風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 読書

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森絵都「みかづき」

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昨年の本屋大賞で2位になった作品。
初めて読む作家である。
著者紹介には次のように書かれている。

1968年東京都生まれ。早稲田大学卒。
90年『リズム』で第31回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。
95年『宇宙のみなしご』で第33回野間児童文芸新人賞と第42回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を、98年『つきのふね』で第36回野間児童文芸賞を、99年『カラフル』で第四六回産経児童出版文化賞を、2003年『DIVE!!』で第52回小学館児童出版文化賞を受賞するなど、児童文学の世界で高く評価されたのち、06年『風に舞いあがるビニールシート』で第135回直木賞を受賞した。
『永遠の出口』『ラン』『この女』『漁師の愛人』『クラスメイツ』など、著書多数。

人気作ということで、図書館での予約待ちが多く、いつ予約をしたか憶えていないが、気長に待つうち、ようやく順番が回ってきた。
この後も大勢の予約待ちが続いているので、期限内に遅れずに返却しなければいけないのだが、最近読む時間があまりなく、果たして期限内に読み切れるかどうか心配したが、読み始めるとその面白さにどんどんと引き込まれ、何とか期限内に読み切ることができた。
寝る前に読んだり、夜中に目が醒めた時に読んだり、いつもより早起きして読んだりと、隙間の時間を出来るだけ利用しての読書である。
こうした読書の仕方は、いつものことだが、それにしても400ページを超えるとなると、なかなか容易ではない。
やはり本の面白さという後押しがあればこそである。

終戦直後から現代までの、親子3代に渡る塾経営者の物語である。
その変遷が、戦後の混乱期、高度成長期、バブル期などを背景に描かれる。
語り手は3人、小学校の用務員から塾教師になった吾郎と、妻の千明、そして孫の一郎。
彼らの目を通して、時代の移り変わり、それに伴った教育制度の変遷や教育問題が描かれていく。
そのなかで翻弄されながらも、それぞれのやり方で教育と悪戦苦闘する姿が力強く描かれる。
同時に、離反や和解を繰り返しながら変化し繋がっていく家族の姿も。
教育という世界を通して見た現代史であり、家族史である。
地味な題材であるにもかかわらず、エンターテインメントとしての面白さに満ちている。

<学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になる。今はまだ儚はかなげな三日月にすぎないけれど>

<常に何かが欠けている三日月。 教育も自分と同様、そのようなものであるのかもしれない。欠けている時間があればこそ、人は満ちよう、満ちようと研鑽を積むものかもしれない>

題名の「みかづき」は、こうした言葉から採られたもの。
時間はかかったが、いろいろと考えさせられることの多い、読みごたえのある小説だった。


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プロフィール

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Author:cooldaddy
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出身地:香川県
年齢:今年(2008年)還暦です。
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還暦という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
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