風に吹かれて

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Category: 日本映画

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映画「アブラクサスの祭」

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映画「アブラクサスの祭」を観た。
鬱になったことが原因で仏門に入った元ロッカーが、もういちどライブをやることで、病を乗り越えようとする話。
原作は僧侶で作家の玄侑宗久、主演はスネオヘアーでこれが映画初主演。
妻役にともさかりえ、彼を暖かく見守る住職を小林薫、その妻に本上まなみ、そして監督・脚本はこれが初監督となる加藤直輝である。

全体に舌っ足らずなところや生硬なところはあるものの、一途なところのある映画で、好感を持てた。
アブラクサスとは古代キリスト教以前に存在した、善も悪も併せ持つ荒ぶる神のこと。
われわれ人間の心のうちにも制御不能の得体の知れないものが秘かに住み着いているが、普段はそうしたものと直面することはない。
しかし純粋で生きることに不器用な主人公、浄念はそうしたものと日々顔を突き合わせており、そのこととどう折り合いをつけて生きていけばいいか思い悩んでいる。
そして時に思いもよらぬ突飛な行動を起こして周囲の人たちの顔をしかめさせる。
町の人たちからは奇異な目で見られるが、しかし暖かく見守る人たちも彼の周りには存在する。
それは妻や幼い子供、そして寺の住職とその妻といった人たち。
困惑しながらも浄念の純粋さを知るだけに、根気強く彼を支えようとする。
そうした心優しい人たちに見守られながら、再生の方向へと足を進めていく浄念の苦闘する姿に次第に惹きつけられていく。
そしてラストの炸裂するライブシーンではその思いが一気に頂点へと登りつめる。
それまで控えめで内に篭るだけだった浄念の叩きつけるような演奏が、ズシンと心に響く。
これぞまさに踊り歌い狂う浄念の「祭」、さまざまな呪縛から自らを解き放そうとする「祭」なのであった。
それを観ていると知らず知らずのうちに涙があふれてきた。

初主演のスネオヘアーが好演、けっしてうまいとはいえないが、逆にそれが朴訥で純粋な浄念らしさを引き出していた。
また妻役のともさかりえもなかなかいい。
以前観た「ちょんまげぷりん」でも幼い男の子を抱える母親役をやっていたが、こちらも同様である。
さらに風変わりな男を支えるといったところも共通する点で、両方の役がダブって見えた。
エンドロールに流れる「ハレルヤ」はふたりのコラボだが、映画が終わった後もこの曲がいつまでも鳴り響いていた。

なおこの映画は福島県在住の玄侑宗久の小説が原作ということもあって、福島が舞台になっている。
撮影も福島オールロケで行われており、地元の人たちが大勢この映画に関っている。
そうした意味でも印象深い映画であった。




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