風に吹かれて

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Category: 外国映画

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映画「偽りなき者」

jagten.jpg

主演のマッツ・ミケルセンは「007/カジノ・ロワイヤル」で初めて知った俳優である。
その時に受けた印象が強く残っていたので、この映画を観ることにした。

マッツ・ミケルセンは、デンマーク・コペンハーゲン出身の俳優である。
俳優になる前はプロのダンサーとしても活躍していたそうである。
そのせいだろう、身のこなしが軽やかである。
1965年生まれだから現在48歳、年齢から考えるとこれからますます活躍が期待される俳優である。

映画の原題は「Jagten」、英題では「The Hunt」となっている。
すなわち狩りである。
映画のなかでも何度か鹿狩りの場面が出てくるが、この映画で狩られるのは人間、すなわちマッツ・ミケルセンが演じる主人公ルーカスである。
ある日彼は親友テオの幼い娘クララの作り話がきっかけで突然変態犯罪者のレッテルを貼られてしまう。
ごく些細なきっかけからついた子供の嘘ではあったが、それが思いもよらない大きな事件となって広がっていく。
そして町全体を巻き込んで、理不尽で陰湿な排斥が始まる。

いったん火のついた野火は簡単には消し去ることはできない。
最初はごく小さな火種だったものが、気がづくともうどうにも手の施し用がなく、その勢いを停めることは決してできない。
結局すべてを焼き尽くさなければその火は衰えることはないのだ。
そうしたいつ果てるとも知れない集団ヒステリーが不気味である。
その火の中を孤立無援のルーカスが、傷つきながらも必死に耐えていく姿が痛々しい。胸が締め付けられる。

小さな田舎町、保守的で閉鎖的な町で起きる事だけに、より身近な事件として迫ってくる。
こうした誤解から生じたいわれなき排斥は、誰の身にも降りかかる可能性があるだけにリアルで怖い。
いったいルーカスはどうなるのか、この悪夢のような日常から解放される日が果たして来るのだろうか。
目を逸らしたいような過酷な展開が続いていくが、最後までけっして目を離すことはできない。
そうした力強い訴求力を秘めている。

この映画でマッツ・ミケルセンはカンヌ国際映画祭で主演男優賞を獲得した。
そうした評価に値する名演である。
今後はさらに注目していきたいと考えている。


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