/アダム・ゴールドバーグ/ヴィン・ディーゼル/ジョヴァンニ・リビシ/ジェレミー・デイヴィス/マット・デイモン


kazokuhaturai.jpg家族はつらいよ(DVD)
2016年 監督/脚本:山田洋次 出演:橋爪功/吉行和子/西村雅彦/夏川結衣/中嶋朋子/林家正蔵/妻夫木聡/蒼井優/岡本富士太/広岡由里子/小林稔侍/風吹ジュン/笹野高史/笑福亭鶴瓶


bengonin-s.jpg弁護人(DVD)
2013年韓国 監督/脚本:ヤン・ウソク 出演:ソン・ガンホ/キム・ヨンエ/オ・ダルス/クァク・ドウォン/イム・シワン/ソン・ヨンチャン/チョン・ウォンジュン/イ・ソンミン/イ・ハンナ/リュ・スヨン


saikainosyokutaku.jpg「再会の食卓」(DVD)
2010年中国 監督/脚本:ワン・チュアンアン 出演:リン・フォン/リサ・ルー/シュー・ツァイゲン/モニカ・モー


inside-man.jpg「インサイド・マン」(DVD)
2006年アメリカ 監督:スパイク・リー 出演:デンゼル・ワシントン/クライヴ・オーウェン/ジョディ・フォスター/クリストファー・プラマー/ウィレム・デフォー/キウェテル・イジョフォー/カルロス・アンダース・ゴメス




読んだ本


rakunadokusyo.jpg「楽な読書」(古屋美登里 書評)


syotennotana.jpg「書店の棚 本の気配」(佐野衛 エッセイ)



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プロフィール

cooldaddy

Author:cooldaddy
住んでいるところ:青森県弘前市
出身地:香川県
年齢:今年(2018年)70歳です。
性別:男

還暦(10年前)という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
趣味のこと、生活のこと、心に残ったことなど、My Favorite thingsを、気ままに書いていこうと思います。
末永くおつき合いください。

映画サイト「マイ・シネマ館」もやっています。
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