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Category: 読書

Tags: 藤沢周平  時代小説  短編小説集  

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藤沢周平「麦屋町昼下がり」

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先日読んだ「日暮れ竹河岸」は町人を主人公にしたものばかりを集めた短編集だったが、こちらは武家物ばかりを集めた短編集である。
表題作の「麦屋町昼下がり」のほか「三ノ丸広場下城どき」「山姥橋夜五ツ」そして「榎屋敷宵の春月」の4編が収められている。
いずれの題名にも時と場所を表す言葉が入っており、その時と場所が物語のクライマックスになるという共通点がある。
「麦屋町昼下がり」は、料理茶屋に立てこもった因縁ある男、しかも自分よりも明らかに腕の立つ男を相手に討手として決闘を挑む。
「三ノ丸広場下城どき」は、お役目失敗の責任を取らされて落ちぶれ果てた男が、藩内の権力争いに巻き込まれ、かつての同僚で、今は争いの首謀者となっている男と雌雄を決するために戦う。
「山姥橋夜五ツ」では藩の不正が秘かに行われるなか、朋友が自害へと追い込まれる。その無念と、家禄が削られた自らの過去の事件の真相を晴らすため、放たれた刺客と剣を交える。
さらに「榎屋敷宵の春月」では、夫の出世争いに巻き込まれた武家の妻が、正義のため謎の刺客と戦うことになる。
いずれもミステリアスな展開のなか、最後は命をかけた修羅場を潜り抜けることで事件解決へと至る。

これらの作品が書かれたのは、昭和62年(1987年)から64年(1989年)にかけてのことで、同時期には「蝉しぐれ」「たそがれ清兵衛 」「三屋清左衛門残日録」などが書かれている。
これらの作品からも分るように、もっとも油の乗り切った時期である。
それだけにどの作品も藤沢周平らしい手馴れた腕の冴えが見られ、読み応えじゅうぶんであった。
さらに読み終わった後の余韻も、いつもどおりの爽やかで心地よいものであった。

これまでにも「蝉しぐれ」をはじめ代表作のいくつかは読んではいるものの、まだまだ未読の小説はたくさんある。
これでますます他の小説も読みたくなってきた。
引き続きいろいろと漁って読んでようと思っている。

ところでこれらの作品のモチーフになっている江戸時代の時間について、おさらいの意味も含めてちょっと調べてみることにした。
次のような内容であった。

江戸時代の時刻は一日が12刻である。
基準になっているのは明け六ツ(日の出)、暮れ六ツ(日没)で、それをそれぞれ6等分したのが一刻になる。
すなわち一刻は2時間で、半刻が1時間である。
さらに0時は九ツから始まり、以後2時間ごとに八ツ(2時)、七ツ(4時)、六ツ(6時)、五ツ(8時)、四ツ(10時)と数が小さくなっていき、再び九ツ(12時)へと戻る。
なぜ九ツから始まるかといえば、易学では九がめでたい数ということに由来している。

以上が江戸時代の時間についての大まかな説明である。
こうしたことを豆知識として覚えておくと、時代小説を読むうえで幾分かの手助けになるのではなかろうか。


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