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風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 外国映画

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映画「たかが世界の終わり」

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「家庭の幸福は諸悪の根源」とは、太宰治の言葉である。
家族とはやっかいなもの。
時に優しく、時に苦しく、時に淋しい。
そして時に暖かく、時に冷たい。
そんな複雑な家族の姿を描こうとしたのが、この映画である。

物語は、12年ぶりに故郷に帰ってきた主人公と、それを迎える家族の話。
その再会の数時間が描かれていく。
主人公はゲイの作家。
死期が迫っていることを家族に伝えるために帰ってきたが、なかなかその機会が訪れない。
迎える家族は、母、兄、妹、そして兄の妻の4人、それぞれが屈折したものを抱えており、素直になれず、かみ合わないまま気まずい空気が流れていく。
とくに兄は弟に対して複雑な感情を持っており、口調は刺々しく、トラブルメーカーである。
過去に様々な問題があり、それを未だに引き摺っているのだろうことは容易に想像がつくが、そうした過去は明かされることはない。
ただ観る者の想像に委ねるのみ。
そして家族は最後まで歩み寄ることなく、苦い結末を迎えることになるのである。

映画は会話主体で進行していく。
そしてそれをカメラはクローズアップで捉えていく。
そうしたクローズアップの多用は、家族というものの近すぎる関係を表しているかのようだ。
「ハリネズミの理論」というのがあるが、近づき過ぎるとお互いが傷つけあうばかり。
人間関係を良好に保つには、適度な距離が必要である。
しかし家族同士では、その距離のとり方がなかなか難しい。
近づきたいのに近づけない、離れたいのに離れられない、家族にはそうしたジレンマが常につきまとう。
そんなことをふと考えた。

セリフはすべてフランス語であるが、これはカナダ映画である。
カナダの公用語の大部分は英語であるが、一部の地域ではフランス語も話されている。
特にグザヴィエ・ドラン監督の出身地であるカナダ・ケベックは、フランス語が公用語になっている。
そのことからこの映画はフランス語を使っており、ヴァンサン・カッセル、マリオン・コティヤールをはじめ多くはフランスの俳優である。

監督のグザヴィエ・ドランは、1989年生まれ、この映画を撮影した時点では27歳である。
その若さでこの映画である。
豊かな才能というべきか。

先日の映画「ラビング 愛という名前のふたり」のジェフ・ニコラズは39歳、さらに「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼルは32歳。
グザヴィエ・ドランは、それよりもさらに若い。
こうした才能あふれる若手の台頭を数多く目にすることは、映画ファンとしてはうれしい限りである。


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還暦(10年前)という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
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