風に吹かれて

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Category: 日本映画

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映画「横道世之介」

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特別何かが起きるというわけではない。
普通の若者のごく当たり前な大学生活が描かれるだけ。
それなのに見終った後は、ほっこりと心温かくなる。

横道世之介は長崎県生まれの18歳、純でお人好しな田舎の若者である。
彼が東京の大学に入学するところから物語は始まる。
時代は1980年代中頃。
入学早々友達もでき、サークルにも入り、アルバイトをし、さまざまな人たちと巡り合い、恋もする。
そんなありふれた大学生活だが、それがもう二度と手にすることのできない貴重でかけがえのない瞬間だったことに気づかされるという仕掛けがされている。
それに気づかされた時、胸が締めつけられるような切ない気持ちにさせられる。

世之介を演じた高良健吾の脱力系演技が素直でいい。
こうした演技には、どことなくわざとらしさがつきまとうものだが、彼の演技にはそれがない。
ごく自然に世之介を演じている。
さらに世之介と付き合うことになる良家の娘、与謝野祥子を演じた吉高由里子のキャラクターにも魅了された。
彼女も世之介に負けず劣らぬおかしな娘で、世間ズレしていない無邪気さで世之介にまとわり着いてくる。
ふたりは今の言葉で言えば「バカップル」ということになるのだろう。
友達づきあいなのか、それとも恋愛なのか、本人たちにもよく判らないような関係である。
しかしそのふたりの変な付き合いはけっして嫌味なものではなく、微笑ましく、笑いながらもふと涙してしまう。
そして見ているうちに、いつしかふたりを応援したくなってしまうのである。

おそらくこうした大学生活を経験した人は少なからずいるはずだ。
そうした人たちは、これを見ることで、自分の大学生活を思い出し、しみじみとした感慨に耽ることになるだろう。
そして忘れていた友人たちの顔を思い出し、またもういちど彼らと会ってみたいと思うにちがいない。

何でもない事がやたら面白かった時代、今思えば何と愚かで自由だったことか。
そのモラトリアムな自由をどう使えばいいかも判らず、ただ無為にやり過ごすだけの日々。
そんな愚かで無防備な日々の何と貴重で楽しかったことか。
そしてそれが永遠に続くかのように錯覚していたのである。
しかしそれはいつか終わり、そして過ぎ去った時代は、けっして戻ってくることはない。
だからこそ、それはいつまでも輝きを失うことがない。
そんなことをこの映画はしみじみと思い出させてくれたのである。


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