FC2ブログ

風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 落語

5代目三遊亭圓楽「中村仲蔵」

enraku.jpg
門閥外から出世して名題(なだい・役者の最高位)にまでなった名優、初代中村仲蔵の出世物語です。
有名な人情噺で、さまざまな噺家が演じていますが、私が最初に聴いたのは三遊亭圓楽によるものでした。
ラジオ放送だったのですが、テープに録音してその後も繰り返し聴いたものです。
そんなわけで落語の中では、おそらく一番数多く聴いた噺ではないかと思います。

初代仲蔵は中村伝九郎という大部屋役者の弟子でしたが、その素質を四代目市川團十郎に認められて名題になったという人物です。
ところが歌舞伎の世界では門閥という壁は厚く、頭角を現すのは至難の業、そういった世界で努力と工夫を重ね、名優と謳われるまでになった仲蔵の出世物語が笑いと涙で語られるという噺です。

「忠臣蔵」の五段目はちょうどお昼時に上演され、しかも登場するのが年寄りの与市兵衛と、見栄えのしない山賊の斧定九郎(おのさだくろう)ということで、お客はみんな飲み食いにいそがしく、誰も舞台などは観ようとしません。
別名、弁当幕ともいわれ、「忠臣蔵」のなかでは、さして重要な場面ではありません。
その弁当幕の定九郎たった一役だけが、仲蔵に振り当てられた役でした。
仲蔵は大いに落胆し、自棄になりますが、女房のお岸に励まされて、この役をなんとか見栄えのする役にしようと工夫を考えます。
だが、事はそう簡単には運びません。
そして考えに考え抜いた末に、ある出来事がきっかけで、ついに新しい定九郎を作り出すことができるのです。
それが今に残る錦絵のような斧定九郎というわけです。
その詳しい経緯が圓楽によって情感たっぷりに語られていくにつれて、噺のなかにどんどんと引き込まれていってしまいます。
歌舞伎の華やかな世界と、そこで味わう悲哀のなかで、お客の評判を引き出していく仲蔵の姿が感動的です。

残念ながら録音したテープは、その後どこへ行ったものか、今は手元にはありません。
再度聴くことはできなくなりましたが、この紹介文を書いているうちに、またもういちど無性に聴きたくなってしまいました。

 ブログランキング・にほんブログ村へ
スポンサーサイト



テーマ : 落語  ジャンル : お笑い

Newer Entry映画「ヒトラーの贋札」 Older Entry山本周五郎「人情裏長屋」
カレンダー
10 | 2019/11 | 12
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール

cooldaddy

Author:cooldaddy
住んでいるところ:青森県弘前市
出身地:香川県
年齢:今年(2018年)70歳です。
性別:男

還暦(10年前)という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
趣味のこと、生活のこと、心に残ったことなど、My Favorite thingsを、気ままに書いていこうと思います。
末永くおつき合いください。

映画サイト「マイ・シネマ館」もやっています。
こちらもよろしく。

ランキングサイトに参加しています。
もしよければクリック、お願いします。↓
ブログランキング・にほんブログ村へ 

月別アーカイブ
cooldaddyの本棚
FC2ブログランキング
ブログ内検索
QRコード
QRコード

12345678910111213141516171819202122232425262728293011 2019