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映画「告発のとき」と「さよなら。いつかわかること」

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昨日の休みはDVDをレンタルして、映画三昧の一日だった。
借りたのは「告発のとき」と「さよなら。いつかわかること」の2本。
偶然だが、どちらもイラク戦争を題材にした映画だった。
しかもどちらもクリント・イーストウッドとの関係が深い映画というおまけつき。
「告発のとき」はイーストウッドの映画「ミリオンダラー・ベイビー」「父親たちの星条旗」の脚本を書いたポール・ハギスが監督した作品。
片や「さよなら。いつかわかること」ではクリント・イーストウッドが音楽を担当している。
イーストウッドが自らの作品以外で音楽を担当したのは、この映画が初めてである。
それはこの映画のプロデューサーでもある主演のジョン・キューザックがイーストウッドに依頼したことで実現したもの。
随所に挿入された美しい曲がこの映画の悲しみを象徴して印象的だ。

どちらもイラク戦争に出征した家族が命を落とすという物語だが、その表現の仕方は対照的。
「告発のとき」はミステリー仕立てで、現代アメリカが抱える問題を鋭く浮かび上がらせるという硬派の映画。
いっぽう「さよなら。いつかわかること」はファミリー映画仕立てによる戦争批判で、戦場場面はいっさい出てこない。
表現方法は異なるものの、どちらも身にしみる内容で、戦争の不条理さが彼らの心に深い影を落としていることがよく分かる。

「告発のとき」はトミー・リー・ジョーンズが主演、行方不明になった息子を探す元軍警察の父親役を渋い演技で好演している。
いわゆるアメリカ的な強い父親で、古い型の父親像。
いっぽう「さよなら。いつかわかること」の場合は妻が出征して、その留守を預かるという父親で、いかにも頼りなげだ。
そして妻の戦死を知らされた後は、どうやって娘たちにその事実を告げるべきかの決断がつかない。
そういった対照的な父親であるものの、どちらも家族のために精一杯父親としての役目を担おうとする。
強い父親も弱い父親もそれぞれのやり方で、等しく家族を守ろうと奮闘する。
その涙ぐましい行動の向こうに、アメリカの抱える深い闇と悲痛の声が透けて見えてくる。
どちらも見ごたえがあり、ずしりと重いものを残す映画だった。
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それから、つけ加えておきたいのが「告発のとき」のシャーリーズ・セロンのかっこよさ。
トミー・リー・ジョーンズに協力する女刑事役、シングル・マザーで男社会のなかにあって、陰険な差別を受けながらも執念で捜査を続ける女刑事を好演している。
かっこいい女刑事役といえば「ブルースチール」のジェイミー・リー・カーティスや「インソムニア」のヒラリー・スワンクといったところがすぐに思い浮かぶが、どうしてアメリカの女刑事役はこうもかっこいいのだろう。
彼女もこの役でその仲間入りをしたといえる。
この映画の大きな見どころのひとつである。

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