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Category: 読書

Tags: 時代小説  

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青山文平「流水浮木  最後の太刀」

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この作者の小説を読むのは、これが初めて。
実はこの小説ではなく、『つまをめとらば』という短編集を読もうと思って図書館に出かけたのだが、あいにく貸し出し中で借りることができなかった。
『つまをめとらば』は、先日直木賞を受賞したばかりの小説である。
なので、これは無理からぬこと。
予想はしていたが、やはりである。
しかしこれを読もうと思ったのは、直木賞を受賞したからではなく、以前から読みたいと思っていたからで、偶然にもそれが直木賞を受賞したというわけである。
代わりにと言っては何だが、こちらを借りてきた。

青山文平は1948年12月の生まれ。
同い年ということになるが、学年でいえば1年下である。
経済関係の出版社勤務を経て作家になった人である。
1992年に『俺たちの水晶宮』で第18回中央公論新人賞を受賞、これは時代小説ではなく純文学であった。
その後一旦活動を休止、2011年、時代小説『白樫の樹の下で』で、第18回松本清張賞を受賞、これが事実上のデビュー作となる。
2014年、『鬼はもとより』で第152回直木賞候補となるが、受賞はならなかった。
しかし同作で第17回大藪春彦賞を受賞、そして本年1月、『つまをめとらば』で第154回直木賞受賞となる。
以上が簡単な経歴である。

「流水浮木」という言葉の意味は、辞書で引くと「固執せず自由自在に動く事。」とある。
小説のなかでは、主人公が使う一刀流の技のひとつであり、主人公の生き方を象徴させる言葉としても使われている。
内藤新宿・鉄砲百人組の初老の武士、山岡晋平が主人公である。
鉄砲百人組に属するのは伊賀者という家柄を継ぐ者たちである。
だが、八代将軍吉宗が独自にお庭番という役目を作り上げたことから、今や閑職同然の立場に追いやられている。
そしてサツキ栽培で生計をたてるということが、彼らに残された僅かな糧となっており、そこに生きがいを見出そうとする者たちがいる。
だがなかには同心株を売って武士を捨て去るという者もいる。
そうした背景が、この物語全体に暗い影を落としており、そのなかでもがき苦しむ下級武士たちの姿が描かれていく。
そんな主人公山岡晋平の親友3人が、ある陰謀に巻き込まれて命を落としたことから、剣の達人である彼がその陰謀に立ち向かうというのが主なストーリーである。
初老の武士が主人公ということで、藤沢周平の『三屋清左衛門残日録』を連想したが、それとはまた違った趣きがある。
これを読んだことで、『つまをめとらば』を読むのが待ち遠しくなってきた。
図書館で予約の申込みをしたが、現在の予約待ちが24人、何か月も先のことになりそうだ。


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