風に吹かれて

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Category: 読書

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東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

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2006年度の本屋大賞を受賞し、200万部を越す大ベストセラーとなった小説である。
作者のリリー・フランキーはアートディレクター、デザイナー、イラストレーター、フォトグラファー、エッセイスト、小説家、絵本作家、ミュージシャン、作詞家、作曲家、構成作家、演出家、ラジオナビゲーター、俳優など、多彩な顔を持つ人物。
1963年生まれの47歳、映画「ぐるりのこと。」のひょうひょうとした演技が印象に残っており、私にとっては俳優としての認識度のほうが高い。
最近では大河ドラマ「龍馬伝」でも河田小龍役で出演しており、相変わらずのひょうひょうとした演技で、独特の存在感を示していた。
また先日観た映画「色即ぜねれいしょん」にもちょい役で顔を見せていた。
そんな彼の初の長編小説である。
副題の「オカンとボクと、時々、オトン」からも窺えるように、これはリリー・フランキー自身の母親との半生を綴ったものである。
そして3歳以降いっしょに住むことのなかった父親との奇妙な家族関係も語られる。

ベストセラーで話題沸騰だった出版当時は、あまり読む気がしなかったが、先日図書館で偶然この本を見つけたときには、ふと読んでみようかなという気になった。
それはブームの熱気に流されて読むということを、潔しとしない心理が働いていたからで、熱気が冷めた今ならば、先入観なしに静かに読めるのではないか、そして何がそれほどの共感を呼んだのかを知りたい、という好奇心も手伝ってこの本を手に取ったのである。

九州の小倉で「ボク」と「オカン」と「オトン」が暮らしたのは、3歳のころまでのこと。
その後は何かの事情があって「オトン」とは別れ、「オカン」の実家のある、筑豊の炭鉱町で住むことになる。
しかし「オトン」と「オカン」は離婚をすることもなく、ときどきふたりの前に現れるという奇妙な家族関係が続いていくことになる。
そうした環境のなかで育った「ボク」は、やがて高校受験を契機に母親と別れてアパートでひとり住まいをすることになり、さらに大学入学で上京、10数年に渉る別居生活の後に再び東京で母親といっしょに住むことになる。
そして数年の後、母親の発病と入院生活、そして死に至るまでが日記のように綴られていく。

男の子にとっての普遍的なテーマである「母親」というものを、「マザコン」と言われることを恐れずに正面切って描いた、「母親」への大いなるオマージュであり、鎮魂歌である。
こうした小説の場合、多かれ少なかれ母親を美化しがちだが、そこは抑制がきいていて、抜かりがない。
またその底にはいつも哀しみという感覚が水脈のように流れているところが、この小説を上質なものにしている最大の要因なのではないだろうか。
「オカンが好きだ。」と公言をはばからないこの小説に、読者は自らの母親の姿を重ねて読むことになる。
そしてあらためて家族のことを考えることになる。
そうしたきっかけを与えてくれる普遍的なものがつまった小説だからこそ、多くの読者の共感を呼び、支持されたのだと思う。

昔大学に入学した直後に住んだのは、港区三田の慶応大学の向かいの高台にあった県人寮であった。
「東京タワー」とは、ほんの目と鼻の先という場所であった。
そうしたことも、この本に興味をひかれた理由のひとつである。


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Category: テレビ・ラジオ番組

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今日は一日“戦後歌謡”三昧

今、NHK FMの「今日は一日“戦後歌謡”三昧」という番組を聴いている。
午後0:15~10:45まで延々10時間以上も放送されるという番組である。
たまたまラジオを点けたらやっていたもので、聴きだしたら途中でやめられなくなってしまった。
司会は立川志らくと加賀美幸子。
大の歌謡曲フリークである立川志らくの話が詳しくて、おもしろい。
昭和歌謡のよく知られた名曲からコアな曲まで、つぎつぎと流れて、飽きずに聴き続けている。
珍しいところでは、つい先ほど八代亜紀がカヴァーで歌った「リバーサイド・ホテル」が流れたが、井上陽水の歌とはまた違った味わいがあってなかなかいい。
興味深く聴いた。
今は美樹克彦の「花はおそかった」が流れている。
最後に「ばかやろー」と叫んで終わる、あの歌である。懐かしい。
この後どんな曲がどのくらいかかるのだろう、楽しみだ。
歌謡曲一色の一日である。


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Category: 美味しいもの

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海鞘(ほや)

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夕べは酒の肴に「ほや」を食べた。
久しぶりの「ほや」である。
苦味のなかに甘さがあり、口に含むと磯の香りがする独特の味で、珍味の部類に入る。
弘前に越してきて初めてこういう食材があることを知った。
初めて実物を見たときは、そのグロテスクな姿に少したじろいだが、食べてみるとなかなかオツな味で、すぐに好みの食材になった。
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食べ方はいたってシンプルで、刺身にしたり、酢の物にしたり。
わが家ではもっぱら酢の物で食べている。
その姿かたちから海のパイナップルと呼ばれている。
漢字で書くと「海鞘」、5月から8月頃までが旬で、三陸沿岸が主産地となっている。
見た目から貝の一種のようにも思えるが、これが原索動物という種類になる。
雌雄同体で、岩などに付着して一生を過ごすという生き物。
グリコーゲンや鉄分などが多く、「がんを抑制する」成分も含まれているといわれている。
これからどんどん旨みが増していく。
わが家の食卓にも、頻繁に顔を見せることになるだろう。


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Category: 弘前

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桜開花

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昨日弘前公園の桜がようやく開花しました。
平年より3日遅く、昨年より10日遅い開花です。
なお園内の桜の満開予想は5月1日から5日となり、ちょうどゴールデンウイークと重なります。
開花が遅れたことが、結果的に功を奏したということになりそうです。
あとはいい天気が続くことを願うだけです。


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Category: 愛犬

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オレは眠いんだ

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夜9時過ぎに撮ったロシェルの写真です。
毎晩この時間になるとこの場所で、こんな風にひと眠りします。
その後おもむろにクレートに入って眠りに就くのがいつものパターン。
今日も一日よく遊んだね。
お疲れさん。


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Category: 日本映画

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映画「風が強く吹いている」

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直木賞作家、三浦しをん原作の映画化作品。
部員たった10人の弱小陸上部が箱根駅伝を目指すという物語。
陸上競技経験者がたったふたりだけという寄せ集めのチーム、箱根なんて夢のまた夢と部員の誰もが思っているが、ただひとりチームリーダーのハイジだけは、出場できると固く信じている。
その強引とも思えるリーダーシップに引きずられ、階段をひとつひとつ登っていくように、問題をつぎつぎとクリアしていくうちに、ひょっとして実現可能かもしれないという空気が、部員たちの間に芽生えてくる。
そして最後に、とうとう箱根出場が現実のものになる。
そこから始まる箱根駅伝のレースが、この映画最大の見どころ。
3万人のエキストラを集めたというだけあって、本番さながらのリアルな映像が楽しめる。
そのなかで次々と繰り広げられるドラマが感動を呼ぶ。

主役の天才ランナー、カケルを演じた林遣都とチームリーダーの小出恵介が爽やかな印象を残す。
ともにこの映画のために、かなりのトレーニングを積んだことが窺われる。
その引き締まった身体は、まさにランナーに相応しい。
とくに林遣都のランニングフォームの美しさには、目を奪われた。
天才ランナーという設定が頷ける走りであった。

黒い家」「39 刑法第三十九条」「次郎長三国志」などのシナリオライターである大森寿美男の初監督作品。
スポーツ映画のもつ爽やかな要素を、うまく生かした映画作りで、初監督のプレッシャーをはね返し、誰もが楽しめる秀作を作り出した。
部員たちの手から手へと、つぎつぎと渡されていくタスキに込められた熱い想いが、観ているこちらにも確実に伝わってきた。


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桜の開花予想

先日桜の開花予想が発表されました。
それによると開花は26日だそうです。
第一弾での予想は24日でしたが、最近の低温続きの影響で、遅くなったようです。
今朝テニス帰りに、お濠の桜の様子を見てきましたが、まだまだ時間がかかりそうな気配でした。
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明日から桜祭りが開催されますが、見ごろになるのは、来週あたりかな。
ちょうどゴールデンウイーク期間とうまく重なりそうです。
それにしても、もう少し暖かくなってほしいものです。


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Category: 日本映画

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映画「色即ぜねれいしょん」

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青春とは、けっして輝かしく栄光に包まれたものではない。
いや、むしろ失敗や挫折の連続で、恥ずかしいものであり、情けないもの。
とくに男の子の場合は、その度合いが強いように思う。
この映画は1974年のそうした青春真っ只中にある、等身大の高校生を描いた物語。
普通の高校生のモヤモヤ感やドキドキ感が、おもしろおかしく描かれていて、思わず微苦笑してしまう。
こうした経験は、多かれ少なかれ誰しもが通ってくる道すじであるだけに、共感するところが多い。
主役を演じた渡辺大知がなかなかいい。
どちらかというと三枚目の彼が、物語が進んで行くうちにだんだんと魅力的に見えてくる。
そして最後に学園祭の舞台でギター片手に歌を唄う場面では、完全にノックアウトされてしまった。
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彼は「黒猫チェルシー」というロックバンドのボーカルで、これが映画初出演だが、始めての演技とは思えない溌剌さで、まさにはまり役である。
映画が終わった後も、不思議な魅力に取り付かれてしまった。
その残像が、いつまでも消えないで残っている。
原作者みうらじゅんの高校時代を下敷きに、俳優の田口トモロヲが監督、このふたりは「アイデン&ティティ」に続くコンビである。
個性的なふたりがタッグを組んだ映画だが、変に個性的にならず、直球勝負をしているところが、好感がもてる。
なかなかいいコンビである。


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5時からテニス

今日のテニスの開始は、いつもと違って5時からでした。
というのも今日は8時から大会が開催されるためです。
昨年までは、こうした場合、いっさいコートは使えなかったのですが、今年はクラブのKさんが教育委員会に掛け合った結果、大会1時間前までは使用できるということになりました。
今日はその最初の日というわけです。
それに合わせて4時半に起床、犬の散歩の後、5時少し過ぎに家を出て、5時半にはコートに着きましたが、もうすでに3つのコートではゲームの最中でした。
しばらくウオーミングアップをするうちに、さらにメンバーが集まり、さっそくゲームの開始です。
結局7時までに4ゲームを消化、爽やかな汗をかきました。
昨年までなら、今日のテニスは休みとなるところですが、こうしてテニスができるわけですから、何だか得した気分になりました。
ほとんどの大会は、土日に開催されるわけで、その日にテニスができるということは、ありがたいことです。
とくに土日しかできないメンバーにとっては、ほんとうに朗報だと思います。
明日もまた今日と同じ、5時開始です。
多くのメンバーが集まるのではないかと思っています。
身体も次第に慣れてきたようなので、明日もがんばって早起きしようかな。


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映画「2012」と「96時間」

一昨日のブログに「気分転換のために、気軽に楽しめるものを探してみよう」と書いたが、見つけたのが映画「2012」と「96時間」。
どちらも数字がタイトルになっているのは、偶然の一致。
さらにどちらの主人公も離婚経験者で、元妻は子連れで再婚、父親の役目を果たすために時々子供に会いに出かけるという設定も、同じく偶然の一致。
そしてどちらも父親が子供のために命がけで行動するという父性愛が重要なテーマになっている。
最近はすっかり影の薄くなっている父親だが、こういった危機的な状況に陥ると、やはり頼るべきは父親ということになってくる。
そんな父親の孤軍奮闘ぶりが楽しめる映画だ。
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「2012」は地球滅亡の危機を描いた映画。
監督は「インデペンデンス・デイ」「GODZILLA ゴジラ」「デイ・アフター・トゥモロー」などの災害パニック映画を得意とするローランド・エメリッヒ。
こうした種類の映画はどうしてもドラマの部分が大味になってしまうのは仕方のないところ。
それは了解事項としてパニックのスケールを楽しめばいい。
そうした意味では気分爽快とまでは言えないが、そこそこ楽しめた。
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もう一本の「96時間」は元CIAの父親が、誘拐された娘を取り返すために、単身悪の組織と戦うというアクションもの。
とにかく主役のリーアム・ニーソンがムチャクチャ強い。
元CIAらしい危機対応能力がすこぶる高度で、その活躍ぶりは少しやりすぎではとも思えるが、とにかく鮮やか。
つぎつぎと訪れる難問をクリアしていく姿は理屈抜きに楽しめる。
これまでの映画では見られなかった斬新なアイデアがたっぷりと盛り込まれていて、こちらは見終わって爽快感を感じることができた。
父親は強し、である。


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まるで台風

今朝は大荒れの天気である。
まるで台風のような強い風が吹いている。
県内では昨夜遅くに暴風雪警報が出た。
今のところ雪は降っていないが、強風は夜中からずっと吹き続けて、今朝になってもやむ気配なし。
憂鬱な気分にさせられる朝である。
こういうときは、やはり何か楽しいことを見つけるのが、いちばん手っ取り早い気分転換の方法だ。
それには、やはり映画か、本か、音楽ということになる。
気軽に楽しめるものを探してみようかな。


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そろそろ薪ストーブも終わりかな?

ここ数日の暖かさで、薪ストーブは使っていない。
今日も最高気温は20度まで上がるそうである。
いよいよ春が本格的に訪れたような毎日である。
このまま薪ストーブを使わずにすめばいいのだが、また明日には低気圧の影響でかなり冷え込むそうなので油断はできない。
ただ薪小屋の薪も残りわずかなので、このまま寒さがぶり返さないでもらいたいところである。
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しかしこうやってみると、ずいぶんたくさんの薪を燃やしたものだ。
大体毎日2、30キロくらいの量の薪を燃やしている。
これを約6ヶ月間続けているので、一日平均25キロとして計算すると、おおよそ4.5トンの薪を使ったことになる。
すごい量だとあらためて思ってしまう。
燃やしたこともそうだが、これだけの量を集めたことにも我ながら感心してしまう。
果たして今年もそれだけの薪を集められるかどうか、今からせっせとその用意をしなければと思っているところである。


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今日も朝からテニス

昨日に引き続き今日も朝からテニスです。
天気予報では傘マークが出ていたので、半分は諦めていたのですが、朝起きてみると雨は止んでいました。
久しぶりのテニスで身体の節々が痛いので、ちょっと迷うところでしたが、思い切って行くことに。
ゲームをやっているうちに次第に身体がほぐれて、だんだんと調子が上がり、結局5ゲームもやってしまいました。
予定外のゲーム数でしたが、いい汗をかきました。


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今日から朝テニスの始まり

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今日から今シーズンの朝テニスが始まりました。
寝坊するかもしれないと思っていましたが、5時ちょうどに自然と目が覚めました。
外はまだ薄暗い状態でしたが、さっそく犬の散歩に出かけ、5時40分にテニスコートに向けて出発、6時少し前にコートに着いたのですが、すでに10人ほどのメンバーが集まっていました。
約6ヶ月ぶりの再会でしたが、皆変わりなく、さっそくゲームの開始です。
今シーズンは冬の室内練習をまったくやらなかったので、少々不安でしたが、何とかそれらしくゲームができてひと安心、でもあまり調子に乗ってやり過ぎないようにと、3ゲームだけで終了、早々とコートを後にしました。
ケガをしないように、無理をせず、徐々に身体を慣らしていこうと思っています。


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映画「欲望という名の電車」

先週のFM放送「Panasonic Melodious Library」で、テネシー・ウイリアムズの「ガラスの動物園」が取り上げられた。
小川洋子の解説は、さすが作家だけのことはあると思わせる鋭い内容で、ぜひ読んでみたいという気持ちにさせられた。
いっしょに聴いていた妻もそうだったようで、さっそくこの作品を読もうと、図書館から借りてきた。
妻は大学時代にテネシー・ウイリアムズの作品を原書で読んだり、また文学座の舞台で「欲望という名の電車」を観たりといったふうに、テネシー・ウイリアムズには少なからぬ関心をもっていた。
そうした記憶がこの番組で蘇ったようだ。
そこで妻から先に読むことにしたが、その面白さに一気に読み終えてしまった。
さらにその勢いで、今度は映画化された作品も観てみたいということになり、レンタルショップで探してみたが、残念ながら見つけることはできなかった。
代わりに見つけたのが「欲望という名の電車」であった。
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さっそく観てみたが、いやあー、すごい映画だった。
壮絶な人間ドラマ、悲劇ではあるが、見方を変えればある意味、喜劇でもあるかもしれないというドラマ。
どんどんとドラマの世界に引き込まれていき、人間の弱さ、残酷さ、愚かさがむき出しにされていくプロセスには身震いしてしまった。
主役のブランチを演じるのは、ヴィヴィアン・リー、この映画でアカデミー主演女優賞を受賞しているが、その受賞が頷ける迫真の演技であった。
あの世紀の美女ヴィヴィアン・リーが、その若さと美貌を失い、醜く堕ちていく悲劇の女性を渾身の演技で演じているが、これが彼女自身の映画人生最後の輝きでもあったのだ。
そしてその後の人生を考えるとき、その悲劇性に実人生が重なって見えてくる。
さらにブランチの妹ステラをキム・ハンター、その夫スタンレーをマーロン・ブランド、彼の友人ミッチをカール・マルデンが演じている。
キム・ハンターとカール・マルデンはこの演技で、ともにアカデミー助演賞を受賞、マーロン・ブランドは主演男優賞にノミネートされたが、惜しくも受賞は逃している。
彼はこの映画が事実上のデビュー作になるが、その存在感たるや、まさに他を圧倒するものがある。
この映画での彼の登場は、おそらく当時の映画界にあっては、センセーショナルな事件のようなものだったのではなかろうか。
そう思わせるほど荒々しい魅力に満ち溢れている。
いずれにしても4人の火花の散るような演技合戦は見応えじゅうぶん。
それだけでもこの映画を観る価値があるというものだ。
ちなみにヴィヴィアン・リーはロンドンの舞台公演でブランチ役を演じ、他の3人はブロードウェイで同じ役を演じている。
まさに適役ぞろいというわけである。
監督は、舞台でもこのドラマを演出したことのある名匠エリア・カザン。
彼はアクターズ・スタジオの創立メンバーのひとりで、1947年にはこの「欲望という名の電車」の舞台の演出をして大成功を収めている。
その実績に基づいた会心の映画化であった。

映画の冒頭に出てくる「欲望(Desire)」という名前のついた路面電車は、実際に当時のニューオーリンズを走っていたそうである。
ニューオーリンズには「欲望通り」や「極楽通り」といった風変わりな名前の通りがあり、そこをこの電車は走っていた。
この作品の執筆当時、テネシー・ウイリアムズはその「極楽通り」に住んでいたことから、この電車の名前を戯曲のタイトルとして使ったということである。
あまりにも内容とピッタリのタイトルなので、おそらくこれはテネシー・ウイリアムズの創作なのだろうと思っていたが、実在の名前だったとは。
ちょっとビックリである。


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天気がいいので河原まで散歩

天気がいいので、近くの河原まで散歩に行きました。
気温は10度くらいしかありませんが、陽射しのせいで、ぽかぽかと暖かいです。
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ロシェルを放してゆっくりと河原を散策しました。
草木の芽があちらこちらで顔を出し始めています。
春を実感しながらの散歩でした。
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ここから見える岩木山はきれいです。


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Tags: エッセイ・評論  

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久世光彦「マイ・ラスト・ソング 最終章」

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1992年「諸君!」4月号から連載が始まった「マイ・ラスト・ソング」は、2006年に亡くなるまでの14年間続いた久世光彦の長期連載シリーズである。
今回の「最終章」が出るまでには、「マイ・ラスト・ソング」、「みんな夢の中」、「月がとっても青いから」、「ダニー・ボーイ」と都合4冊が出版されており、これが5冊目の「マイ・ラスト・ソング」である。
「末期の刻(とき)に聴く歌を選ぶとすれば、どんな曲を選ぶだろう」という座興のような発想から生まれたシリーズではあったが、歌謡曲フリークの久世光彦にとっては、まことにふさわしいシリーズだったようで、これほど長期に渉る人気シリーズになったのである。
そしてこれだけの分量にまとまると、時代を捉えた見事な昭和史ともなっている。
「この連載が終わるのは、雑誌が廃刊になるときか俺が死ぬときだな」の言葉通り、2006年の死によって連載は終了したが、童謡や唱歌、洋楽から歌謡曲までの100を越える曲が選ばれている。
その一曲一曲に深い思い入れがこめられており、まるで上質の短編小説を読むような味わいがある。
またそれは時には単なる曲選びというだけではなく、あの時のあの人が歌った歌というような限定されたものも登場する。
たとえばそれは次のようなもの。

秋なら、四谷シモンである。そして四谷シモンなら「影を慕いて」である。
 たった一度しか聴いたことがないのだが、この人の「影を慕いて」は絶品だった。凄絶というか、妖異というか、あるいは静かな狂乱というか、とにかく聴いているうちに死にたくなるのである。まだカラオケがいまほど盛んではない頃の話で、小さな地下のクラブでシモンはギター一本の伴奏で歌いはじめたのだが、それまでザワザワしていた店内が、誰がどう制したわけでもないのに、いつの間にか静まりかえって、見るとシモンが蒼い頬に薄ら笑いを浮かべて歌っていた。怖いくらいにいい歌というものは、いつもどこか投げやりなところがあるものだ。私は、シモンがあの世を覗いて帰ってきたのかと思った。


昔状況劇場の芝居で、四谷シモンの歌を聴いたことがある。
この文章を読みながら、その時の情景が目に浮かんできた。
そして「死にたいと思った」久世光彦の気持ちに、痛いほどの共感をおぼえた。

さらに次のようなものもある。

他の歌を歌わなかったわけではなかったが、上村一夫と言えば「港が見える丘」だった。この歌を歌うために飲みに行くのではないかと思うくらい歌いたがったし、みんなも聴きたがった。ギターのコードは間違いだらけだったけど、この歌だけは他人の伴奏を嫌がって自分で弾いたし、またそれが絵になっていた。弾き語りというのはこういうことなんだと、私は上村の「港が見える丘」を聴くたびに思ったものである。思い入れ十分に泣くのではない。まるで秘かな猥歌のように、ヘラヘラ笑いながら唄うのである。それは、戦後のあのころならどの町にもあった汚いドブ川の水が、品のないネオンの色を映してゆっくり流れて行くような「港が見える丘」だった。


こういう文章を読んでいると、けっして聴くことはできないその歌を、無性に聴いてみたい衝動に駆られる。
そして歌というものは、そのシチュエーションによって、さまざまな色彩を帯びるものなのだということを、あらためて思うのである。

久世光彦はこうした歌を聴きながらさめざめと涙を流す。
というよりも泣きたいために歌を聴くのではと思わせるほど、その感傷に溺れようとする。
そしてその感傷の波が、読んでいるこちら側の記憶を刺激して、ともに感傷に耽ることになる。
それはとても心地いい読書体験である。
いつまでもその感傷に浸っていたいと思わせる。
最初に単行本化されて以来、このシリーズを読み続けてきたが、これで終わりとなると親しい友人を失ったような寂しさがある。
そのひとつひとつを噛み締めながら読んだ。
そしてこのシリーズを読むときには必ず思うことだが、自分にとっての「マイ・ラスト・ソング」とはいったいどんな曲だろうということを、またあらためて考えてしまうのである。


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Category: 読書

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絲山秋子「ばかもの」

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小説「ばかもの」を読了。
絲山秋子の小説を読むのはこれが2冊目。
最初に読んだのは芥川賞を受賞した「沖で待つ」。
それを読んだときは、あまり印象に残らなかったが、「ばかもの」は面白くて、一気に読んでしまった。
とくに主人公がアル中になり、そこから抜け出すまでが、圧倒的な面白さ。
なるほどアル中の人間の心理とはこういったものなのか、と納得させられる描写が延々と続き、とてもスリリング。
そしてラストの着地の仕方にも納得。
ただ悲惨なだけの話で終わらないのが、うまさというものだろう。
最後に呟く「ばかもの」にこめられた万感の思いに、思わず胸が熱くなってしまった。


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映画「ほっこまい 高松純情シネマ」

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「ほっこまい 高松純情シネマ」という映画を観た。
映画マニアの高校生が友人たちといっしょに映画を作るという青春物語、1970年代前半の香川(高松)を舞台にした映画である。
現在FM香川でナビゲーターを務める帰来雅基のエッセイ集「高松純情シネマ」が原作。
この本は「70年代の映画と青春」をテーマに2001年に出版されたもの。
ちょうどその頃、本屋で偶然この本を見つけ、同郷の映画ファンとしてシンパシーを感じてこの本を買った。
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著者の帰来雅基は昭和30年生まれなので、7歳年下である。
いささか時代のズレはあるが、同じように映画に熱中した者として、愛着を感じながら読んだ憶えがある。
その本が原作となって映画が作られ、DVD化されてレンタルショップに並んだ。
さっそくレンタルしてきたというわけである。

監督は帰来雅基の元同級生、高嶋弘。
彼がエッセイ集「高松純情シネマ」をもとに書いたシナリオを、2007年の「さぬき映画祭」に応募、優秀企画として入選したことから映画化が実現した。
さらにもうひとりの同級生である女優の高畑淳子が、この映画にゲスト出演をして花を添えている。
全編讃岐弁、高松市内オールロケ(一部岡山でのロケもあり)で1970年代の高松を再現している。
上映時間50数分の自主製作映画ではあるが、いわば彼らの同窓会とでも呼びたいような側面をもった映画であり、青春のほろ苦い思い出を記録しようとした映画でもある。
そういった意味では、映画の出来不出来はこの際問題ではなく、彼らの情熱がこうして映画として結実したという事実に、素直に拍手を贈りたい。

ところで同じ時代の香川(10年のズレはあるが)を舞台にした映画に大林宣彦の「青春デンデケデケデケ」がある。
こちらは西の観音寺市が舞台。
ともに映画や音楽に熱中した高校生を描いたという共通点がある。
これで香川の東西の青春映画が揃ったことになる。
ちょうど両市の中間に位置する町で高校生活を送った身としては、これらの映画に限りない愛着を覚えるのである。


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エリザベスカラー

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ロシェルは一昨日からエリザベスカラーをつけています。
皮膚にただれができたので、それを舐めるのを防ぐための処置です。
亡くなったラブのときに買ったものですが、今になって役に立つことになりました。
最初は嫌がったのですが、すぐに慣れてしまいました。
おかげで患部もだいぶよくなってきました。

ちなみに「エリザベスカラー」というのは、イギリスのエリザベス朝時代に貴族の間で流行した分厚い襟に似ていることからつけられた名称です。


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プロフィール

cooldaddy

Author:cooldaddy
住んでいるところ:青森県弘前市
出身地:香川県
年齢:今年(2008年)還暦です。
性別:男

還暦という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
趣味のこと、生活のこと、心に残ったことなど、My Favorite thingsを、気ままに書いていこうと思います。
末永くおつき合いください。

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