風に吹かれて

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Category: 日本映画

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映画「はじまりのみち」

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映画ファンにとって、興味深い作品である。
戦時中、木下惠介監督は国策映画として「陸軍」を作ったが、それが軍部から女々しい反戦映画だと見なされる。
それがもとで松竹から離れることになった木下惠介監督が、失意のうちに実家に戻り、病気の母親を疎開させるためにリヤカーに乗せて山越えをしたという実話をもとに作られた映画である。
それだけだと単に地味なだけの映画で終わるところだが、映画の中盤に「陸軍」のラストシーンが映し出されることで、ぐっと力強さが加わり、映画の底上げを果たしている。
この映画は木下恵介生誕100周年を記念して作られた映画である。
すなわち木下恵介の映画の魅力を伝えるべく作られたわけで、木下作品が映画のなかに登場するのはしかるべきことではあるが、それにしてもそれがなければほんとうに地味で淋しいだけの映画で終わるところであった。
それほど、この「陸軍」のラストシーンはインパクトがあった。
戦場に赴く息子を母親が見送る伝説のシーンである。
その凄さは以前いちど目にしたことがあるが、そのときはごくわずかの時間の映像を見ただけだった。
だが今回は10分以上にわたるシークエンスすべてが流されたのである。
そこには息子の無事を祈る母親の必死な姿が、絶妙な映像によって綴られている。
台詞はいっさいなく、ただ勇ましい軍歌が流れるだけ。
まさに映像の力だけで訴えてかけてくるシーンであった。
これを見ただけでも、木下惠介監督がいかに偉大な作家だったかがよく判る。
そうした木下監督の映画の力に助けられた映画であった。

またこれ以外にも映画のラストで数多くの木下作品の映像が流される。
その数14本、代表作である「二十四の瞳」をはじめ、監督デビュー作である「花咲く港」、さらに「わが恋せし乙女」「お嬢さん乾杯」「おやじ太鼓」「カルメン故郷に帰る」「日本の悲劇」「野菊の如き君なりき」「笛吹川」「楢山節考」「永遠の人」「喜びも悲しみも幾歳月」「香華」「新・喜びも悲しみも幾歳月」。
こうした映像を見ているうちに、木下作品を無性に観たくなってきたのである。


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