風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 外国映画

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映画「セッション」

whiplash.jpg

主人公ふたりは、どちらも偏った人間同士。
一般社会では、決して受け入れられないような性格考えの持ち主だ。
とくに教師の桁外れの授業ぶりには、目を見張らされる。
差別用語とスラングを連発しながら生徒たちを容赦なく罵倒する。
その狂気じみた激しさには、思わず目を背けたくなってしまう。
パワハラの際たるもの。
いかに完璧を目指そうとするためとはいえ、これではまるでサディストではないか。
果たしてこれが教えるということなのか、なぜそこまで生徒たちを追いつめるのか、そんな疑問が浮かんでくる。

一方主人公の生徒も、相当の変わり者。
偉大なミュージシャンになることだけを夢見ており、そのこと以外は目に入らないという若者である。
親戚が集まった席では、田舎の大学のフットボールのスター選手である従兄に向かって、「所詮田舎のフットボール。一流じゃない。」と言ってのける。
また付き合っているガールフレンドに向かって、練習の邪魔になるから付き合いをやめるようにと一方的に宣言する。
そしてスティックが血まみれになるほどの激しい練習を、憑かれたように積んでいく。
ともに独善的なふたりのぶつかり合いが、エネルギッシュに描かれていく。
そして圧巻は、凄まじいラストシーン。
そこでふたりのぶつかり合いが最高潮に達する。
「悔しさをバネに」という教師の言葉そのままのシーンである。

それにしてもこんな展開になるとは予想もしていなかった。
観る前は、よくあるサクセスストーリーなのだろうと思っていたが、その予想は見事に覆された。
これぞ映画的快感、そして驚きのラストシーンでは、これ以上はない映画的興奮を、たっぷりと味わされたのである。

原題である「Whiplash(ウィップラッシュ)」は、劇中「Caravan(キャラバン)」とともに演奏される曲名だが、「ムチうつ」「鞭撻」という意味がある。
まさにその通りの内容であった。
ちなみに主人公の若者が、尊敬するジャズ・ドラマーとして「バディ・リッチ BUDDY RICH」を設定しているが、「Whiplash」は「バディ・リッチ」の得意とする曲目。
そのドラムテクニックが、この映画でも再現されているのである。

それにしてもこれを作ったのが、ダミアン・チャゼルという、まだ28歳の監督である。
脚本も彼自身の手によるもの。
しかもこれが初の長編監督作品というから驚きだ。
素晴らしい才能の出現である。
この監督から目が離せなくなった。


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