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Category: 読書

Tags: エッセイ・評論  

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星野哲郎「妻への詫び状」

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「作詞家生活50周年記念企画」と副題のついた、星野哲郎の「妻への詫び状」を読んだ。

題名からも分かるように、これは50年にわたる作詞家生活を振り返った星野哲郎の自伝である。

星野哲郎は大正14年(1925年)、山口県の周防大島に生まれる。
商船学校を卒業後、遠洋漁船の乗組員になるが、腎臓結核を患って船を降り、故郷の大島で闘病生活を送る。
その失意のなかで詞を書き始め、せっせと投稿を繰り返すなかから作詞家への道が開かれていく。
そして作詞家としてのスタートと同時に結婚、以後奥さんとの二人三脚の作詞家生活が始まった。

今では歌謡界を代表する作詞家のひとりだが、その道はけっして平坦なものではなかった。
それを自ら「七転び人生」と表現している。
商船学校時代に肺結核になった一転びから始まり、腎臓結核で3年間の闘病生活を送った二転び、といったぐあいに7回にわたる人生の転機を数えているが、七転び目に平成6年の奥さんの急死を挙げている。
「夫唱婦随」とは逆に「婦唱夫随」でやってきた星野家の柱を失い、もう二度と作詞はできないだろうというほどの痛手を負う。
そんななかから立ち上がり、再び歌を作り始めるようになる後押しのひとつに、結婚前に奥さんと交わした300通を越える往復書簡があった。
生前、あることがきっかけで、奥さんがそれを焼いてしまった、ということになっていたが、実は焼かないでそっくりそのまま保管してあったのだ。
「そんなに簡単に物を捨てる人じゃない。きっとどこかにしまってあるはず」と信じて疑わない子供たちが、奥さんの死後2年ほどたって、それを見つけ出したのである。
その手紙を読み返すことで、再び歌を作ろうという気力が蘇ってくる。
そして「焼かれることなく我が家に眠っていたこの恋文の束は、彼女が僕にくれた最期のプレゼントになった。」と書く。
「人生の応援歌」を書き続けた星野哲郎らしいエピソードではないだろうか。

このほかにも自ら作詞した歌への思いや、歌が出来上がるまでの苦労、さらには歌手や作曲家との交流といった、歌謡曲ファンには見逃せないエピソードもいろいろと書かれていて興味深く読んだ。
そこに昭和歌謡史を代表する作詞家、星野哲郎の歌心の一端を垣間見ることができた。


代表曲

北島三郎「なみだ船」「兄弟仁義」「函館の女」「風雪ながれ旅」
島倉千代子「思い出さん今日は」
水前寺清子「涙を抱いた渡り鳥」「いっぽんどっこの唄」「三百六十五歩のマーチ」
渥美清「男はつらいよ」
小林旭「昔の名前で出ています」
都はるみ「アンコ椿は恋の花」「夫婦坂」
大下八郎「おんなの宿」
畠山みどり「恋は神代の昔から」「出世街道」
村田秀雄「柔道一代」
大月みやこ「おんなの港」
美樹克彦「花はおそかった」
鳥羽一郎「兄弟船」「雪椿」
小林幸子「雪椿」
美空ひばり「みだれ髪」

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テーマ : 図書館で借りた本  ジャンル : 本・雑誌

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年齢:今年(2018年)70歳です。
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還暦(10年前)という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
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