FC2ブログ

風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 日本映画

Comment (0)  Trackback (0)

映画「恋の渦」

koinouzu.jpg

製作費10万円、製作日数4日、全員無名の俳優という極小規模の映画である。
監督は大根仁、岸田國士戯曲賞を受賞した三浦大輔の舞台劇が原作で、映画の脚本も三浦自身が担当している。
企画は「シネマ☆インパクト」。
大根監督の作品を後追いするなかで、この映画を観ることになった。

まずは「シネマ☆インパクト」の説明から。
2012年から始まった映画監督山本政志が主宰する実践映画塾である。
そこに大森立嗣、瀬々敬久、鈴木卓爾、深作健太、橋口亮輔、ヤン・イクチュン、山下敦弘、松江哲明、熊切和嘉、廣木隆一、いまおかしんじ、といった監督たちが参加し、受講生と共に限られた時間と予算のなかで実践的に「映画作り」を行うというもの。
そこから生まれたのが、この映画である。
プライベートフィルムと呼んでもいいような規模の映画だが、これがとてつもなく面白い。
こうしたた種類の映画が陥りがちな独りよがりやチープさといったものはなく、また全員無名の俳優とはいえ、けっしてシロート臭はなく、今風の若者を生き生きとリアルに演じていて、躍動感がある。

出演者は男5人に女4人。
今どきの若者の今どきの生活を、それぞれのアパートを覗き見するような形で進行させていく。
そしてそこを男女が入れ代わり立ち代りするうちに、人間関係の裏の部分や隠された本音が露わになっていく。
最初は底が浅く軽薄な会話の連続に、いささか辟易させられたが、観ているうちに俳優たちが演じているのか、地のままの姿なのかが分からなくなってしまうほどのリアルさに、どんどんと引き込まれていった。
ドラマというよりもドキュメンタリーのような肌触りと臨場感である。
まさに彼らの本音や嘘や弱さや強さが「渦」のようにうねる世界に巻き込まれ、あっという間の2時間20分であった。
これはやはり演出の力と脚本の力によるもの。
土台がしっかりしている映画は揺るぎない。
描かれているのは薄っぺらで刹那的な若者たちのどうしようもない世界ではあるが、それが深い人間観察と洞察によって裏打ちされることで、強い説得力のある映画になっている。
限られた予算と時間であっても、これだけの映画が出来てしまう。
そのことをまたあらためてこの映画によって教えられたのである。


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
  ↑ クリック、お願いします。 ↑

スポンサーサイト
テーマ : DVDで見た映画  ジャンル : 映画

Newer Entry映画「プライベート・ライアン」 Older Entry映画「はじまりへの旅」
Comments






カレンダー
08 | 2018/09 | 10
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
プロフィール

cooldaddy

Author:cooldaddy
住んでいるところ:青森県弘前市
出身地:香川県
年齢:今年(2018年)70歳です。
性別:男

還暦(10年前)という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
趣味のこと、生活のこと、心に残ったことなど、My Favorite thingsを、気ままに書いていこうと思います。
末永くおつき合いください。

映画サイト「マイ・シネマ館」もやっています。
こちらもよろしく。

ランキングサイトに参加しています。
もしよければクリック、お願いします。↓
ブログランキング・にほんブログ村へ 

月別アーカイブ
cooldaddyの本棚
FC2ブログランキング
ブログ内検索
QRコード
QRコード

12345678910111213141516171819202122232425262728293009 2018