風に吹かれて

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Category: 読書

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星野源「いのちの車窓から」

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星野源の存在を知ったのは、映画「箱入り息子の恋」を観てからだ。
3年前のことである。
映画は面白く、なかでも主演の星野源のことが強く印象に残った。
どこにでもいそうな、ネクラで目立たない若者を演じていたが、現実の彼もきっとそんな人間に違いないという説得力があった。
調べてみると俳優であり歌手であり、時にエッセイも書くというマルチタレントであった。
しかしその時点では、それほど知られた存在ではなく、ごく一部の人だけが知るマイナーな存在であった。
以来気になる人物となった。
そして数年を経た後、一気にブレイク、今では多くの人が知る人気のタレントである。
昨年はテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」に主演、主題歌「恋」や「恋ダンス」が大ヒット、「NHK 紅白歌合戦」にも2年連続で出演するなど、ここ数年の活躍は目覚ましい。
そんな旬な男である星野源の今を覗いてみたいと、この本を読んでみたのである。

星野源はこれまでに、5冊の著書を出しており、「いのちの車窓から」は6冊目になる。
これは雑誌『ダ・ヴィンチ』で連載中のエッセイをまとめたもの。
「人生は旅だというが、確かにそんな気もする。自分の体を機関車に喩えるなら、この車窓は存外面白い。」というコンセプトのもとに書かれたエッセイ集で、星野源の今が率直で軽快な文章で綴られている。
人好きではあるが、人見知りでもあり、そして孤独を好む。
常に自然体でいることを心がけ、けっして無理はしない。
しかし好きなことには、精一杯打ち込み、集中する。
そんな日常が、独自の感性によって綴られていく。
時にそれは華やかな芸能界の裏側であったり、街で出会った何気ない風景であったりするが、なかでも印象に残ったのが、紅白初出場を果たした時のことを書いた「おめでとう」と題したエッセイである。
いったい何のことを書いているか分からないような出だしから始まり、次第にそれが紅白初出場のことだということに気づかされ、さらにNHKでの発表の舞台が近づくにしたがって、緊張した興奮が高まってくる。
巧みな描写は、まるで小説を読んでいるようで、その場に一緒にいるかのような臨場感があり、そして感動がある。

好奇心が強く、ポジティブな文章から滲み出てくるのは、自分に正直であろうとする率直さと人柄の良さである。
読んでいて心地いい。
そしてそれが爽やかで好感の持てる読後感を引き出す大きな要因にもなっている。
芸能界という特殊な世界で、自らを見失なわず、独自の立ち位置を着実に築き続けている星野源に、これからも注目していきたいと思わせられるエッセイ集であった。


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還暦という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
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