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Category: 読書

Tags: 短編小説集  

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片岡義男「短編を七つ、書いた順」

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片岡義男の本を読むのはこれが初めて。
ただし名前だけはかなり昔から知っていた。
1970年頃、大学の同級生で今は翻訳家として活躍している友人が、時々片岡義男のことを話題に持ち出すことがあった。
当時片岡義男はテディ片岡と名乗っており、小説はまだ書いておらず、翻訳家としてごく一部の人たちだけに知られる存在であった。
雑誌「宝島」(創刊当時の書名は「ワンダーランド」)の創刊に関わっているということを聞いたのもそうした話のなかであった。
そんな経緯もあって、片岡義男は小説家というよりも、ヒッピー文化やカウンターカルチャーといったアメリカ文化の紹介者としての認識のほうが強く、小説を読んでみようというところまではいかなかった。
以来縁のないままに時間だけが過ぎてしまったが、気がつくと片岡義男の作家生活も40年を迎えるまでになっていたというわけである。
その作家生活40周年を記念して書き下ろしたのが、この短編集である。
5月に出版されたばかりの新刊本である。
題名の奇妙さに惹かれて読んでみた。

片岡義男は写真家でもある。(出版された写真集は10数冊)
彼が撮るのは風景や物の写真が多い。
そうやってカメラで切り取った何気ない日常が小説化されたような作品ばかり。
会話を主体にした日常の風景が、ハードボイルドタッチで淡々とスケッチされていく。
そしてどの話にもコーヒーショップが登場してくる。
そこでうまいコーヒーを飲みながら、とりとめのない会話が繰り広げられていく。
そこから浮かび上がってくる登場人物たちの過去と現在。
そして中断するように突然小説は終わってしまう。
まだまだ読み足りない気持ちのまま、取り残されたように終わってしまう。
しかし決して嫌な終わり方というわけではない。
そこに残る気分や味わいには、乾いた爽やかがある。
あたかもいっしょにコーヒーを飲みながら、とりとめのない会話を楽しんだような気分になってくる。
そしてその後に残る少しばかりの疲労感が心地いい。

<片岡義男(かたおか・よしお)
1939年東京生まれ。周防大島出身の祖父は元ハワイ移民で、父は日系二世。氏自身、疎開先の岩国で少年期を祖父と過ごす。早稲田大学在学中にコラム執筆や翻訳を始め、1974年「白い波の荒野へ」で小説デビュー。翌年発表の「スローなブギにしてくれ」で野性時代新人文学賞を受賞以来ヒット作を続々発表し、映画化作品多数。評論、エッセイ、写真家としても活躍。近著に『真夜中のセロリの茎』『ミッキーは谷中で六時三十分』等。>


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還暦という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
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