風に吹かれて

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Category: 日本映画

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映画「ぼくたちの家族」

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日本中のどこにでもある、ごくあたりまえの家族の身に起きた、これも決して珍しくはない出来事、医者から告げられた母親の余命1週間という告知。
そこからドラマは動き出す。
それをきっかけに、日常の陰に隠されていた問題が、次々と浮かび上がってくる。
そして家族全員が、その問題に否応なく向かい合わざるを得なくなる。
父親の事業失敗と多額の借金、母親のサラ金、うろたえる父親は大手電機メーカーに勤める長男に頼ろうとするが、長男の嫁の強硬な反対にあってどうすることもできない。
しかも長男には引きこもりという暗い過去があり、精神的な弱さを抱えている。
それでも生真面目な彼は、すべてを自分ひとりで背負い込もうとする。
そんな長男を大学生の弟は他人事のようにからかい半分に気遣うが、彼とてもかなりいい加減な若者で、どこまで家族のことを親身に考えているか分からない。
家族全員がバラバラで違う方向を向いている。
頼りない男たち三人は、ただただ呆然とするだけで、出口はいっこうに見つからない。
重苦しい時間が流れていく中、追いつめられた兄弟が真剣に手探りを始めたことをきっかけに、事態が少しづつ動き始める。
そこに至るまでの物語を、お涙頂戴のドラマにはせず、ひとつひとつのシーンを、ドキュメンタリーのようにリアルに、静かに、肌理細かく描いていく。
これは決して他人事ではない。
現代を生きるどんな家族の身にも起こりうる現実だ。
まさにわれわれ自身の問題なのである。
いっときも目が離せない。
「悪あがきしてみるよ。」と呟く長男のひと言が、胸に響く。

長男を演じた妻夫木聡、弟役の池松壮亮、父親役の長塚京三、そして母親を演じた原田美枝子、それぞれの抑えた演技が自然で好もしい。
監督は昨年「舟を編む」で、日本アカデミー賞を始めとした各種映画賞を受賞した石井裕也。
ますます実力を発揮し始めたという印象をもつ。
映画を観た後、「苦痛を共にした家庭は、安息の快楽を共にする事が出来る。」という、以前どこかで目にしたことのある言葉をふと思い出した。


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還暦という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
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