FC2ブログ

風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 日本映画

Comment (0)  Trackback (0)

映画「幼な子われらに生まれ」

osanago.jpg

家庭内での悲惨な事件が頻発する、今という時代だからこそ描かれた家族の物語。
バツイチ同士の男女が結婚、連れ子との関係をどう構築して親になっていくか。
そうした風景を通して、家族それぞれが抱える問題を浮き彫りにしていく。
そして歪な家族なりの解決策を見出していく。
それを家族の視点、別れたそれぞれの男女、そして子供の視点を交えながら描いていく。

親が子供を育てるというのは当たり前の話だが、逆に親も子供によって育てられる、というのもまた一面の真実。
すなわち子育てをするなかで、親もいっしょに成長していくことになる。
そうやって初めて親になる。
子供を育てるというのは、自分自身を育てるとことでもある。

原作は重松清の同名小説。
それを数々の名作を書いてきた荒井晴彦が巧みに脚色。
登場人物それぞれのキャラクターが、説得力あるリアルさで描かれている。

たとえば妻の別れた前夫のDV男などはその嚆矢。
親になることを放棄してしまった男の身勝手な言い分を聞かされるが、全面否定できないものを含んでいる。
同時にそんなDV男の秘めた優しさも、何気ないエピソードによって見せていく。
一面的ではない人間の複雑さを描き出している。
演じるのは宮藤官九郎。
こういうダメ男を演じると、精彩を放つ。

夫婦を演じるのは、浅野忠信と田中麗奈。
いずれも適役。
とくに浅野忠信が素晴らしい。
宮藤官九郎演じるダメ男とは対照的な、真面目で誠実なサラリーマン。
リストラに合いながらも、それを家族にも告げず、ただ一途に家庭を修復しようとする。
だがそうした懸命さが、却って思春期の連れ子の神経を逆撫ですることになる。
そして問題がさらに複雑になっていく。
そんななかで右往左往する浅野忠信の不器用な姿が印象に残る。

さらに彼の別れた元妻を演じているのが、寺島しのぶ。
彼女もまた小学生の娘を連れて別な男と再婚しているが、夫は不治の病で余命いくばくもない。
そんな家族を対比させることで、家族とは何かというテーマを、さらにもう一段深く掘り下げていく。

こうした家族の風景を監督の三島有紀子は、けっして声高に描くことはせず、ごく当たり前の日常の連続のなかで描いていく。
そうした距離のとり方には、好感を覚える。
見応えのある家庭劇である。


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
  ↑ クリック、お願いします。 ↑

スポンサーサイト




Newer Entry今日で1ヶ月 Older Entry映画「ノー・エスケープ 自由への国境」
Comments






カレンダー
07 | 2019/08 | 09
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
プロフィール

cooldaddy

Author:cooldaddy
住んでいるところ:青森県弘前市
出身地:香川県
年齢:今年(2018年)70歳です。
性別:男

還暦(10年前)という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
趣味のこと、生活のこと、心に残ったことなど、My Favorite thingsを、気ままに書いていこうと思います。
末永くおつき合いください。

映画サイト「マイ・シネマ館」もやっています。
こちらもよろしく。

ランキングサイトに参加しています。
もしよければクリック、お願いします。↓
ブログランキング・にほんブログ村へ 

月別アーカイブ
cooldaddyの本棚
FC2ブログランキング
ブログ内検索
QRコード
QRコード

1234567891011121314151617181920212223242526272829303108 2019