風に吹かれて

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Category: 外国映画

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映画「ブルックリン」

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1950年代を舞台に、アイルランドからニューヨークのブルックリンに渡った少女が、様々な経験を積むことで、次第に自立の道を歩んでいくという物語である。
そんな地味な話ではあるが、一瞬たりとも目がはなせない。
それは1950年代という時代の再現の見事さや、少女の成長過程の丁寧な描き方によるものだ。
1950年代といえば、戦争が終わってまだ数年という時代で、戦勝国アメリカの復興期、経済成長著しい時代である。
そんなアメリカの繁栄を目当てに世界中から多くの移民が集まってくる。
主人公の少女エイリシュもアイルランドでの貧しい生活から逃れようと、単身アメリカへと渡ってくる。
落ち着く先はニューヨークのブルックリン、そして就いた仕事はデパートの販売員。
これらすべては同郷の神父の手助けによるもの。
なるほどこうした方法によって、大勢の移民たちがアメリカに渡って来たのだということがよく分かる。
そして慣れない都会生活の中で、淋しさや不安からホームシックに陥り、次第に自信を失っていく彼女を励ましてくれるのも、また神父であり、下宿屋の管理人である老婦人なのである。
そうした都会生活での生活がきめ細かく描かれていくが、それを見ているうちに、次第に自分自身の上京当時の生活が思い出されてきた。
そしてその主人公の孤独で心細い姿に、当時の自分が重なり、その心情が痛いほど伝わってきたのである。
だがやがてそうしたホームシックや自信喪失からも何とか抜け出すことができるようになると、目にするものすべてが光り輝いて見えてくるようになる。
そして自らの進んでいく道もまたしっかりと見えてくるようになる。
こうして田舎育ちの少女は、次第に自立した女性へと生まれ変わっていくのである。
成長物語には常に痛みと同時に爽やかな達成感と感動が伴っている。

主人公エイリシュを演じるのは、シアーシャ・ローナン。
映画「つぐない」で13歳という若さでアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた女優である。
その後「ラブリー・ボーン」、「ハンナ」などと確実に成長を遂げてきた彼女だが、この映画では現実の彼女の成長の後を辿るかのように主人公エイリシュを演じている。
そんな彼女の変化していく姿が愛おしく感じられる。
ちなみにこの映画で彼女はアカデミー賞主演女優賞にノミネートされている。
これからどんな女優に育っていくか、楽しみである。


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