風に吹かれて

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Tags: 時代小説  

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安部龍太郎「等伯・上」「等伯・下」

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安土桃山時代に活躍した絵師、長谷川等伯の生涯を描いた小説である。
第148回直木賞受賞作品である。

能登国七尾(現・石川県七尾市)で能登国の戦国大名畠山氏に仕える下級家臣、奥村文之丞宗道の子として生まれた等伯(幼名又四郎)は、幼年期に染物業を営む絵仏師、長谷川宗清の養子になり、長谷川信春を名乗る。
地方の絵仏師として過ごしていた春信だったが、ある時天才絵師狩野永徳の「二十四孝図屏風」を見て目を奪われる。
それをきっかけに永徳に負けないような絵師になることを夢見るようになる。
そして養父母の非業の死をきっかけに京に上り、数々の苦難を潜り抜けた後に天下一の絵師になるまでがこの小説では描かれている。

数年前長谷川等伯の没後400年特別展が開かれ、話題になったことは記憶に新しい。
その画業がメディアで盛んに採り上げられていたのを目にし、初めて長谷川等伯という絵師の存在を知ったのだが、その生涯については何も知らなかった。
それをこの小説で初めて知った。

織田信長から命を狙われ、秀吉の時代になると絵師として重用され、頭角を現していくなかで、狩野派との軋轢が増してゆく。
そしてその争いのなかで天才絵師として将来を嘱望されていた息子久蔵を失うことになる。
そうした波乱の生涯が、千利休や近衛前久、さらには日乗、日堯、日通、日親、宋園といった法華宗の高僧たちとの交流を通して描かれていく。

そして伏見城に「松林図屏風」を完成させる場面で最大のクライマックスを迎えることになる。
信長の比叡山焼き討ちに遭遇したことで地獄を見、さらに信長軍に刃向かったことで長い雌伏の時間を過ごすことになった長谷川等伯。
その年月のなかで、義父母の非業の死、旅の途中での妻の死、狩野派との争いのなかでの息子久蔵の不審な死など、数々の死を見ることになる。
それは絵師として大成したいと願う自らの煩悩が招いたものだという意識が等伯のなかにはある。
そうした苦しみや絶望から解き放たれて「松林図屏風」を完成させていくまでが、ダイナミックに描かれていく。

等伯の実物の絵は見たことがない。
だが、小説を読んでいるうちに無性に見たくなってきた。
今後そうした機会が果たして訪れることがあるだろうか。
長く心に念じていると、いつか必ず実現するものだということを誰かがどこかに書いていたのを読んだことがある。
それに倣って、念じ続けることにしようと思う。
そうするといつか実現することがあるかもしれない。
そんなことを思いながら小説を読み終わったのであった。


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