風に吹かれて

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Category: 日本映画

Tags: 仲代達矢  戦争映画  

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映画「人間の条件」1

人間の条件

終戦記念日の昨日から、NHK、BSプレミアムで映画「人間の条件」の放映が始まった。
全6部作のこの映画を毎夜一部づつ、都合6日間にわたって放映される。
上映時間9時間27分。
その長さも驚異的だが、内容はさらに驚異的。
戦争というものの本質に迫ろうとする映像の迫力には、まさに圧倒されてしまう。
これまで観てきた日本映画のなかでは、間違いなくベストテンに入る名作である。

原作は五味川純平のベストセラー小説。
戦争という名のもとに非人道的な行為が公然と行われる混乱の時代に、あくまでも人道的な立場を崩さず、正義を貫ぬこうとした男の物語である。
正義を貫くことがもっとも困難な時代に、梶というヒューマニズムあふれる男をあえて投入することで、戦争というものの実態、その本質を炙り出そうとする。
主演は仲代達矢、当時26歳の彼が大抜擢されての主演であった。
そして彼が梶を演じたことが、この映画の成功のかなり大きな部分を担っていると思う。
それほど仲代が演じた梶は、適役であった。
監督は小林正樹、シナリオは彼と松山善三、撮影は宮島義勇。
(この作品の完成後の翌年1962年に、小林正樹、宮島義勇、仲代達矢が再びチームを組んで「切腹」が作られている。)
この映画が作られたのは、1959年から1961年までの3年間である。
北海道を満州の荒野に見立てての長期ロケ、のべ2万人を越えるスタッフ、キャストを投入したという、まさに超大作であった。
これほどの映画が作られたということは、今考えるとほんとうに驚き以外の何ものでもない。
よくこれだけの映画が作られたものだと思う。
当時の日本映画がいかに大きな底力を持っていたかを、思い知らされる。

この映画を初めて観たのは1967年、大学2年のときである。
場所は池袋の文芸座、オールナイト興行の全作一挙上映特集であった。
間に休憩時間を挟みながら、10時間近くの上映だったが、映画の迫力に圧倒され続け、観終わった後はほとんど放心状態であった。
それほどこの時の映画体験は、強烈なものだった。
さらに同じ年の10月7日の深夜、大学の友人とふたりで再びこの映画を観に行った。
実は次の日に羽田で「佐藤首相ベトナム訪問」阻止のデモが行われることになっており、友人とふたりそれに参加しようか、それとも映画を観ようかと迷った末、結局映画を観ることにしたのであった。
そして翌8日のデモには行かず、そのまま下宿に帰ったが、この時のデモは後に第一次羽田闘争と呼ばれたもので、その騒乱の中でひとりの学生が亡くなった。
そのことをニュースで知り、ショックを受け、複雑な思いを抱いたのであった。
そうした意味でも、この映画は忘れられない映画として、心に刻まれることになったのである。
今回の放映で観るのは、それ以来のことになるわけで、44年ぶりの再会ということになる。
果たしてこれをぜんぶ観通せるだけのエネルギーが今の自分に残されているのかどうか、少し不安を覚えるが、なんとかすべてを通して観たいと思っている。
しばらくは眠れない夜が続きそうである。


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