風に吹かれて

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映画「昼下りの決斗」

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昨日に続いて今日も西部劇映画のレビューである。
こちらも先日BSシネマで観た映画。
サム・ペキンパー監督の事実上のデビュー作と云われている「昼下りの決斗」である。(第一作目は「荒野のガンマン」)
ペキンパー監督の特徴となった激しい暴力描写などはなく、きわめてオーソドックスな描き方ではあるが、後に「ケーブル・ホーグのバラード」や「ワイルド・バンチ」などで色濃く描かれた大西部の終焉、そして男の去り際の美学がこのデビュー作ですでに描かれている。
主演がジョエル・マクリーとランドルフ・スコット。
戦前の西部劇ファンにはお馴染みのスターである。
この時ジョエル・マクリーは55歳、ランドルフ・スコット59歳である。
ジョエル・マクリーはかつて名を馳せた名保安官を、そしてランドルフ・スコットはその助手を務めていた男を演じているが、ジョエル・マクリーが金山からの金塊輸送という仕事を受け負ったことから、今やしがない射的屋をやっているランドルフ・スコットに声がかかる。
そしてもうひとりランドルフ・スコットが選んだ若きカーボーイを助手に、金塊輸送の旅が始まる。
その旅の途中に知り合った娘エルサ(マリエッド・ハートレイ)を金山まで同行させたことから彼らはトラブルに巻き込まれてしまう。
そしてラストの「昼下りの決斗」へと雪崩れ込んでゆくのである。

決斗の相手方になる荒くれ者の鉱夫たちを演じるのが、後にペキンパー映画の常連となるウォーレン・オーツとL・Q・ジョーンズ、それにジョン・デイヴィス・チャンドラーらが加わり、不気味で凶暴な暴力性を発散させているのは、やはりペキンパーらしいところだ。
とくにウォーレン・オーツの不気味ないかがわしさは特筆もの。
ペキンパーに気に入られ、脇役専門の彼が後にペキンパー作品で主役を演じることになったのもうなずける怪演であった。

時代はすでにガンマンが脇に押しやられ、生きにくい時代になっている。
そのことが映画の冒頭でコミカルに描かれている。
そんな時代のなか、不器用なまでに正義を貫こうとするジョエル・マクリーの姿は痛々しい。
すでに自分の時代は終わってしまった。
そう自覚する彼はまるで死に場所を求めて彷徨う老いた象のように見えてくる。
ジョエル・マクリーは言う「貧しい男が死ぬ時着ているのは誇りの衣だ。着ていても暖かくない。」
「それでもいいのか」とランドルフ・スコットが訊ねる。
するとジョエル・マクリーは答える。「正しく死にたい。」と。

裏切りもあるが、それでも壊れない男の友情を柱に、男の美学を静かに謳い上げた。
そしてこの映画を最後にジョエル・マクリーとランドルフ・スコットは映画界を後に引退をした。
二重の意味で、男の去り際を謳い上げた映画でもあったのだ。


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