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風に吹かれて

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Category: 外国映画

Tags: 戦争映画  

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映画「ヒトラーの忘れもの」

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第2次世界大戦終結後、デンマークにドイツ軍が埋設した地雷が大量に残された。
その数200万個ともいわれている。
それがこの映画の題名になった「ヒトラーの忘れもの」である。
その残された地雷を除去するために駆り出されたのが、ドイツ軍の捕虜たちである。
そしてその多くが少年兵であった。
そうした事実に基づいて作られたのが、この映画である。

映画を観てまず驚かされるのは、その歴史的事実である。
少年兵のほとんどが、まだあどけなさの残る10代の少年たち。
そんな兵士たちがいたことにまず驚かされる。
それは大戦末期に、追いつめられたドイツが、徴兵年齢を10代半ばにまで引き下げたことによる。
年端も行かない子供たちまで戦争に駆り出し、しかも戦争終結後は国に帰ることが許されず、こうした過酷な作業に従事させられたのである。
地雷除去に従事させられた捕虜の数は、2600名。
そのうち半数が死亡、もしくは重傷を負い、除去した地雷の数は、140万個にも及んだということである。

映画の舞台となっているのは、デンマークの西海岸の小さな村。
そこで11人の少年兵が、砂浜に埋められた地雷の除去を命じられる。
その数4万5千個。
それを3ヶ月かけてすべて取り除くというのである。
計算すると1日500個、ひとりあたり50個弱ということになる。
それをすべて手作業で行う。

地雷除去というのは、熟練した専門の人間が行う場合でも、慎重の上にも慎重を期して処理しなければいけない。
それをごく簡単な訓練を受けただけの、ほとんど素人同然の少年たちが行うのである。
しかもまともな食事も与えられないという劣悪な環境の中で。
毎日が死の恐怖との闘い。
地雷除去に失敗して犠牲になる者は後を絶たず、ひとり欠けふたり欠けと仲間は減ってゆく。
これはもうほとんど拷問に近い。
いつ爆発するかもしれない地雷除去のシーンの緊迫感は凄まじい。
見ているだけで、緊張が強いられる。

少年たちを管理するのは、デンマーク軍の屈強の古参兵であるラスムスン軍曹。
ドイツ兵に対して人一倍憎しみを抱いた軍人である。
それは少年兵といえども同様で、いっさい容赦はない。
戦争による憎しみの連鎖の激しさを思い知らされる。
そんなラスムスン軍曹が少年兵たちと過ごすなかで、少しづつ変化していく様子には、厳しさだけではない隠された人間性を垣間見ることができる。
そこにこの映画のわずかな救いがある。

戦争がもたらす悲劇の形は様々だが、いずれもわれわれの想像を遥かに超える。
そしてその痛ましさの形も様々だ。
この映画でまた新たな悲劇に出会ったわけだが、こうした隠された戦争の悲劇を掘り起し、映画として結実させた勇気と熱意には頭が下がる。
心揺さぶられる映画だった。


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