風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 読書

Tags: 葉室麟  時代小説  

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葉室麟「柚子の花咲く」

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宝永年間、瀬戸内の日坂藩と鵜ノ島藩の干拓地を巡る境界争いを背景に、殺された郷学の恩師・梶与五郎の死の真相と、名誉回復のために命をかけて挑む若き武士、筒井恭平の物語。
題名の「柚子の花咲く」は、梶与五郎が教え子たちに常々語っていた言葉「桃栗三年柿八年、柚子は九年で花が咲く」から採ったもの。
人を育てるには長い時間がかかる。
そしていつか必ず花開くときがくる。
それを信じて、梶与五郎は子供たちを導いていく。
そうした強い想いがこの言葉には込められている。

人生の岐路に立ったとき、人は必ずしも最良の選択をするわけではない。
時には誤った選択をして、人生を大きく狂わせてしまうことになる。
しかしそれを正すことがけっしてできないわけではない。
梶与五郎はそれができないままに死んでしまった。
また庄屋を継いだ旧友儀平やお咲も同様である。
しかし主人公、筒井恭平はそれらを他山の石とし、掛け違えてしまったかつての想いを一途に正していこうとする。
そしてそれこそが師が教え子たちに望んだ人生を切り拓く力というものであった。
かつて師が恭平を評して「身を捨てて仁をなす奴」と言ったことがある。
その言葉どおりの生き方が清々しく描かれていく。

人が人を命がけで愛するということ、教育の真髄、そんなことを教えてくれる小説であった。


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テーマ : 読書記録  ジャンル : 小説・文学

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年齢:今年(2008年)還暦です。
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