風に吹かれて

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Category: 読書

Tags: 乙川優三郎  時代小説  

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乙川優三郎「喜知次」

kichiji.jpg

久しぶりで乙川優三郎の小説を読んだ。
先月のことになるが、家内から何か面白い時代小説はないかと問われて、乙川優三郎の小説を教えた。
以来その面白さに夢中になり、次から次へと読み漁るようになった。
そんななかに今回読んだ「喜知次」があった。
これは乙川優三郎の初期の作品で、これまで彼の小説の主なものは読んでいるが、これはたまたま読むことがなかった小説である。
先に読んだ家内から「面白かった」との感想を聞いたので、この機会に読んでみようと思ったのである。

喜知次とは、魚のキンキの別名で、宮城県などでの呼び名である。
「吉次」とも書く。
主人公の小太郎の家に、親を亡くした娘・花哉が引き取られてくる。
その娘の顔が赤く目が大きいところから、小太郎が「喜知次」とあだ名したのである。
以来、小太郎は義理の妹となった花哉のことを、親しみを込めて喜知次と呼ぶようになった。

小太郎には学問所で知り合った牛尾台助、鈴木猪平という親友がいる。
それぞれ身分は違うが、互いに身分を越えた生涯の友と考えている。
その3人が、藩の抗争や、国替えといった荒波に翻弄されながら成長していく姿が、情感豊かに描かれている。

藤沢周平の「蝉しぐれ」や「風の果て」、葉室麟の「銀漢の賦」などと同様の世界を扱った小説である。
こういう類の小説は何回読んでも感動させられる。
若者のひたむきな生き方に、胸が熱くなってしまう。

「会者定離(えしゃじょうり)」という言葉が出てくるが、そうした抗い難い人生の無常さが、端正に描きこまれた小説である。

これを機会に乙川優三郎のまだ読んでいない小説を、また読んでみようかと考えている。


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