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風に吹かれて

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Category: 懐かしいもの

Tags: エッセイ・評論  

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『「月光仮面」を創った男たち』樋口尚文

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「どーこーの誰だか、知らないけれど~。
誰もがみーんな知っている。」
この歌がテレビ画面から流れる時間になると、それまで空き地や露地で夢中で遊んでいた子供たちは、いっせいにテレビの前に集まってくる。
そしてわれらが「月光仮面」の登場を、今か今かと期待に胸ふくらませながらテレビ画面を注視する。
そんな風景が日本中の家庭で見られるようになったのは、昭和33年のことである。

昭和33年という年は、日本映画が史上最高の観客動員数を記録した年であり、東京タワーが完成し、テレビ電波の送信を開始した年でもあった。
いわば主役の座を後に交代せざるをえなくなる新旧2つのメディアが、そのスタートラインに立ったのが、この年であった。
エポックメーキングともいえる、この年に国産の「連続テレビ映画」第一号として「月光仮面」は誕生したのである。
その栄えある国産「連続テレビ映画」第一号「月光仮面」はどのようにして生まれ、創られていったのか、そしてそれを創ったのはどんな人たちであったのか、それを詳しく検証したのがこの『「月光仮面」を創った男たち』という本である。
当時小学校低学年で、この番組に夢中になった身としては、これは大いに興味をそそられる本であった。
その頃を懐かしく思い出しながら、面白く読んだ。

まず原作は後に作詞家として活躍した川内康範。
生家が日蓮宗のお寺であった川内がプロデューサーの西村俊一とともに、悪事がはびこる時に降臨する月光菩薩にちなんで「月光仮面」というヒーローを生み出した。
「自ら裁くことはせず、善人にも悪人にも平等にふりそそぐ月光のごとく」という思いを込めての命名であった。
製作は広告宣伝を生業とする宣弘社。(後にこの会社に入社することになるのが、作詞家の阿久悠である。)
きわめて低予算だったために、集められたスタッフは、監督経験のなかった船床定男をはじめ、全員が経験の浅い若者たちであった。
さらに主役の祝十郎(いわい じゅうろう)すなわち月光仮面を演じた大瀬康一も、東映東京撮影所の大部屋俳優という、まったくの無名の役者であった。
そうした無名戦士たちの情熱と涙ぐましい頑張りに支えられて「月光仮面」は創られ、平均視聴率40%、最高視聴率は67.8%という、今では考えられないような高視聴率をあげる人気番組へと育っていったのである。
とくに月光仮面を演じた大瀬康一へのインタビューを読んでいると、当時の現場の熱気が伝わってくるようであった。
本書のなかで語られるエピソードは、草創期ならではの逸話に満ちており、そうした無我夢中の頑張りが、後のテレビの急成長の礎になっていることを、あらためて教えられたのである。

「月光仮面」に夢中になったわれわれ世代にとっては、懐かしさと同時に、まさに興味の尽きない一冊であった。





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テーマ : 懐かしいテレビ番組  ジャンル : テレビ・ラジオ

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還暦(10年前)という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
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