風に吹かれて

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Category: 日本映画

Tags: 成瀬巳喜男  

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映画「浮雲」

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昨日BSで放映された「浮雲」を観た。
観るのは、これで4、5回目になるのではないか。

原作は林芙美子、脚色は水木洋子、才能あふれるふたりの女性作家が生み出した悲劇を、成瀬巳喜男監督がこれ以上ない演出で描きあげている。
演じるのは高峰秀子と森雅之、演技とは思えないふたりのやりとりにクギづけになってしまう。
弱々しいような、それでいて時にふてぶてしいほどの逞しさや優しさを見せる、女の複雑な内面を演じる高峰秀子の演技は、もう見事というしかない。
対する森雅之演じる優柔不断で身勝手な男の狡さも、やり切れないほどのリアルさである。
執着と諦めが交互する女の哀しさ、自らの不甲斐なさを自覚しながらも、どうしようもできず、ただ自分勝手にふるまうしかない優柔不断な男のやるせなさ、それでも離れられないふたりの関係は、これはもう理屈を越えた男女の宿命としか言いようのないものである。
「ねえ、どこまで歩くのよ・・・・私達、行くところがないみたい」高峰の漏らすセリフに、胸が締め付けられる。
どこまでも寒々しい風景が続いていく。
そこには男女の愛憎を越えた、人間の生きる苦しみが漂っている。
そしてどこまでいっても救いの道は残されていない。

ukigumo1.jpg

小津安二郎がこれを見て、「オレには撮れない写真」と絶賛したのは、よく知られたエピソード。
まさに映画史に残る、名作中の名作である。
そのことを今回また改めて思い知らされた。


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テーマ : 色あせない名作  ジャンル : 映画

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年齢:今年(2008年)還暦です。
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還暦という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
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