風に吹かれて

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Category: 読書

Tags: 短編小説集  

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ほしおさなえ「活版印刷三日月堂 海からの手紙」

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埼玉県川越市にある小さな活版印刷所「三日月堂」を訪れる様々な人たちの姿を描いた連作短編集である。
この「海からの手紙」は「星たちの栞」に続いて出された「活版印刷三日月堂」シリーズの第2弾になる。
主人公は二十代の女性、月野弓子、「三日月堂」という名の活版印刷所を、ひとりで切り盛りしている。
「三日月堂」は彼女の曽祖父が昭和初期に創業した印刷所で、それを祖父が継いで営んでいた。
だが5年前、祖父が亡くなると同時に店は閉じられてしまったのである。
それを孫の弓子が継ぐことを決心、再開1年目の出来事を書いたのが、「星たちの栞」である。
そして続く2年目の出来事を書いたのが、この「海からの手紙」である。
順番から行けば「星たちの栞」を先に読むべきところだが、図書館の予約の順番が「海からの手紙」のほうが先になり、順番が逆になってしまったのである。

「ちょうちょうの朗読会」「あわゆきのあと」「海からの手紙」「我らの西部劇」の4編が収められているが、どれも心温まるいい話ばかり。
おそらく若い女性を主なターゲットにしているのだろうが、自分のようなおじさんが読んでもウルッときてしまう。
泣かせのツボを心得ているのである。
読み終わった後は、誰かに無性に勧めたくなってしまう。

ところでこの小説を読んで、活版印刷についていろいろと勉強になった。
それぞれの話のなかで、活版印刷に興味を持った人たちが訪れて、案内状、名刺、豆本、本などが印刷されていくが、その過程で活版印刷独自の印刷方法や魅力が、懇切丁寧に説明されていく。
そして活版印刷の世界の向こうに、思いがけず豊かな世界が広がっていることに気づかされるのである。
そうした奥深い世界に触れることができたことも、この小説を読んでよかったことのひとつである。
近々「星たちの栞」のほうも読むつもりである。

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