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風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 読書

Tags: 時代小説  短編小説集  

山本周五郎「人情裏長屋」

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先月、父の葬儀で実家へ帰った際、寝台列車のなかで読もうと買ったのが、山本周五郎の「人情裏長屋」という文庫本でした。
昭和初期から戦後にかけて書かれた作品を集めた短編集で、長屋ものを中心に収められたものです。
長屋ものは「庶民の作家」と呼ばれた山本周五郎が得意とする分野で、自ら裏長屋に暮らした体験や、さらには講談、落語などに親しんだ経験を生かして、長屋の生活を活き活きと描いています。
そこで暮らす貧しいながらも真っ正直に生きようとする人々の清々しく、そして潔い姿に心洗われました。

山本周五郎の小説は20年以上前に、夢中になって読んだ時期がありましたが、最近はほとんど読むことはありませんでした。
でも、またこうして読んでみると、やはりそのよさは色あせることなく、いいものはいつ読んでもいいものだと、ごく当たり前のことを、あらためて思ってしまいました。
落語の滑稽話のような話もあれば、人情話もあり、全盛期の東映時代劇を髣髴とさせるような物語に、心が温かくなり、幸せな気持ちでいっぱいになりました。
なかでも「泥棒と若殿」という物語には、ジーンとさせられ、寝台車のなかで思わず泣いてしまいました。
不遇のうちに生きてきた人間同士の触れ合いと人情の美しさに、自然と涙がこぼれたのです。
心地よい感動に寝るのも忘れ、ゆれる列車のなかで、しばらく余韻に浸っていました。

本屋で何気なく手にし、時間つぶしのつもりで買った本でしたが、大当たりでした。
ところが帰宅後、なにげなく本棚を覗くと、そこに同じ本があったのには驚いてしまいました。
おそらく以前買ったものの、読まずにそのまま置いてあったものと思われます。
間の抜けた話ですが、こんなことも、まぁ、たまにはありますね。
ちょっと落語の「落ち」のような話になってしまいましたが、「人情裏長屋」紹介の終わり方としては、ちょうどお誂えむきだったかもしれません。

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テーマ : オススメ本  ジャンル : 小説・文学


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