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風に吹かれて

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映画「ウインド・リバー」

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ミステリーの傑作、クライム・サスペンスの傑作である。
冒頭から結末まで、一時も目を離すことができない。
背景となる自然の厳しさ、そのなかで生きる置き去りにされた人々の逃れることのできない苦しみ。
それらが、強い緊張感を伴って迫ってくる。
息を詰めて見続けた。

雪深いなかでの犯罪ということで「ファーゴ」や「シンプル・プラン」といった映画を思わせるが、そこにあったブラックなユーモアはここにはない。
また異文化のなかに入り込んでの捜査という点では、「刑事ジョン・ブック」を想起させる。
そうした要素を併せ持った映画である。

題名になっている「ウインド・リバー」とは、アメリカ中西部に位置するワイオミング州の山岳地帯の地名である。
雪深い酷寒の地で、ネイティブ・アメリカンの保留地になっている。
部族独自の自治権が認められており、州の権限が及ばない地域である。
面積は鹿児島県と同じくらいあるが、そこを取り締まる警察官の数はたったの6人。
そのためすべてに手を回すことができず、なかば無法地帯と化しており、多くの犯罪が見過ごされている。
さらに保留地内で起きた犯罪には、市警や州警察は介入することができず、捜査を行えるのはFBIだけ。
そんな特殊な土地で起きた少女暴行致死事件の行方を追うというのが、この映画のストーリーである。
主人公はジェレミー・レナー演じるコリー・ランバートという男。
合衆国魚類野生生物局のハンターである。
ある日ハンティングの最中、少女の遺体を見つけたことから事件が始まる。
そこへ事件のために派遣されてきたのが、エリザベス・オルセン演じるもうひとりの主人公、FBIの女性捜査官ジェーンである。
このふたりを軸に事件の真相を探る捜査が開始される。
そしてその困難な捜査のなかで浮かび上がってくるネイティブ・アメリカンたちの逃れられない過酷な現実、生きることの困難さ、そうしたものが観る者に様々なことを問いかけてくる。
人間ドラマとしても一級品。
重く苦々しいが、同時にささやかな希望も残されている。
そしてそれに深く癒される。

「ここで生きるには運ではなく、強さと生き抜く意志があるかどうかだ」
そんなセリフとともに、忘れられない映画になった。


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還暦(10年前)という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
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