風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 読書

Tags: 東野圭吾  ミステリー  

Comment (0)  Trackback (0)

東野圭吾「赤い指」

416K2AW6XEL.jpg

先日の「新参者」に続いて加賀恭一郎シリーズを読んだ。
シリーズ第七作目に当たる「赤い指」である。
「新参者」とはまた違った面白さで、一気に読んでしまった。

この小説は冒頭から犯人が明かされるという倒叙法で書かれている。
その事件を加賀恭一郎がどのように真相に迫り解決していくか、その姿が丹念に描かれていく。

テーマは介護や引きこもりや断絶といった家族の問題である。
それが犯人の家族と加賀刑事の家族の姿を同時進行で描くことで次第に炙り出されていく。

今回の加賀恭一郎は松宮という新米刑事と組んで捜査に臨むことになる。
この松宮脩平という刑事、実は加賀恭一郎のいとこになる。
ふたりにとってはこれが10年ぶりの再会である。
そしてそこには幾分込みいった事情が隠されていることが分かってくる。
それは加賀恭一郎の父親・加賀隆正のことである。
現在加賀隆正は癌で入院中である。
甥であり、隆正のことを尊敬する松宮は、足しげく病院を訪れているものの、息子の恭一郎は一度も顔を見せた事がない。
父親と息子の間には、長年に亘る確執があることがそれとなく匂わされており、そうした態度を見せる恭一郎に、松宮は不信感を持っている。
そんなふたりがコンビを組んで、事件の捜査に当たることになるのである。

いっぽう犯人一家では、息子が犯した殺人を両親が隠蔽しようと画策する。
しかし恭一郎に疑いの目を向けられ、追い詰められた結果、ある最終手段をとることになる。
それを恭一郎が見事に突き崩していく。
「刑事というのは、真相を解明すればいいというものではない。いつ解明するか、どのようにして解明するか、ということも大切なんだ。」
「この事件の真相は本人たちの手で暴かれなければ意味がない」
恭一郎が松宮に向かって言ったこの言葉がどういうことを意味するのか、そしてそこからどのように真相を究明していくのか、嫌が上にも期待が高まっていく。

さらに恭一郎と父・隆正との確執の行方はいったいどうなっていくのか。
果たしてふたりに和解の時は訪れるのだろうか。
そしてそれはどのような展開を見せていくのだろう。
こちらも事件の解決以上に期待が高まっていったのである。
そして明かされた結末のある一行を目にしたとたん、思わずあっと胸を衝かれてしまった。
そして大げさでなく、そこで号泣してしまったのである。
まんまと作者の術中に嵌ってしまったというわけである。
小説でこんなに泣かされたのはいつ以来のことだろう。
気持ちよく涙を流したのであった。
そしてその大満足な余韻に、しばし時間を忘れて浸っていたのであった。


にほんブログ村 本ブログへ 
↑ クリック、お願いします。 ↑
スポンサーサイト
テーマ : 読んだ本の感想等  ジャンル : 小説・文学

Newer Entry東野圭吾の小説 Older Entry東野圭吾「新参者」
Comments






カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
プロフィール

cooldaddy

Author:cooldaddy
住んでいるところ:青森県弘前市
出身地:香川県
年齢:今年(2008年)還暦です。
性別:男

還暦という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
趣味のこと、生活のこと、心に残ったことなど、My Favorite thingsを、気ままに書いていこうと思います。
末永くおつき合いください。

映画サイト「マイ・シネマ館」もやっています。
こちらもよろしく。

ランキングサイトに参加しています。
もしよければクリック、お願いします。↓
ブログランキング・にほんブログ村へ 

cooldaddyの本棚
FC2ブログランキング
ブログ内検索
QRコード
QRコード

12345678910111213141516171819202122232425262728293011 2017