風に吹かれて

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Category: 外国映画

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映画「英国王のスピーチ」

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現イギリス女王エリザベス2世の父ジョージ6世が吃音症で、その治療のためにかなりの試行錯誤を繰り返したということをこの映画で初めて知った。
そしてその吃音症を治した言語療法士ライオネル・ローグとは生涯を通して友情を育んだということも。
この映画ではそんなふたりの出会いから、吃音症を克服するまでの紆余曲折が感動的に描かれている。

映画のなかで、父ジョージ5世は息子であるジョージ6世(即位前はヨーク公アルバート王子)に「昔の王は馬に乗っていればよかったが、いまの王は、ラジオで民衆に語りかけるのが仕事だ」と話している。
そうした立場にある人間が吃音症とは何とも皮肉な話であり、そしてそれは致命的な欠陥でもあった。
しかしジョージ6世は望んで英国王になったわけではない。
むしろそれを避けたいと願いながらも、父ジョージ5世の後を継いだ兄のエドワード8世の突然の退位によって突然その地位に立たされることになる。
そこからジョージ6世の苦悩の日々が始まることになる。
そしてそれを甲斐甲斐しく励まし、後押しするのが、妻であるエリザベス妃であった。
そんな彼女の献身的な介助なくしては、この物語の成立はなかったのではなかろうか。
言語療法士ライオネル・ローグを見出し、そしてジョージ6世を励ましながらともにローグの治療に通うという彼女の積極的な行動があったればこそなのである。
そしてそれが見事に功を奏し、第2次世界大戦開戦にあたっての見事なスピーチへと繋がっていくことになるのである。

ジョージ6世を演じたのはイギリスの名優コリン・ファース、この演技で見事アカデミー主演男優賞を受賞している。
対するライオネル・ローグを演じたのは、ジェフリー・ラッシュ、彼もかつて映画「シャイン」で同賞を受賞した名優である。
このふたりの立場を越えたぶつかり合いと友情は見ごたえがある。
またエリザベス妃を演じたのはヘレナ・ボナム・カーター。
どちらかというと癖の多い、あまり好みの女優ではないが、この映画での彼女はそれまでの印象とは大きく違っていた。
あまり前面には出ず、つつましくジョージ6世を支える、芯の強さを内に秘めたエリザベス皇太后を見事に、そしてエレガントに演じ切っていた。
とにかく3人の演技のアンサンブルが見事な映画であり、心に残る良作であった。

地味な内容の映画ながらも昨年度のアカデミー賞では、作品賞をはじめ監督賞(トム・フーパー)、主演男優賞、脚本賞(デヴィッド・サイドラー)の4部門を受賞している。

また英国王ジョージ6世役は、当初コリン・ファースではなくヒュー・グラントにオファーされたそうで、後に出演を断ったことを大後悔したといった裏話があったことも書き加えておく。




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