風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 月別観た映画と読んだ本

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今月観た映画と読んだ本(2015年1月)

観た映画

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ショーシャンクの空に
1995年アメリカ 監督:フランク・ダラボン 出演:ティム・ロビンス/モーガン・フリーマン/ウィリアム・サドラー/ボブ・ガントン

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「アントキノイノチ」
2011年日本 監督:瀬々敬久 出演:岡田将生/榮倉奈々/松坂桃李/鶴見辰吾/原田泰造/柄本明/宮崎美子

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「プロフェッショナル」
1966年アメリカ 監督:リチャード・ブルックス 出演:バート・ランカスター/リー・マービン/ロバート・ライアン/ジャック・パランス/クラウディア・カルディナーレ/ラルフ・ベラミー

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灼熱の魂
2010年カナダ/フランス 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ 出演:ルブナ・アザバル/メリッサ・デゾルモー=プーラン/マキシム・ゴーデット/レミー・ジラール

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「灰の記憶」
2001年 監督:ティム・ブレイク・ネルソン 出演:デイヴィッド・アークエット/ダニエル・ベンザリ/スティーヴ・ブシェーミ/ハーヴェイ・カイテル/ミラ・ソルヴィーノ



読んだ本

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「未完。 仲代達矢」(仲代達矢 エッセイ)

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喜知次(乙川優三郎 時代小説)

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「あなたより貧乏な人」(岡崎武志 エッセイ)

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「狂人日記」(色川武大 現代小説)

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「逍遥の季節」(乙川優三郎 時代小説)

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「みをつくし料理帖 八朔の雪」(高田郁 時代小説)

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「するめ映画館」(吉本由美 対談集)

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ストーナー(ジョン・ウィリアムス 外国小説)

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極北(マーセル・セロー 外国小説)




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マーセル・セロー 村上春樹訳「極北 Far North」

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書評が概ね好評ということや、訳者が村上春樹ということに引かれて読んでみた。
村上春樹翻訳のものを読むのは、「心臓を貫かれて」以来のことである。

世界が終末を迎えつつある、近未来を舞台にした小説である。
「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を書いた村上春樹らしい選択といえようが、こちらはファンタジーではなく、リアルな物語である。

主人公は廃墟となった無人の街に独り住むメイクピース。
「エヴァンジェリン」と呼ばれるその街は、極寒の地シベリアに位置する入植地である。
かつては大勢の入植者が住んでいたが、文明の崩壊によって押し寄せてきた避難民たちとの争いの末、今では人の住まないゴーストタウンと化している。
そのたったひとりの生き残りであるメイクピースは、孤独と絶望のなか、いちどは死を決意するが、その時偶然ある希望の芽と遭遇する。
そしてその希望の芽の正体を探し求めるために、街から出ていくことを決意する。
そこから物語が大きく動き始め、その旅の中で待ち受ける過酷な運命に翻弄されながらの、苦闘の日々が始まるのである。

「マッドマックス・サンダードーム」「ポストマン」といった近未来サバイバル映画を連想させるようなハードな内容は、読みごたえじゅうぶん。
この一週間、寝床のなかでのささやかな楽しみであった。
「ストーナー」に続いて読んだ翻訳ものであったが、まったく違った世界観だっただけに新鮮であった。
たまには翻訳ものを読むのも、目先が変わって面白い。
そういうわけで、この後も引き続き何か面白い翻訳ものを、探してみようかなと考えている。


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ジョン・ウィリアムズ「STONER ストーナー」

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この小説が書かれたのは、1965年である。
もう半世紀も昔のことになる。
その時は格別注目された小説ではなかった。
そして著者のジョン・ウィリアムズが亡くなると、その存在はほとんど忘れ去られてしまった。
それはこの小説の主人公であるウィリアム・ストーナーが、死後ほとんど誰からも関心を持たれることがなかったことと奇しくも同じであった。
しかし2011年にフランスで翻訳されたことがきっかけで評判を呼ぶようになり、やがてヨーロッパ各国でベストセラーとなった。
さらにそれが引き金となって、本国アメリカでも再評価されるようになったのである。

貧しい農家のひとり息子として生まれた男が、ひょんなことから大学まで進むこととなり、そこで文学と出会い、卒業後も大学に職を得、生涯を教師として過ごしたというだけの話である。
ドラマチックなことは何も起こらない。ごくごく地味な小説である。
そんな小説のどこが読者を惹きつけたのであろうか。
それはここには紛れもなくひとりの男の本物の人生があるということだ。

主人公であるストーナーは平凡な男である。
特別才能に恵まれたわけでもなく、何ものかを成し遂げたわけでもない。
というよりもむしろ出世というものからは見放され、生涯恵まれない生活を送らざるを得なかった不運の男といってもいいだろう。
そしてそうしたことを静かに受け入れ、誰にも注目されることなく終えた生涯であった。
しかしそんな不運の男の物語が、読んでいくうちに他人事とは思えないほど切実に迫ってくる。
そこには誰もが等しく味わうであろう人生の哀歓、哀しみもあれば、歓びもある。
そして失敗もあり、挫折もある。
そうした思うに任せぬ人生の様々な浮き沈みが、ストーナーというひとりの男の姿を借りて淡々と描かれていく。

あとがきによると、訳者の東江(あがりえ)一紀氏にとってこれは、生涯最後の翻訳となった。
癌の闘病生活のなかで苦闘しながらこの小説の翻訳を続けていたが、昨年の6月、最後の1ページを残してこの世を去った。
そんな生き様がストーナーの生涯と重なって見えてくる。
そしてそうした事実が、この小説をさらに印象深いものにしてくれたのである。


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Category: 外国映画

Tags: 戦争映画  

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映画「灼熱の魂」

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Facebookで知り合った劇作家・山崎哲氏が傑作だと絶賛しているのを読み、いつか観なければ思っていたが、それでも積極的に探すというところまではいかなかった。
ところがレンタルショップで物色していた先日、たまたまこれを見つけたのである。
さっそく借りて観ることにした。

なるほど山崎氏が絶賛している通りの重い内容の傑作であった。
重い、限りなく重い。
とにかく生半可な気持ちで観ることはできない。
憎しみと暴力の果てしない連鎖のなかで、これは起こるべくして起きたことなのかもしれないが、それにしても何と悲惨で皮肉な話であることか。
そしてこういう悲劇が決して非現実的ではないと思わせる説得力を、この映画は持っている。

中東におけるキリスト教徒とイスラム教徒の宗教対立の根の深さは想像を絶するものがある。
単に宗教の違いというだけではなく、それを背景とした政治的、経済的、そして民族的対立、様々な要素が複雑に絡み合った根の深さである。
そこに生まれる憎しみと暴力、そして報復の連鎖。
そしてその紛争の中で子供たちまでもが、兵士として仕立てられていくという非情な現実。
そうしたことすべてが引き金となって、起きた悲劇である。
まるでギリシャ悲劇を思わせるようなスケールの大きさと迫真力で迫ってくる。

こういう映画を観た後では、言葉の無力さを感じてしまう。
どう表現しようとこの映画の前では、どんな言葉も空しいものに感じてしまう。
それほどここで語られる現実は重い。

2010年のカナダ映画。
レバノン・ベイルート生まれでレバノン内戦を逃れカナダに亡命した劇作家ワジディ・ムアワッドの戯曲『焼け焦げるたましい(原題:Incendies、火事)』を原作に、ドゥニ・ヴィルヌーヴが脚色と監督を務めたレバノン内戦を下敷きにした映画である。
第83回アカデミー外国語映画賞にノミネートされている。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、先日観た「プリズナーズ」の監督でもある。
今後はこの監督から、目が離せなくなった。


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Tags: 乙川優三郎  時代小説  

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乙川優三郎「喜知次」

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久しぶりで乙川優三郎の小説を読んだ。
先月のことになるが、家内から何か面白い時代小説はないかと問われて、乙川優三郎の小説を教えた。
以来その面白さに夢中になり、次から次へと読み漁るようになった。
そんななかに今回読んだ「喜知次」があった。
これは乙川優三郎の初期の作品で、これまで彼の小説の主なものは読んでいるが、これはたまたま読むことがなかった小説である。
先に読んだ家内から「面白かった」との感想を聞いたので、この機会に読んでみようと思ったのである。

喜知次とは、魚のキンキの別名で、宮城県などでの呼び名である。
「吉次」とも書く。
主人公の小太郎の家に、親を亡くした娘・花哉が引き取られてくる。
その娘の顔が赤く目が大きいところから、小太郎が「喜知次」とあだ名したのである。
以来、小太郎は義理の妹となった花哉のことを、親しみを込めて喜知次と呼ぶようになった。

小太郎には学問所で知り合った牛尾台助、鈴木猪平という親友がいる。
それぞれ身分は違うが、互いに身分を越えた生涯の友と考えている。
その3人が、藩の抗争や、国替えといった荒波に翻弄されながら成長していく姿が、情感豊かに描かれている。

藤沢周平の「蝉しぐれ」や「風の果て」、葉室麟の「銀漢の賦」などと同様の世界を扱った小説である。
こういう類の小説は何回読んでも感動させられる。
若者のひたむきな生き方に、胸が熱くなってしまう。

「会者定離(えしゃじょうり)」という言葉が出てくるが、そうした抗い難い人生の無常さが、端正に描きこまれた小説である。

これを機会に乙川優三郎のまだ読んでいない小説を、また読んでみようかと考えている。


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Category: 外国映画

Tags: ベスト映画  

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2014年洋画ベストテン

今回は、サバイバル映画が4本(「ゼロ・グラビティ」「ウェイバック 脱出6500Km」「ローン・サバイバー」「オール・イズ・ロスト」)、少年の成長物語が2本(「とらわれて夏」「MUD マッド」)、親が子供を捜し求める映画が2本(「あなたを抱きしめる日まで」「プリズナーズ」)と、偶然ながら同ジャンルのものが並ぶ結果になったが、それを見て、やはり自分はこういうジャンルのものが好きなのだと改めて認識した次第である。

1位:ゼロ・グラビティ
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脱出映画、そして宇宙映画の傑作。息つく暇もない大迫力に、終始圧倒された。
レビューはこちら
さらにもうひとつのレビュー

2位:あなたを抱きしめる日まで
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単なる息子探しだけの映画ではない底の深さと、ジュディ・デンチの名演が光る。彼女をサポートする記者を演じたスティーブ・クーガンの渋い演技も印象に残る。それにしてもアイルランドに実在したマグダレン洗濯所の理不尽な虐待には驚かされた。

3位:とらわれて夏
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脱獄犯と精神を病む母親の大人の恋と、それを複雑な思いで見守る少年の成長物語。静かで抑制の利いた展開は、緊迫感に満ちている。

4位:MUD マッド
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こちらも「とらわれて夏」と同じく思春期の少年の成長物語。島で出会った指名手配犯マッドとの秘かな交流を通して、成長していくひと夏の冒険物語。マシュー・マコノヒーはアカデミー賞をとった「ダラスバイヤーズクラブ」よりもこちらの方が断然いい。

5位:ブルージャスミン
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セレブ女の転落物語。この映画でアカデミー主演女優賞を手にしたケイト・ブランシェットの鬼気迫る演技は、とにかく見応えじゅうぶん。
レビューはこちら

6位:ウェイバック 脱出6500Km
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シベリアの強制労働収容所から脱走した収容者たちの6500Kmに亘る逃走劇。厳寒のシベリアからタクラマカン砂漠そしてヒマラヤを越えるという、気の遠くなるような究極のサバイバル。これが実話というのだから驚きである。

7位:ローン・サバイバー
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こちらも実話を基にしたサバイバル映画。アフガニスタンの山岳地帯で偵察活動をしていた米海軍特殊部隊ネイビーシールズの4人が、数百人のタリバン兵の攻撃にさらされる。そこからの生還を描いた戦争映画。手に汗を握る展開に目が釘付けになった。

8位:オール・イズ・ロスト
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こちらはヨットによる遭難事故からの生還を描いたサバイバル映画。出演はロバート・レッドフォードただひとり。なのでセリフはいっさいなし。しかし遭難の中での孤軍奮闘は真にリアル。いっしょに遭難してしまったような臨場感であった。

9位:華麗なるギャッツビー
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豪華でケレン味たっぷりな映像は、さすが派手好きなバズ・ラーマン監督らしい。謎の多いギャツビーをディカプリオが好演。狂乱の後に来る苦さが心に沁みる。
レビューはこちら

10位:プリズナーズ
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幼い娘を誘拐された父親がとる常軌を逸した行動と、事件担当刑事のプロフェッショナルな捜査が同時進行していくなかで、次第に事件の真相へと迫っていく。そこにキリスト教の信仰心の問題が複雑に絡み合う。父親を演じたヒュー・ジャックマンの狂気に満ちた演技が光る。

次点:アルバート氏の人生
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19世紀、生きるために性を偽り、男として生きていかざるをえなかった女性の物語。アルバート氏を演じたグレン・クローズの男性成り切り演技が見事。


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Category: 日本映画

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2014年邦画ベストテン

このブログを始めた2008年から2010年まで、毎年その年に観た映画の中からベストの映画を選んでいたが、2011年からの3年間はそれが途絶えていた。
理由は自分でもよく分からないので、気紛れと怠慢のせいということにしておく。
それをまた今年から再開しようと思う。
まずは、昨年の邦画から。


1位:箱入り息子の恋
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思わぬ拾いもの。
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2位:みなさんさようなら
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12歳から30歳までを違和感なく演じた濱田岳の演技が素晴らしい。
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3位:小さいおうち
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山田洋次監督、久々の会心作。
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4位:そして父になる
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家族とは何か、親子とは何か、深く考えさせられる映画であった。
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5位:永遠の0
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昭和の風景を再現してみせた山崎貴監督が、ここでは太平洋戦争を見事に再現、原作に劣らぬ一級のエンターテインメント映画であった。
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6位:もらとりあむタマ子
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ドラマチックなことが何も起こらない映画なのに、こんなにも面白いのは、やはり山下敦弘監督ならでは。
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7位:はじまりのみち
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ラストに流れる「陸軍」の映像に、胸が熱くなった。
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8位:蜩ノ記
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原作が持つ凛とした佇まいを、見事に映像化。スタッフ・キャストの並々ならぬ意気込みが伝わってきた。


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Category: 読書

Tags: 時代劇  エッセイ・評論  

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小松宰「剣光一閃 戦後時代劇映画の輝き」

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戦後の時代劇映画の流れを辿るなかで、時代劇映画の魅力と、そこに込められた日本人の精神構造を見つめようとした評論集。
弘前の地元紙「陸奥新報」に、1年2ヶ月にわたって連載されたものである。
著者の小松宰(こまつ おさむ)氏は秋田県大館市在住で、北海道、東北では唯一の「日本映画ペンクラブ」会員である。
またNHKカルチャー弘前教室の映画講座講師や、弘前文学学校講師なども務めるライターである。
身近にこうした人がいたことは、新しい発見であった。
図書館で偶然見つけ、そのプロフィールに引かれて、読んでみた。

「戦後に幼少期を送った」著者は、自分とはほぼ同世代のようで、その時代劇映画の遍歴も似たような道程を辿っており、そうしたことも手伝って、興味深く読んだ。
それは次のような文章である。

<私が時代劇映画を観るようになったのは、最初は、言うまでもなく、ただ単に「時代劇がそこにあった」からである。>
<しかし、ある時期から、私は自分から時代劇を選択し、いくらか意識的に時代劇を見るようになった。>
そして<自分はなぜ時代劇が好きなのかとか、時代劇の中には一体、なにがあるのか、といった自問を発しながら観るようになった。>

こうして始まった時代劇映画への傾倒から導き出された様々な考察が、網羅的に語られていく。
その内容は次のようなもの。


1章  現代史としての幕末映画
2章  新選組映画の深層心理
3章  忠臣蔵映画の興亡
4章  シリーズ時代劇と捕物帳
5章  定番時代劇がゆく
6章  残酷時代劇と集団抗争時代劇
7章  柳生武芸帳の秘密
     1 柳生武芸帳の秘密
     2 柳生十兵衛はいつ片目を失ったのか
8章  黒澤時代劇の世界
     1 『羅生門』の真実
     2 時代劇の金字塔『七人の侍』
     3 『影武者』と『笛吹川』
9章  激動する時代の中で
      1 岡崎三郎信康の悲劇
     2 龍馬映画の行方
     3 東映の非東映時代劇
     4 日本的なものを求めて
      5 形を変えた時代劇
10章  白刃の美学
11章  文芸時代劇の系譜
12章  21世紀の時代劇
13章  〈死の美学〉としての時代劇


全盛期の東映時代劇をはじめ、大映時代劇、黒澤時代劇、さらには任侠映画も一種の時代劇として捉え、時代劇衰退後の現在の時代劇までを俯瞰的に考察していく。
これを読むことで、今に至る時代劇映画の大筋を、ほぼ概観することができる。

そして「あとがき」には次のように書いている。

<人間は誰でも自分の人生を完成させたいと願っている。ここで自分の人生を終わらせてもいいと思える地点に到達したいと願っている。それはほとんど人間の悲願である。しかし実際には、自分の人生を完結させることなどできはしない。
 むしろ、自分がどこにいるのか、どこまで来たのか、皆目分からないまま不確実な人生を生きるしか方途がないのが人生である。(中略)
 しかし、時代劇映画の主人公たちは違う。彼らは紛うかたなく自己の人生を完結させる。初志を貫徹し、大望を成就し、悲願を達成して、幸運にも自らの人生を完結させる。
 いや、挫折や敗北で終わる時代劇もある。壮絶きわまる斬り死にや、非業の死で終わる時代劇もある。しかし、挫折や敗北ではあっても、そのようなかたちで彼等は自らの人生を完結させるのである。それはまさしく人間にとっての僥倖であり、時代劇というものの持つ幸運であるように、私には思える。>

かつてのような時代劇全盛の時代は、再び訪れることはないだろうが、時代劇というものが持つ力は決して衰えることはない。
そうした人を惹きつけてやまない魅力的な時代劇が、今後もさらに作られて続けていくことを願いながら、この本を読み終えた。


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Category: 暮らし

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娘と冬の弘前散歩

仕事が休みの娘に誘われて、市民会館の施設内にある喫茶「baton(バトン)」へ行った。
以前から行きたかったが、弘前から青森勤務に代わったために、なかなかその機会がなかったとのこと。
久しぶりにゆっくりと休める休日になったので、一緒に行こうと誘われたのである。

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ホールとは別棟の管理棟に入って行くと、右手に大きなステンドグラスの窓が見える。
地元出身の画家「佐野ぬい」さんの絵をステンドグラスにしたもの。
開館から50年を迎えた市民会館の大規模改修工事に合わせて、昨年の11月に設置されたものである。
以来これを目当てに訪れる人が増えたということである。
「佐野ぬい」さんの絵の特徴である「佐野ブルー」が印象的なステンドグラスであった。

そこから階段を上がっていくと、そこが喫茶「baton」である。
ステンドグラスにいちばん近い席に座ることにした。

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さっそくメニューを見て、娘はナポリタン、私はハヤシライスを、そして食後のデザートに、ホットケーキとコーヒーを注文。
娘によると、「baton」は昔懐かしいメニューをポリシーにしているそうで、その代表的なメニューということで、これらを選んだのである。
いずれも予想以上にうまかった。

雑誌を読んだり、外の雪景色を見たりと、静かな時間を過ごした。

その後は改修成った市民会館のなかを見学。

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それが終わったた後は、同じ敷地内にある市立博物館に行って、開催中の「つがる考現学展」を観ることにした。
これは弘前市出身の今和次郎が提唱した「考現学」の青森版ともいえるもので、和次郎の弟である画家・純三が和次郎の依頼を受けて青森県内で採集した考現学の資料を展示した催しである。

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「考現学(こうげんがく)」とは「考古学」に対して名づけられたもので、現代を生きる人々の行動・風俗などを調査・研究するものである。
赤瀬川原平らの「路上観察学」のルーツがこれである。
青森県内の古い風俗や市民生活を垣間見ることのできた、興味深い展覧会であった。

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さてその次は場所を旧岩木町に移して、「鳴海要記念館」で開催中の「懐かしの銀幕スターブロマイド展」を観に行くことにした。
市民会館の掲示板に張られていたポスターを見て足を延ばしてみることにしたのである。
今では貴重なスターたちのプロマイドの数々が展示されており、我々団塊世代にとっては、大いに郷愁を掻き立てられる懐かしいものであった。

雪に閉じ込められ、外に出ることの少なくなってしまったこの時期、思い切って外出することでこうした貴重な時間を過ごすことができたのである。
津軽の冬の楽しい市内散歩であった。


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元日は雪かきと映画「ショーシャンクの空に」を観て過ごした。

大晦日から元日にかけて、予報通りの大雪になった。
朝起きて玄関先に盛り上がった雪の山の多さにびっくり。
大雪警報が出ていたとはいえ、これほどの雪になるとは。

調べてみると、この日の降雪量は36センチ。
これは1982年以降の観測記録としては史上8位の記録になる。
これで積雪量は89センチになった。
昨年の最大積雪量が84センチだから、すでにこれを超えたわけだ。
しかもこの数字は2月19日に記録したもの。
今シーズンの雪がいかに凄いかが、よく判る。

こんな天気なので、元日は家に籠りっきりであった。
テレビでも観て過ごそうと、番組表を見てみると、BSで映画「ショーシャンクの空に」が放映となっている。
さっそく家内とふたりで観ることにした。

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これを観るのは3度目である。
前回観たのは2009年なので、5年ぶりになる。
その時の感想はブログに書いたが、そのなかで「この映画はおそらく今後も繰り返し観ることになるだろう。」と書いた。
その言葉通り、今回また観ることになったわけである。

この映画は1995年のアカデミー賞で7部門(作品賞、主演男優賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、作曲賞、音響賞)にノミネートされながら、ひとつも受賞出来ずに終わった。
しかし今では、映画史に残る名作として、確たる位置を占めている。
アカデミー賞受賞以上の評価ということになる。

3回目ということで、より一層細部に亘って詳細に観ることができた。
そしてその緻密で考え抜かれたシナリオと、説得力のある力強い映像、さらには俳優たちの味のある演技に、今回も心底感動させられたのである。

年の初めにいい映画を観ることができて、「春から縁起がいい」といった心持になった。


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プロフィール

cooldaddy

Author:cooldaddy
住んでいるところ:青森県弘前市
出身地:香川県
年齢:今年(2008年)還暦です。
性別:男

還暦という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
趣味のこと、生活のこと、心に残ったことなど、My Favorite thingsを、気ままに書いていこうと思います。
末永くおつき合いください。

映画サイト「マイ・シネマ館」もやっています。
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