風に吹かれて

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Category: 懐かしいもの

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滑稽堂

弟は骨董収集が趣味である。
古い物を長年集めている。
厳密に言えば骨董というよりも古道具といったほうが当たっているかもしれない。
落語に「火焔太鼓」という演目があるが、弟の集める骨董はそれに近いもので、価値の高い貴重な物を収集するというよりも、そうした基準とは別の、ちょっと変わったもの、懐古趣味をかき立てるもの、そうした物を中心に集めている。
自らガラクタと称しているが、明治大正時代のもの、そして昭和のものとまさに玉石混交の骨董品である。

以前帰省した折に、倉庫に仕舞ってあるそうした古いものを見せられたことがあったが、最近知り合いが所有している古い民家を借りて、そこにすべてを集めて骨董屋として開店した。
弟は自らを文筆業と称し、それでは食えないので副業として電気屋をやっているのだと冗談めかして語っている。
そこに今回は骨董屋が加わった。
2足のわらじならぬ、3足のわらじである。どうやって3足も履くのだろうと余計なお世話を焼いてしまう。
ただ骨董屋を開店するのは今回が初めてというわけではない。
10年ほど前、町の「商店街空き店舗活用化事業」の一環として空き店舗を利用し、2週間という期間限定の開店をしたと、自費出版したエッセイ集には書いてある。
かなりの売り上げがあったそうだが、道楽商売のこととて、あまり売れてほしくはなかったそうだ。
今回もそうした姿勢での開店のようで、売ることはまったく考えておらず、ひっそりと人に知られずに開店した。
9月頃から休みの日は一日中こもりっきりで改装にいそしみ、ようやく開店にこぎつけた。
店の名前はエッセイ集「滑稽倶楽部」に因んで「滑稽堂」、開店後は友人知人を招いて骨董品を肴に何回も酒盛りをやったそうだ。
弟の得意満面でうれしそうな顔が浮かんでくる。
近くに住んでいれば何を置いても駆けつけるところだが、そうもいかず残念至極である。
そこで今回の帰省に際しては、それを見学するのも目的のひとつであり、遅ればせながらの「滑稽堂」訪問ということと相なった次第である。

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多度津に到着した日の午後、築100年以上という民家を改装した「滑稽堂」を訪れた。
よく見ると軒下には弟が吊るした干柿が並んでいる。
それが古い建物にそこはかとない風情を醸し出しているが、外観を見ただけでは普通の古い民家というだけである。
それなりに趣きはあるものの、こうした古い民家が珍しくない多度津の町では、ごく見慣れた建物のひとつといったところである。
ここが骨董屋だとは、まったく判らない。
ところがいったん中に入ってみると、古道具が所狭しと展示されており、間違いなくそこは骨董屋なのであった。
あらためてすべての骨董品を見て分かったことだが、以前倉庫で見たのは、ほんの一部だったということだ。
その時の何倍もの古道具、ガラクタ、骨董品で店内は満載であった。
これほどのものとは思っていなかった。
なるほど、弟が自慢するのも分からなくはない。
長年の収集の結果がこれである。

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電気屋という商売柄、古い家の改築などに立ち会うことが少なくないそうだが、そうした折に古いものがいろいろと出てくる。
ほとんどの持ち主はそれらをゴミとして捨てようとする。
それを弟はもったいないからと譲り受けてくる。
また弟が古い物を収集しているのを伝え聞いた人たちが、次々と古い物を持ち寄ってくる。
しかし古ければいいというものではなく、弟のメガネに叶ったものでなければいけないわけだが、中にはただ古いだけでどうしようもない物もあるそうだ。
それでもその親切心に応えてありがたく頂戴するそうだ。
もちろんその後は秘かに処分をさせてもらうことになる。
そうした様々な経緯を経て、知らず知らずのうちに古い物が集まって、大量のガラクタの山となったのである。
しかしこれほどの量が一同に集まるとなかなか見ごたえがある。
一種独特の世界を構築している。
それはもうゴミとは呼べないような存在感を醸し出している。
物というのは、それがあるべきところに治まると、俄然それが隠し持っていた個性や価値を主張し始めるものである。
そうした古い物たちが醸し出すアンサンブルはなかなか居心地がいい。
しばらくは俗世間の喧騒を忘れ、時間を忘れてガラクタいっぱいの「滑稽堂」に身を置いていた。
弟のディープな拘りと収集癖のおかげで、贅沢な時間を過ごすことができた。
今回の帰省のメイン・イベントであった。

この民家には、このほかにもまだ使っていない部屋がいくつもある。
さらに味のある庭や、土蔵、屋根裏部屋まである。
弟は人柄を見込まれて、これらを「好きなように自由に使ってください」という大家さんのお墨付きまで頂戴しているそうだ。
そういうわけでそれらに手を入れて今後どのように使うか、時間をかけて楽しみながら考えていくそうである。
「滑稽堂」はこれからもまだまだ増殖を続けていくことになるのである。

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テーマ : インテリア・雑貨  ジャンル : 趣味・実用

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Comments


お久しぶりです。
先日母からも叔父さんが帰ることを聞いていました。
ばあちゃんが元気そうで何よりです。僕も近いうちに、とは思っているんですが・・・・。

ところでブログをもう1つ作りましたので、これからはそちらで色々近況をお伝えして行こうと思っています。
気温の変化が激しい季節です。お体にはお気をつけて。
Re: タイトルなし
久しぶり!
コメントありがとう。その後元気にしてるかな?
新しいブログを始めたそうで、さっそくアクセスしてみました。
楽しみにしています。
さっそくこちらからもリンクしておきました。
では、また。






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Author:cooldaddy
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年齢:今年(2008年)還暦です。
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還暦という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
趣味のこと、生活のこと、心に残ったことなど、My Favorite thingsを、気ままに書いていこうと思います。
末永くおつき合いください。

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