風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 外国映画

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映画「愛する人」

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原題は『Mother and Child』、2009年製作のアメリカ映画である。
その原題が示すように若くして娘を産んだ母親と、生まれてすぐに養女に出された娘の37年後を描いた映画である。
但しそれを単純な母子再会の話にしないところが、この映画の優れたところ。
老母の介護をしながら暮らす母親と、優秀な弁護士としてキャリアを重ねる娘の今に重ねて、養子を希望する若い黒人夫婦のエピソードを描くことで、さらに物語に深みと厚みをもたらしている。
こうした一見無関係とも思えるエピソードを積み重ねながら物語を進めていく描き方、はロバート・アルトマンの映画などによく見られるものだ。
また新しいところではアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の「21グラム」や「バベル」といった映画も、こうした手法で撮られている。
そんなことを考えながら、何気なくこの映画のスタッフの顔ぶれをみていると、なんとそこにアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の名前があるではないか。
製作総指揮となっている。
なるほどこの映画に深く関わっているわけだ。
そうやって考えてみると、娘役を演じたナオミ・ワッツは「21グラム」でも主役を演じており、イニャリトゥ監督とは深い関わりのある女優である。
そんな繋がりも見えてきて、ますます興味深い。
対して母親役を演じるのは、アネット・ベニング。
年老いた母親の介護に追われるなか、生活に疲れ、他人の好意や親切を素直に受け入れようとはしない頑なな中年女性を好演、ナオミ・ワッツとともに女の強さとその裏に隠された孤独や弱さを絶妙に演じている。
監督はロドリゴ・ガルシア。
父親はあのノーベル賞作家ガルシア・マルケス。
コロンビア生まれであるが、育ったのはメキシコ。
こちらもメキシコ出身のイニャリトゥ監督とは関わりが深い。
さらにそこに「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロンや「パンズ・ラビリンス」「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ、そして撮影監督のエマニュエル・ルベツキと並べていくと、ここ最近のハリウッドでのラテン・アメリカ出身者の活躍にはめざましいものがある。
そうやって考えているうちに、メキシコとの国境沿いに壁を作るというトランプ大統領の政策が、そうした流れを阻害することにならなければいいがと、そんなところまで考えが飛躍してしまったのである。


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年齢:今年(2008年)還暦です。
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還暦という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
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