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風に吹かれて

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Category: アート

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歩く眼差し~津軽の写真家・小島一郎~

NHK「日曜美術館」で放送された「歩く眼差し~津軽の写真家・小島一郎~」を観た。
先日娘がブログで予告紹介しているのを読んで、観たいと思っていた番組であった。

写真家・小島一郎は大正13(1924)年、青森市生まれ、高校を卒業後、出征、戦地で死線を彷徨うほどの過酷な戦争体験をした後、九死に一生をえて復員、戦後写真を始める。
そして戦争の傷を癒すかのように、津軽を中心とした雪国で力強く生きる人々の姿を精力的に撮り続け、39歳という若さで亡くなった。

番組ではその作品と生涯を追うことで、小島一郎の生き様と作品世界の魅力に迫ろうとするものであった。
白と黒の強烈なコントラストによって構成された作品からは、北国の過酷な自然の中で生きる人々の逞しさ、力強さが伝わってくる。
出演していた弘前出身のルポライター鎌田慧は、そこに津軽の精神風土を見ることができるとコメントしていたが、まさに津軽そのものがそこには表現されている。

kojima.jpg

彼を評して「写真界のミレー」と呼んだそうだが、写真によって切り取られた荒々しい空を見ていると、むしろ「写真界のブラマンク」と呼んだほうが似つかわしいのではないかと思った。
津軽にこだわった小島だったが、作品の評価が高まるにつれて東京での活躍を夢見るようになる。
そして上京を決意するが、東京での日々は彼の意に沿ったものではなく、ただ挫折を味わうだけで終わってしまう。
その象徴として写真界の巨匠、木村伊兵衛による酷評を例に挙げている。
結局彼の中央での活躍はならず、新境地を求めて北海道を旅するものの、過酷な撮影で体調を崩し、不幸にも急逝してしまう。

残された3000点以上にのぼる作品は現在県立美術館に保存されており、現在も「冬のコレクション展」として写真展が開催されている。
この機会にぜひ県立美術館に足を運んで、強烈な磁場をもった彼の作品を、じっくりと観賞したいと思っている。

最後に青森が生んだ、ピューリッツァー賞受賞の写真家、沢田教一は、小島が営む写真店に就職、そこで写真技術を習得するとともに小島から多大な影響を受けたということもつけ加えておきたいと思う。


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テーマ : NHK教育  ジャンル : テレビ・ラジオ


Category: 読書

Tags: 時代小説  

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佐伯泰英「流離 吉原裏同心」

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佐伯泰英という小説家がいる。
時代小説のシリーズものを数多く書いている作家で、熱烈なファンが多く、今売れに売れている作家である。
書店に行くと特集コーナーが設けられていることも多く、さまざまなシリーズものがうずたかく平積みされているのを目にすることがある。
また最近ではNHKで「陽炎の辻」や「まっつぐ 鎌倉河岸捕物控」がドラマ化されているので、ご存知の方も多いのではなかろうか。
そんなわけで時代小説好きとしては、素通りするわけにはいかない作家なのである。
以前から気にはなっていたが、なかなか手が出ないでいたが、ようやくその小説を読んだ。
「吉原裏同心」シリーズの第一作目「流離」という小説である。

安永五年(1776年)、豊後岡藩の馬廻役、神守幹次郎は幼馴染で今は納戸頭、藤村壮五郎の妻となっている汀女と逐電した。
それを知った壮五郎は助太刀を引き連れて、ふたりの後を追う、といったところから物語が始まっていく。
逐電したふたりはその後、隠れるように各地を渡り歩き、やがて江戸へと上る。
そしてそこで吉原遊廓・四郎兵衛会所(しろべえかいしょ)の名主に剣の腕を買われ、裏同心と呼ばれる用心棒に納まる。
また汀女は俳諧の素養を生かし、吉原遊廓の遊女たちに俳諧の手ほどきをすることになる。
こうして吉原遊廓に持ち上がるさまざまな事件に関わっていくことになる。

物語はテンポよく進み、読み出すと筋書きの面白さにつられてついつい読み進んでいってしまう。
また登場人物も、なかなか魅力的な人物たちがそろっているといった具合で、道具立ても揃っている。
喩えて言えば、かつての東映時代劇の世界といったところ。
なかなか楽しめるエンターテインメントである。
ただこれ一冊だけでは、まだまだ夢中になるというところまではいかないが、今後はさまざまあるシリーズもの(居眠り磐音江戸双紙シリーズ、密命シリーズ、鎌倉河岸捕物控シリーズなど)を少しづつ齧ってみようかなどと考えている。

ところで佐伯泰英のプロフィールを少し紹介しておく。
1942年2月14日北九州生まれで現在69歳。
日大藝術学部映画学科を卒業後、スペインに渡り、「闘牛」を題材にした写真集やノンフィクションを出版、またミステリー小説や冒険小説を書くが、あまり売れず、作家廃業寸前まで追い込まれるが、56歳で初めて時代小説を書き下ろすとそれがようやくヒット、以後猛烈な勢いでつぎつぎと時代小説を生み出していく。
その数なんと8年間で100冊にのぼる。そしてトータルの発行部数は1500万部を越えるというから驚きだ。
そんな遅咲きの超売れっ子作家なのである。


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テーマ : 読書記録  ジャンル : 小説・文学


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Author:cooldaddy
住んでいるところ:青森県弘前市
出身地:香川県
年齢:今年(2018年)70歳です。
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還暦(10年前)という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
趣味のこと、生活のこと、心に残ったことなど、My Favorite thingsを、気ままに書いていこうと思います。
末永くおつき合いください。

映画サイト「マイ・シネマ館」もやっています。
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