風に吹かれて

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Category: 外国映画

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映画「6才のぼくが、大人になるまで」

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この映画は6歳の子供が18歳になるまでを描いたものだが、それを実際に12年間に渡り同じ俳優を使って撮り続けたものである。
こうした手法は、ドキュメンタリー映画では珍しくないが、劇映画では稀なこと。
はたしてそれにどんな意味があるのか、どうしてそんな面倒なことをする必要があったのか、そしてそれによってどんな効果がもたらされたのか、観る前はそんなことを考えていたが、映画が始まるとそんなことはもうどうでもよくなり、ひたすら映画の世界へと没入していった。
そして知らず知らずのうちに、彼らの12年間を疑似体験することになったのである。
不思議な映画体験であった。

主人公のぼくは6才、母親のオリヴィアと姉の3人で暮らしている。
離婚してひとりで暮らしている父親のメイソンは、律儀に訪れては子供たちとの時間を楽しんでいる。
そんな4人の12年間が描かれるが、その間に母親は大学に再入学して、キャリアを積んで行く。
また2度再婚を繰り返すが、2度ともうまくいかず離婚。
さらに父親も再婚、やがて子供も生まれる。
こうした日本とはちょっと違ったアメリカの家族の在り方が詳しく描かれるが、それは決して特殊な家族というわけではない。
おそらくアメリカのどこにでもあるごく一般的な家族の姿なのではなかろうか。
実際この12年の間には主役を演じたエラー・コルトレーンも両親が離婚をしているし、父親役のイーサン・ホークも離婚を経験している。
またこの映画は6歳の時に両親が離婚し、母親が大学に入って勉強をし直すというリンクレイター監督自身の実体験がベースになっている。
映画には最初から決まったシナリオがあるのではなく、毎年子供たちの夏休みに合わせて全員が集まり、そこで話し合いながらストーリーを作り上げていった。
そうした手法ゆえに、それぞれの実体験がこの映画には色濃く反映されている。
それが映画に、けっして作り物というだけではない、目に見えない奥行きの深さを創り出している。

映画の中ではシークエンスごとに、ぼくは成長していく。
そこには何の説明も施されていないが、間違いなく、長い時間が流れていることが分かる。
それは子供たちの成長の度合いを見れば一目瞭然である。
しかしそうした変化に判り難さや戸惑いや違和感を感じることはない。
ごく自然に変化を受け入れることができる。
それはやはり同じ人物が演じているからこそなのであろう。
そしていつの間にかそうした変化を楽しんでいる。

こうやって人は人と出会い、愛し合い家庭を作り、そしてお互いに影響し合い、そして様々なものを手渡しながら生きていく。
そうした繰り返しが集まって大きな歴史という流れを作り出しているのだという思いが自然と湧いてくる。
家族とは、人間とは、そして人生とは、様々なことを考え、教えられる映画であった。
そして観終わった後は、素直に優しい気持ちになれる映画でもあった。


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