FC2ブログ

風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 落語

Trackback (0)

八代目桂文楽「明烏」

katurabunraku.jpg
江戸落語を代表する名人のひとり、八代目桂文楽が青森県五所川原市生まれというのは、ちょっと意外な感じがするが、これは父親が大蔵省の官僚で、赴任地である五所川原町(当時)で税務署長を務めていたときに生まれたことによるもの。
生まれは青森県でも、育ったのは東京で、実質的には東京出身というわけだ。
父親は徳川慶喜の御典医の息子ということなので、文楽もチャキチャキの江戸っ子なのは間違いのないところ。

ところで文楽のネタは大きく分けると「幇間」「若旦那」「盲人」の三つのジャンルに大別されると云われている。
その「若旦那」の代表格が、「明烏」である。

若旦那のあまりの堅物ぶりに困った父親が、これでは商売に差し障りがあると考えて、町内の遊び人に吉原へ連れて行くようにと頼み込む。
吉原は怖いところと信じて疑わない若旦那を、「お稲荷さまへお篭りに」と騙して連れ出し、吉原へと繰り出していくという噺である。
若旦那の度を越えた堅物ぶりや、遊び人たちとの落差のあるやりとり、騙されたと知ってうろたえる若旦那のうぶさ加減など、笑いを誘う場面が満載。
代表的な廓噺でもあり、「吉原」の様子やしきたりを知るためのテキスト的な噺でもある。
それが文楽の艶のある語り口で語られることで、「吉原」という華やいだ世界が見事に浮かび上がってくる。

文楽の噺は、ネタの数が少なく、気に入った噺だけを細部まで緻密に作り上げ、一言一句も疎かにしないというものである。
これを「落語界の小津安二郎」と立川志らくは称しているが、まさにそのとおり。
練りに練った職人芸、落語のひとつの頂点を極めたのが文楽の芸といっていいだろう。
その文楽の最後の高座は、
「台詞を忘れてしまいました……申し訳ありません。もう一度……勉強をし直してまいります。」というもの。
以後文楽は、2度と高座に上がることはなかった。
完璧主義者であった文楽らしい幕切れである。

文楽の噺のなかでは、これがいちばん多く聴いた噺だが、久しぶりに聴いてもやはり新鮮で面白い。
文楽の名人芸をたっぷりと味わえる。


ブログランキング・にほんブログ村へ 
  ↑ クリック、お願いします。 ↑
スポンサーサイト



テーマ : 落語  ジャンル : お笑い

Newer Entry佐藤愛子「院長の恋」 Older Entry葉室麟「銀漢の賦」
カレンダー
10 | 2019/11 | 12
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール

cooldaddy

Author:cooldaddy
住んでいるところ:青森県弘前市
出身地:香川県
年齢:今年(2018年)70歳です。
性別:男

還暦(10年前)という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
趣味のこと、生活のこと、心に残ったことなど、My Favorite thingsを、気ままに書いていこうと思います。
末永くおつき合いください。

映画サイト「マイ・シネマ館」もやっています。
こちらもよろしく。

ランキングサイトに参加しています。
もしよければクリック、お願いします。↓
ブログランキング・にほんブログ村へ 

月別アーカイブ
cooldaddyの本棚
FC2ブログランキング
ブログ内検索
QRコード
QRコード

12345678910111213141516171819202122232425262728293011 2019