風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 読書

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原田マハ「カフーを待ちわびて」

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タイトルの「カフー」とは、沖縄の方言で「果報」のこと。
「いい報せ」「幸せ」の意味を持つ。
そして主人公の明青(あきお)が飼っている黒いラブラドール・レトリーバーの名前が「カフー」、そして彼の前にある日突然現れた謎のヒロインの名前が「幸(さち)」である。

沖縄の離島、「与那喜島」を舞台に繰り広げられるラブストーリーである。
「鶴の恩返し」や「天の羽衣」「竹取物語」といったお話を、現代に移し変えたような話である。
どことなく現実離れしたような設定ではあるが、これが沖縄の離島で繰り広げられると、妙なリアリティーが感じられて納得してしまう。
それは沖縄が持つ美しい自然や、神を身近に感じながら生きる沖縄独特の文化がそうさせている。

主人公の明青は幼い時に父親を事故で亡くし、母親は彼を置いたまま家を出て行ってしまった。
以来彼は雑貨店を営む祖母とふたりだけで生きてきた。
その祖母も7年前に亡くなった。
そして今はその雑貨店をひとりで営んでいる。

そんな彼の元に1通の手紙が届く。
「絵馬の言葉が本当なら、私をお嫁さんにしてください」というもの。
明青が「嫁に来ないか。幸せにします」と冗談半分に書いて奉納した絵馬を見た女性からの手紙であった。
そして「幸」という名の女性が本当に彼を訪ねてやってくるのである。
何とも浮世離れした話だが、これがその後意外な展開をみせ、やがてそこに秘められた真相が明らかになっていく。

主人公の明青は幼い頃、嫌な時には「胸ん中で、みっつ数えるんだよ」と母親に教わったことがある。
嫌なのことは、みっつ数えるうちに通り過ぎてしまう。
そうやって耐えることで明青は不幸をやり過ごしてきた。
「果報は寝て待て」という言葉がある。
しかし待っているだけでは、いつまで経っても「カフー」はやってこない。
本当の幸せは自ら手を伸ばしてつかまなければいけないのである。

この小説は「第1回ラブストーリー大賞」受賞作である。
そして原田マハの小説家デビュー作でもある。

沖縄の青く澄んだ海に気持ちよく身を任せたような、ハートウォーミングな物語であった。
たまには波に揺られながらこんなひと時を過ごすのも悪くない。


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