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飯嶋和一「汝ふたたび故郷へ帰れず」

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飯嶋和一(いいじま かずいち)の初期の作品「汝ふたたび故郷へ帰れず」を読んだ。
この小説家の作品を読むのは初めてなので、まずは小説家の紹介から。

1952年12月生まれの60歳、山形県の出身である。
法政大学文学部卒業後、中学校教師、予備校講師などを経て小説家になる。
1983年に「プロミスト・ランド」で小説現代新人賞、1988年に「汝ふたたび故郷へ帰れず」で文藝賞を受賞。
以後主に歴史小説を書くようになり、2000年に「始祖鳥記」で中山義秀文学賞、2008年に「出星前夜」で大佛次郎賞を受賞している。
その他の作品には「雷電本紀」「神無き月十番目の夜」「黄金旅風」などがある。
割合と寡作な作家のようである。
そのなかの初期の作品が、今回の「汝ふたたび故郷へ帰れず」である。

将来性があるものの、いまひとつボクシングにのめり込むことができずアル中になってしまったボクサーが、故郷に帰ったことをきっかけに復活を果たすという小説である。
粗筋だけを見れば、ごくありふれた復活再生物語のようだが、デティールにさまざまなこだわりや工夫を施すことで、物語に幅と奥行きをもたらせている。
この作家の持てる力なのだろう。
読むうちにどんどん物語世界にひきこまれていった。

主人公の故郷はトカラ列島のなかにある宝島という島である。
調べてみるとこれは実在の島であった。
トカラ列島の有人島では最南端に位置する島で、鹿児島港から366Km、奄美大島からは90Kmの所にあるサンゴ礁の島である。
この設定がいい。
挫折して傷ついた主人公を優しく包み込み、心を癒すに充分な条件を、この島は備えている。

そして最終章では復活を目指してのトレーニングと、その第一戦の模様が描かれる。
とくにリングでの闘いの描写は緊迫感溢れるものがある。
ボクシング中継をスローモーションで見ているような気分になって読み進んでいった。

ボクシング小説は以前、百田尚樹の「ボックス!」を夢中になって読んだことがあったが、こちらはそれとはまた違った面白さが味わえた。
今後は飯嶋和一の他の小説も読んでみようかなと思っている。


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