風に吹かれて

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Category: 読書

Tags: 山本一力  時代小説  

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山本一力「蒼龍」

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山本一力の小説を最初に読んだのは「深川黄表紙掛取り帖」という小説であった。
この小説を読む前に、映画化された「あかね空」を観ており、それで興味を惹かれてこの小説を読んだように記憶している。
ところがこれがあまりピンとこなかったので、以後彼の小説は敬遠して読むことはなかった。
ただ先日「ぼくらが惚れた時代小説」を読んだことがきっかけで、それに誘われるようにもういちど彼の小説を読んでみようと思ったのである。
そこで選んだのがこの「蒼龍」という短編集であった。
結論から先に言うと、この小説は当たりであった。

表題作「蒼龍」のほか、「のぼりうなぎ」「節分かれ」「菜の花かんざし」「長い串」が収められている。
どの話も粒ぞろい。
「のぼりうなぎ」や「節分かれ」では商売をするうえでの工夫や辛抱の大切さを、「菜の花かんざし」「長い串」では武家社会を生きることの切なさや家族の絆、友情の尊さといったもの教えられた。
そして表題作の「蒼龍」では、困難な状況に置かれても希望を失わない夫婦の姿を通して、勇気を与えられた。

「蒼龍」は1997年にオール讀物新人賞を受賞した作品で、事実上のデビュー作である。
当時作者の山本一力はバブルで莫大な借金を抱え込み、小説を書くことでその苦境から逃れようと考えていた。
その姿を時代物に移し変えて書いたのが、この「蒼龍」という小説である。
作者の必死な気持ちが、作品のなかに脈々と流れているのが感じられる。

どの小説も読後感が爽やかで、しみじみとした人情が味わえるものばかり。
いい小説と出会えてよかった。

山本一力は同じ昭和23年生まれである。
そんな僅かな共通点ではあるが、そうしたものが見つかると存在が急に身近に感じられる。
これを機会に他の小説も、読んでみようかなと思っている。


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テーマ : 図書館で借りた本  ジャンル : 本・雑誌

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