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風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 読書

Tags: 中野翠  エッセイ・評論  

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中野翠「今夜も落語で眠りたい」

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コラムニスト中野翠が落語ファンということを、この本で初めて知った。
それも20年以上にわたって毎晩落語のテープやCDを聞きながら寝ていたというほどの落語ファンなのである。
モダンな洋モノ好きの中野翠と落語の取り合わせは、最初はちょっと意外に思えたが、考えてみると小津や成瀬といった古き日本映画や時代劇を好むという側面をもっている中野翠が落語にはまってもけっしておかしな話ではなく、むしろそれが当然の道筋なのかもしれないと、妙に納得してしまった。

そもそもの落語にはまったきっかけは、1985年暮れにTVで見た古今亭志ん朝の『文七元結(ぶんしちもつとい)』との出会いにあった。
その出会いはまさに「目からウロコ」であり、以来むさぼるように古典落語を聴きまくったのである。

彼女がこの本で書く落語の魅力を語った言葉をためしに拾ってみると、次のようなものがある。

「人生の後半、いや終盤になるほどネウチがわかる娯楽。いろいろな意味で、落語こそ最終娯楽―――と私は思っている。」

「落語ってバカの豊かさを描いたものじゃないのかな」

「落語とは、まったく、何と奇妙な芸能なのだろう。すべてをギリギリまで省略し、単純化して行って、逆に豊かな世界を生み出してしまうのだ。ミニマリズムの極地じゃないか。洗練の極みではないか。要するに聴き手の想像力を信頼しているのだ。日本では江戸時代からずぅっと、名もない庶民がこんな高度な芸能を楽しんで来たのだ。」

語られる落語家は、志ん生、文楽をはじめ志ん朝、馬生、円生を中心に小さん、正蔵、柳橋、三木助といったぐあいに、著者自ら「好みは偏っている」と書いているものの、落語への愛がいっぱい詰まった本なのである。
そして「なるほど、そういうことだったのか」と思わず頷いてしまうようなフレーズに出会える楽しみを味わえる本でもある。
落語ファンにはオススメの一冊である。


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テーマ : お気に入りの本  ジャンル : 本・雑誌


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還暦(10年前)という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
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