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風に吹かれて

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Category: 日本映画

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映画「彼女がその名を知らない鳥たち」

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不快な人物、不快な行動、そして不快な展開、心を逆撫でするような場面ばかりが延々と続く。
もちろんそれはこの映画の意図するところであり、敢えて露悪的ともいえるほどそれらを積み重ねていく。
それが白石和彌監督のスタイルなのだということはよく判る。
だが、それを観続けるのは、やはりかなりのエネルギーを強要されることになる。
それでいてどうしても画面から目が離すことができないのは、この映画がもつ力強さゆえ。
先日観た「葛城事件」も不快感全開の映画だったが、こちらも負けていない。
そういえば「葛城事件」での三浦友和は高圧的なクレーマーであったが、この映画の蒼井優もかなり陰湿なクレーマーである。
その嫌味な態度は腹立たしく不快。
さらに彼女の言動、人間関係など生活すべてが不快な色彩に彩られている。
また彼女がつき合う恋愛相手ふたり(竹野内豊、松坂桃李)が、いずれも小狡く計算高いダメ人間。
そんなダメ人間ばかりのなか、唯一異色なのが阿部サダヲ演じる佐野陣治という男。
蒼井優演じる十和子の同棲相手で、十和子から蔑まれ、手ひどい仕打ちを受けているにも関わらず、献身的に尽くそうとする。
だらしなく働かない十和子の生活の面倒は、彼がすべて支えているが、それでいながら十和子は傍若無人に自分勝手な行動ばかりをとる。
都合よく彼を利用し、完全にバカにしきっているのである。
それでもめげずに、十和子に気に入られようと、どこまでも尽くそうとする。
まさしく現代版「痴人の愛」である。
文豪・谷崎が描いた被虐の世界を現代に移し変えたような話である。
究極の優しさ、究極の愛、狂気の愛ともいえる。
その行きつく先には、不吉な影が見え隠れしているが、その予感を超える驚きの結末が用意されている。
こんなことが果たして現実にあり得るのかと思えるような結末である。
その結末がこの映画最大の胆ではあるが、いっぽうそれをどう受け取るかによって、この映画の評価が大きく変わることになる。
賛否が大きく分かれるところ。
いずれにしてもこれは「葛城事件」に負けず劣らずの問題作。
そして最後にもうひとつ、この映画には「葛城事件」の赤堀雅秋監督が、刑事役として出演していることも付け加えておこうと思う。


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テーマ : DVDで見た映画  ジャンル : 映画

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