風に吹かれて

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Category: 読書

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乃南アサ「すれ違う背中を」

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「いつか陽の当たる場所で」を読み終わった昨日、予約していた続編の「すれ違う背中を」が届いたという連絡が図書館からあった。
次が読みたいと思っていた矢先の連絡である。まことにいいタイミングであった。
さっそく図書館から借りてきて読み始めたが、数ページ読んだところで用事のために中断、残りは翌日読むことにした。
ところが夜中に目が覚めて、再度読みだしたところ、その面白さに眠気も忘れて最後まで読んでしまったのである。

とにかく小森谷芭子と江口綾香の出所コンビのその後が気になって仕方がない。
果たしてどんな展開になっていくのか、興味津々で読み進めていった。

今回も前回同様「梅雨の晴れ間に」「毛糸玉を買って」「かぜのひと」「コスモスのゆくえ」といった4編の短編から成っている。
いずれの話も面白いが、なかでも最初の「梅雨の晴れ間に」と最後の「コスモスのゆくえ」が特に印象に残った。

「梅雨の晴れ間に」は、綾香が商店街のくじ引きに当たり、芭子とふたりで大阪旅行に出かけることになる。
そこで綾香の高校時代の同級生だった男と偶然出会い、居酒屋で呑むことになるが、という話。
綾香が憧れていたというその倉本という同級生の男の、怪しげで荒んだ様子が胸を打つ。
彼も綾香に負けず劣らず人生の辛酸を舐めてきたことが窺える。
それが酒の呑み方や言動の端々に表れており、切ないものがある。

「コスモスのゆくえ」は、ふたりで時々行く居酒屋に「まゆみ」という女性がアルバイトで働き始めた。
ふたりは彼女と意気投合して付き合うようになるが、ある日の深夜、顔に傷をつけ裸足のまま芭子のところにやってくる。
話を聞くと、夫とケンカをして殴られたという。
同情した芭子と綾香は、心配して何くれとなく面倒を見るが、その真剣な気持ちは彼女に伝わることなく終わってしまう。

いずれの話も登場してくる人物が、陰影に富んでおり、説得力のある人物たちである。
いかにもありそうなリアルな話で、ごく短いエピソードでありながら、人生の苦さ重さが伝わってくる。
作者の文章のうまさと、確かな描写力ゆえのものだ。

シリーズ第3弾が、ますます楽しみになってきた。


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