風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 読書

Tags: 乙川優三郎  

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乙川優三郎「太陽は気を失う」

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脊梁山脈』、『トワイライト・シャッフル』に続く乙川優三郎の現代小説である。
乙川優三郎は2010年に「麗しき花実」を書いて以後、時代小説は書いていない。
その心境の変化には何があったのか、彼の書く時代小説ファンとしては気になるところ。
乙川優三郎は間違いなく山本周五郎、藤沢周平の後継者となる作家だと思っている。
彼の書く時代小説をまたもう一度読んでみたいと思っているが、その期待にはなかなか応えてくれそうもない。
もともとが多作な作家ではないので、これは気長に待つしかないのだろう。

今回の小説は、2013年9月号から2015年3月号まで、『オール讀物』に連載した短編を纏めたものである。
いずれの登場人物も、人生の黄昏時を迎えた人たちばかりで、そこにさまざまな人間模様を見ることができる。
どの人物も、それぞれに精一杯生きてきた人たちである。
けっして後ろ指を指されるような人生を歩んできたわけではない。
しかしそれでいて、そこには様々な悔いや苦みが伴っている。
そうした思いというのは、人生の黄昏時を迎えた人間には共通なものだろう。
そこから滲み出る苦さは、切なく哀しいが、しかしそれこそが人生の滋味なのではあるまいか。
そうしたことを、しみじみと感じさせられる小説であった。
苦いが読後感は、決して悪くない。
そして読み終わった後も、まだまだもっと読み続けたいという気持ちにさせられたのである。


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