風に吹かれて

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清左衛門残日録

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先日書いたことの続きだが、テレビドラマ「清左衛門残日録」のDVD6枚すべてを観終わった。
内容は全14話とスペシャル版の「仇討ち! 播磨屋の決闘」である。
宅配でDVDが2枚づつ送られてくるのだが、観終わると返却し、それが向こうに着くと折り返し次の2枚が送られてくるというシステムであるが、届くまでの何と待ち遠しかったことか。
一刻も早く続きが観たくてたまらない。
それほど夢中になって観続けたのである。

このドラマは、1993年(平成5年)にNHKの「金曜時代劇」で放映されたもの。
その時何本か観た覚えがあるが、見逃したものも多く、今回すべてを通して観て、また改めてその佳さに感じ入った次第である。

何と云っても清左衛門を演じた仲代達矢が素晴らしい。
彼以外にこの三屋清左衛門役は考えられないと思えるほどの適役である。
元用人という重厚さだけではなく、時にコミカルな面も見せながら、人間的に深みのある三屋清左衛門を、これ以上はない見事さで演じている。
さらに彼の無二の親友、佐伯熊太を演じる財津一郎がまた、これに負けず劣らずの適役である。
ふたりの軽妙なやりとりを聞いているだけで思わず口元が綻んでくる。

そして彼らにからむ二人の女性、涌井の女将を演じるかたせ梨乃、そして清左衛門の息子の嫁、里江を演じる南果歩、その艶やかさと優しさがドラマの大きな彩りとなっている。
また竹馬の友を演じた佐藤慶と河原崎長一郎もいい。
佐藤慶が演じたのは金井奥之助、清左衛門とは元同僚で、道場にともに通った旧い友人である。
しかし政争でついた側が失脚したために家禄は減らされ、以来貧しい不遇の人生を送ることになった。
ふたりは30年ぶりで再会したが、用人にまで出世した清左衛門との間には越えられないほどの差がついており、それを恨みに思う奥之助は一緒に釣りに出かけた磯で清左衛門を海に突き落とそうとする。
しかし誤って自分が落ちてしまう。
清左衛門に助けられた奥之助は次のような言葉を洩らす。
「許してくれとは言わぬ。助けてもらった礼も言いたくない。それでも、むかしの友人という気持ちが一片でも残っていたら、このままわしを見捨てて帰ってくれ。もう二度と、貴公とは会わぬ」

河原崎長一郎演じるのは、大塚平八。
清左衛門や熊太とは幼馴染、道場仲間である。
しかしふたりとは違って特にこれといった人に誇れるような能力があるわけではなく、ごく平凡な男である。
そんな彼が小心翼々として家禄を守り抜き、隠居の身となった。
そしてようやく静かで落ち着いた生活が始まったという矢先に中風で倒れてしまう。
不運を絵にかいたような男だが、彼と清左衛門、熊太との少年時代と変わらぬ胸襟を開いた親しい交流には深い滋味があり、ホッとして泣かされてしまう。

こうした俳優たちの熟達の演技に酔い、そして様々な人間たちの人生の機微と哀歓を味わうことのできた楽しい日々であった。
「日残リテ昏ルルニ未ダ遠シ」仲代達矢が読むこの言葉と、「人は命ある限り生き続けなければならない」というセリフが、今も鮮明に耳に残っている。


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DVD宅配レンタル

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最近家内が藤沢周平の小説を読み返している。
先日「三屋清左衛門残日録」を読み終えた後、その小説の話でひとしきり華が咲いた。
その際、昔観たテレビドラマ「清左衛門残日録」のことを思い出して話したところ、家内はそのドラマのことは知らなかった。
ぜひ観てみたいということになったので、レンタルビデオ店を数軒探してみたところ、どの店にも置いていない。
半ば諦めかけたが、そこでふと思いついたのが、TSUTAYAがやっている宅配レンタルのことであった。
探してみると、このドラマの在庫はある。
しかも1か月のお試し期間というのがあり、それを利用すると無料でレンタルができる。
さっそく申し込むことにした。

数日すると商品が届いた。
いちどに借りられるのは、2枚まで。
観終わって送り返すと、折り返しまた新たに2枚が送られてくるというシステムである。
「清左衛門残日録」は6巻まであるので、後2回これを繰り返すことになる。
便利なものである。
というわけで家内とふたり、このドラマを観て毎晩楽しんでいる。


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「半沢直樹」最終回

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数々の話題を呼んで迎えた「半沢直樹」の最終回、その視聴率が昨日発表された。
関東地区で42・2%、関西地区で45.5%。
さらに瞬間最高視聴率は50・4%というもの。
驚異的な数字である。
そしてその数字通りに、最終回は緊迫感あふれる展開だった。
なかでも大和田常務(香川照之)の不正を暴く取締役会でのシーンは最高の見せ場であった。
100倍返しがどうやってなされるのか、固唾を呑んで見つめた。
そして最後は半沢が大和田常務に土下座を迫る。
しかし容易に応じようとはしない。
苦悶に全身を震わせる大和田常務。
そこに半沢の涙を流しながらの絶叫が覆いかぶさる。
「やれー!大和田!」
息を飲む圧巻のシーンであった。



そしてラストの中野渡頭取(北大路欣也)の裁決へと続いていく。
ここで思いもよらない人事が言い渡される。
大和田常務は、取締役として残留、半沢は子会社「東京セントラル証券」へ出向というもの。
これには正直驚きととまどいがあった。
これほどの働きをした半沢に、なぜこのような仕打ちがなされるのか。
そうした感想は多くの人が抱いたようで、ネット上でもこのことについての意見が飛び交った。
続編があるかもしれないという含みを持たせた演出なのではないか。
いちばんの悪は、実は中野渡頭取なのではないのか。
そうしたさまざまな感想や憶測が寄せられていたが、実際この裁決には首を傾げざるを得ないものがある。
それでもこれは原作どおりの結末だそうだ。
そうは言っても、どうしても割り切れないものが残ってしまう。
そんな時、ネットで次のような解説に出会った。
それを読んでなるほどこういう見方もあるのだと、幾分もやもやしたものが晴れた。
参考までに引用しておくことにする。
同じような感想を持った人たtには、幾分かでも参考になるのではなかろうか。

まず大和田常務の降格残留だが、金融庁検査のあと、定例の役員異動でもない時期に常務の更迭ということになれば大問題である。
またそのことで内部スキャンダル発覚となれば、全体への影響があまりにも大きい。
大和田常務は問題も多いが、銀行員としては実績もあり、仕事も出来る。
そこで寛大な措置をとって残留させ従順な部下として使うことができれば、彼の出身母体の行員たちも大和田同様上司に従順になり、中野渡政権は安定する。

いっぽう頭取の制止を振り切り、多くの役員の前で大和田に土下座させた半沢は、いかに能力はあろうとも銀行という組織においては異分子であり、危険このうえない人物ということになる。
また金融庁からも問題視された彼をいったん異動を命じることで、金融庁への申し開きもできる。
またこうした冷却期間を置くことで、本人への反省を促すことにもなる。
そしてその後昇格をさせて銀行に戻すことで、より強力な銀行マンとして腕を振るわせることができる。
そうした含みがこの人事にはあるのではないかという。

結果的に見れば、半沢はやり過ぎたということになるのかもしれない。
しかしそれこそがこのドラマの魅力であり、ここまで視聴者を惹きつけてやまなかった最大の要因でもある。
大人しい半沢直樹など見たくもないのである。
銀行という組織においては現実にはここまでのことができないからこそ、やり過ぎるほどの男、半沢直樹に惹きつけられたのである。
どこまでも型破りの男でいてほしい、そして自分たちにはけっして出来ないことを、とことんやって不正を正して欲しいというのが、視聴者の偽らざる願いなのである。

いずれにしても、このままでは終わらないのではないと予感させるものが、このラストからは伝わってくる。
果たして続編が作られることになるのかどうか、確かな情報はまったくないが、ファンとしては、さらなるドラマが展開されることを期待を込めて願っているのである。


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テレビドラマ「半沢直樹」

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話題のドラマ「半沢直樹」を先日初めて観た。
高視聴率を稼いでいるということで、何かと話題のドラマだが、これまで観ることはなかった。
ところが先日何気なくテレビを眺めていると、突然「半沢直樹」が始まった。
何曜日の何時に始まるのかさえ知らなかったので、偶然の遭遇ということになる。
なるほどこれが話題の「半沢直樹」なのかと、何気なく観始めたが、その面白さにあっという間に引き込まれてしまった。

原作は池井戸潤の「オレたちバブル入行組」と「オレたち花のバブル組」。
彼の小説は4月に「下町ロケット」を読んだばかりである。
これが予想以上の面白さだった。
それを家内に話したところ、彼女も続いて読んだ。
以来その面白さにとり憑かれたようで、彼の小説を次々と読んでいる。
これまでにリクエストされて図書館で借りてきたのは、「空飛ぶタイヤ」「鉄の骨」「不祥事」「金融探偵」「果つる底なき」「MIST」「七つの会議」「オレたち花のバブル組」、そして今は「オレたちバブル入行組」を読んでいる。
そんなとき偶然NHKで「七つの会議」が、そしてTBSで「半沢直樹」が始まったのである。
こうした経緯からいけば、ドラマは間違いなく観るのが自然な流れということになるのだろうが、残念ながらそうはならなかった。
別に取り立ててこれといった理由があるわけではなく、何となくそうなってしまったというだけのことなのだが。

ところがいちど観始めたら、その面白さにすっかり嵌ってしまった。
銀行を舞台にしたドラマとなると、どうしても地味なドラマを想像してしまうが、このドラマはそうした印象を覆す面白さであった。
善悪や人物造型がハッキリしており、しかも脇道に逸れることなく単刀直入に話が進んでいく。
しかも劇画調のメリハリの利いた演出で、どんどんとドラマが盛り上がっていく。
さらに主人公である半沢直樹を演じる堺雅人がいい。
幼少時に受けた悲惨な記憶を内に秘めながら、銀行内外の不正に切れ味鋭く立ち向かっていく姿には理屈抜きに見惚れてしまう。
硬軟併せ持った彼のキャラクターにぴったりである。
だが原作を読んだ家内の話だと半沢直樹はもっとドライな印象で、堺雅人というよりも堤真一というイメージだそうだ。
また小説の展開ももっと静かなものだという。
それがテレビドラマになると俄然色合いの違ったものになっている。
テレビ向けに飽きずに見せるという工夫がなされているためだろうが、それがいちいち的を得ているわけである。
また脇役も曲者ぞろいで、今回の出演者だけに限っていいえば、常務役の香川照之や銀行から電機会社に出向させられている近藤役の滝藤賢一が印象に残る。
とくに銀行と会社の板ばさみになりながらパワハラを受ける滝藤賢一の演技は迫真に満ちており、戦慄を覚えるほどであった。
そういえば彼は映画「ゴールデンスランバー」で堺雅人とふたりで同一人物の過去と現在を演じ分けた役者であった。
そのときの姿も強く印象に残っている。
また香川照之も昨年の映画「鍵泥棒のメソッド」で堺雅人と人物が入れ替わるという役を演じたばかりである。
いずれも堺雅人とは因縁浅からぬ役者ということになる。
そういうわけで「ゴールデンスランバー」や「鍵泥棒のメソッド」を思い出しながらドラマを観たのであった。
今後彼らを含めた物語がどのように展開していくのか、そしてどんな倍返しが行われるのか、これでまた楽しみがひとつ増えた。


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てっぱん

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最近家内がはまっているテレビドラマ、NHK朝の連続テレビ小説「てっぱん」である。
先々月あたりにたまたま観て以来はまってしまい、以後毎日欠かさず熱心に観続けている。
毎朝この時間になると、ドラマの主題歌が流れてくるのが、最近のわが家の朝の風景になっている。
おそらく全国の多くの家庭でも、同じ風景がくり広げられていることだろうと思う。
そのドラマも今月いっぱいで終了である。


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風のガーデン

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先々週から続けて観ていた、テレビドラマ「風のガーデン」をようやくぜんぶ観終わった。
レンタルショップでは、いつも貸し出し中のままで、なかなか借りることができなかった「風のガーデン」だったが、先日たまたま行ってみると、ラッキーなことに7話以降最終回までがすべて揃っていたのである。
さっそく全部借りてきた。
そして最後までいっきに観たのであった。
「風のガーデン」は、最近では数少なくなった良質の大人のドラマである。
観ながら何度涙を流したことか。
テレビドラマでこれほど涙を流したのは、ほんとうに久しぶりのことである。
生きること、死ぬことについて真剣に考えさせられる深刻な内容でありながら、ときにシリアスに、ときにメルヘンチックに、そしてときに笑いを交えるという緩急自在な描き方に、どんどんとドラマの世界へと引き込まれていった。
そして観終わったあとは、心地いい充足感にいつまでも浸っていた。

このドラマは倉本聰の書く脚本のよさはもちろんのこと、ディレクターである宮本理江子の演出が、脚本のよさをさらに引き出す冴えをみせていた。
倉本聰の作品といえば映画「冬の華」と「駅 STATION」がすぐに思い浮かぶ。
どちらも降旗康男監督、高倉健主演の映画で、今でもさまざまな名シーンをすぐに思い出すことができる、印象深く、大好きな映画であった。
しかしテレビドラマのほうは、「北の国から」も「優しい時間」も残念ながら観ていない。
どちらのドラマもこちらではリアルタイムで放送されなかったということもあるが、このドラマ放送当時に倉本聰が主宰していた「富良野塾」の妙に熱を帯びた活動に違和感を感じていたこともあって、いささか避けていたというところもあった。
こちらの勝手な思い込みと偏見にすぎないのだが、こうした真っ直ぐに突き進む集団の熱気というものは、どうも苦手で、そうしたことも手伝って、彼の作品を敬遠していたのである。
そういうわけで富良野を舞台にしたドラマを観るのは、これが始めてであった。

フジテレビ開局50周年の記念ドラマとして作られたこのドラマは、かなり力の入ったドラマ作りをしたようだ。
たとえば主な舞台となるイングリッシュガーデンは、ドラマが撮影される2年前から作られたということである。
さらにそこには300種以上の花が植えられ、それぞれの開花時期に合わせて撮影をしたそうだ。
またこれが緒形拳最後の出演作品となったことも、このドラマを特別なものとしている。
彼が演じる町医者が淡々と死について語る場面は、涙なくしては観ることができなかった。
死を間近に控えた彼の放つ特別なオーラが出演者全員に伝わって、それぞれの最高の演技を引き出すことになったのではなかろうか。
なかでも主役の中井貴一の鬼気迫る演技がことのほか印象に残るものだっただけに、そうした想像が果たして当たっているかどうかは別にしても、自然と想像させられることになったのである。

ところでこのドラマは「ガーデン」が重要な舞台となっていいることから、1話ごとにタイトルに花の名前が付けられていた。
第一話から順番に書いていくと、「スノードロップ」、「エゾエンゴサク」、「タイム」、「ゲラニウム」、「カンパニュラ」、「デルフィニウム」、「サポナリア」、「フロックス」、「ラムズイヤー」、「ユーフォルビア」、「ナツユキカズラ」。
そしてそれぞれの花に倉本聰がユニークな花言葉を独自に考案しており、ドラマのなかで緒形拳演じる医師・白鳥貞三が作り出した花言葉として使われている。
面白いと思ったので、最後にそちらも書いておく。

「スノードロップ」(去年の恋の名残りの涙)
「エゾエンゴサク」(妖精たちの秘密の舞踏会)
「タイム」(冬の天使の 涙の跡)
「ゲラニウム」(大天使ガブリエルの哀しいあやまち)
「カンパニュラ」(花園の小人の禿かくしの帽子)
「デルフィニウム」(大天使ガブリエルの蒼いマント)
「サポナリア」(大天使ガブリエルの飼い猫)
「フロックス」(妖精たちの新盆の迎え火)
「ラムズイヤー」(生まれたばかりの孫の耳たぶ)
「ユーフォルビア」(乙女の祈り)
「ナツユキカズラ」(今年の冬に、降る筈の雪)


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歌謡コンサート「作曲家・浜圭介の世界」

昨夜の歌謡コンサートは「作曲家・浜圭介の世界」だった。
浜圭介ファンとしては見逃せない番組だ。
晩酌をやりながら、酒と歌に心地よく酔った。
出演歌手は出演順に八代亜紀、細川たかし、奥村チヨ、北原ミレイ、森昌子、前川清&クール・ファイブ、高山厳、堺 正章、ジェロ、石川さゆりといった豪華なメンバー。
そして最後は浜圭介自身が「昭和最後の秋のこと」を歌って締めくくった。
浜圭介の世界をたっぷりと堪能した夜だった。

以前浜圭介について書いた記事がこちらにあります。参考までに。


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ありふれた奇跡

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お盆休みの12日に映画2本を観たことは前回のブログに書いたが、そのときの1本、「おとうと」に加瀬亮が出ていた。
映画を観終わった後、無性に彼の映画を観たくなり、レンタルショップに出かけたが、彼の出演映画はそれなりに観ていることもあって、なかなかいいのが見つからない。
そこでふと思い出したのが、テレビドラマ「ありふれた奇跡」であった。
青森県での本放送はなかったが、再放送で平日の昼間に流されていたのをたまたま目にしたことがあり、機会があれば他の回のものも観てみたいと思っていたドラマである。
これを借りることにした。
これはフジテレビ開局50周年を記念して2009年に作られたドラマで、山田太一が12年ぶりに連続ドラマの脚本を手がたことでも話題になった。
1話45分のドラマが11話まで続く。
12日の午後から観始めて、次の日の午後には全巻を観終えた。
都合8時間25分をかけて観通したわけだが、そんなに長時間観ていたという実感はなく、あっという間の8時間25分だった。
それほど中身の濃い、そして見応えのある内容だった。
山田太一のドラマといえば、過去に「岸辺のアルバム」や「沿線地図」、そして「男たちの旅路」「シャツの店」といったところが思い浮かぶ。
それらのドラマをリアルタイムで、夢中になって観ていたことを思い出した。
どのドラマも人間の描き方が素晴らしく、これほどきめ細かく人間を見つめる作家もそう多くはない。
とにかく彼が作り出すドラマはどれひとつとして期待を裏切るものはない。
信頼性の高い作家である。
今回観た「ありふれた奇跡」もそうしたドラマのひとつだが、彼の作品群のなかにあっても代表作のひとつになるのは間違いがないだろう。
それが観終わった後の感想であった。

ところでお目当ての加瀬亮だが、これがテレビドラマ初出演ということである。
意外な感じがするが、そういえばテレビドラマに出演している彼を観たことはない。(それほどテレビドラマを数多く観ているわけではないが)
彼がテレビドラマ初出演を決めたのは、このドラマのシナリオが山田太一だったということが大きかったようだ。
だが考えてみればこのドラマの主人公、翔太を演じられるのは彼しかいないだろう。
心に深い傷をもち、社会に適応しにくく、優柔不断、だがその反面家族思いの優しさや人の痛みの分かるナイーブな側面をもつ青年、翔太はやはり加瀬亮をおいてほかにはいない。
そう思ってしまうほど、この役柄は彼にぴったりであった。
そして相手役、中城加奈を演じたのが仲間由紀恵。
これもぴったりの配役で、華があり、このドラマがふたりの魅力に負う所、大であったと、ドラマを観ながら強く納得したのである。
さらにこれは同時に彼らを取り巻く家族のドラマでもある。
その家族を演ずるのは井川比佐志、風間杜夫、戸田恵子、岸部一徳、八千草薫といった芝居上手な俳優たち。
そしてその家族に陣内孝則、松重豊らが関わってくる。
彼らにはそれぞれに悩みや悲しみがあり、また家族に知られたくない秘密を抱えながら生きている。
そしてそれぞれ懸命に生きている。
そうした姿を見ているうちに、彼らが言いようもないほど愛おしくなってくる。
そして切なく、また時にたまらなく幸せな気分にもなってくる。
こうやって書いているうちにまたもういちど観なおしてみたいという気になってきた。

最後に山田太一の言葉を添えて、この記事を終わろうと思う。

これは“死のうとしたことがある人”の物語です。一般的にそんな経験のある人はマイナスのイメージを持たれてしまいがちですが、僕はマイナスを抱えている人は、それだけ人の苦しみに対する感度がいいと思うんです。だから、元気いっぱいではなく何かしらマイナスを抱えている人たちに魅力を感じたのです。
物語は、それまでまったく面識のない男女が1人の死のうとしている男性を助けるところから始まります。普通、“これから死のうとしている人”なんて見ているだけではなかなかわからないし、異変に気づいたとしても「あれ?」と思うくらいで助けることはない。でも、この男女はそれを敏感に察知し、助けようとします。それは2人がマイナスを背負っている人間だったからです。
同じようにマイナスを抱えている3人ですが、2人の男女と1人の男には大きな違いがあります。2人は死のうとしたけど、結局は死ななかった。つまり、生きようとした。その事実が、どういう形で周りの人を巻き込んで、ラストシーンまでいくのか。楽しみにしていてください。








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テレビドラマ「火の魚」

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NHK BS2で放送されたテレビドラマ「火の魚」を観た。
原作は室生犀星の小説、2009年にNHK広島放送局が制作したドラマで、平成21年度の文化庁芸術祭大賞を受賞した作品である。
またモンテカルロ国際テレビ祭ではテレビ映画部門最優秀賞を受賞している。
今回の放送は、この1年間に主なテレビコンクールで受賞した作品をダイジェストで紹介する「ザ・ベスト」という特別番組枠での再放送であった。

世間から取り残されたようにひとり暮らす老小説家と、女性編集者との交流を描いたドラマである。
それが瀬戸内海の小さな島を舞台に繰り広げられる。
かつては華々しく活躍していた小説家の村田省三(原田芳雄)も今は年老い、故郷の島に戻って、細々と連載の官能小説を書いている。
そこへ新しく担当者になった女性編集者、折見とち子(尾野真千子)が予告もなく突然現れる。
「お前なんかに俺の原稿は渡さない!いつもの編集者を寄こせ!」と突っぱねるが、彼女は意に介さない。
そんな凛とした態度を見せる彼女に、老作家はしだいに興味を示し始める。
そしてふたりの奇妙な交流が始まるのである。

いろいろと印象に残るシーンがある。
まず老作家が彼女を認めるきっかけになった、砂浜に海草で描かれた巨大な「竜」の絵。
彼女の並々ならぬ絵心を知るというシーンである。
また大学時代に人形サークルで美術を担当していた彼女が、村田のリクエストに応えて、寺の境内で島の子供たちを集めて「幸福の王子」や「一寸法師」「浦島太郎」の影絵を上演するシーン。
この場面を見ているうちに、子供時代に同じようなシチュエーションで人形劇を見た記憶が蘇ってきた。
さらに連載中の小説の評価についてふたりが火花を散らすシーン。
村田から連載小説についての感想を求められた折見が、社交辞令で「素晴らしい出来ばえです」と答えるが、それに対して村田は「バカにするな!」と一喝する。
「俺の本なんて一冊も読んだことないだろう!」と迫る村田に対して、折見は毅然として「お言葉を返すようですが、先生の本はすべて拝読させて戴いております。」
そして「かつてあれほど素晴らしい小説を書いていた先生の作品にしては、これはあまりにもひどい、我慢がならない」と酷評する。
さらに「島に移られて以降の小説はとくにだめだ。」とずばり本質を言い当てる。
実際そのとおりであった。
30代で直木賞を受賞した村田は、42歳で代表作「陰影」を書いた。
そして放蕩無頼で華々しい作家生活を送っていたが、ある時胃に腫瘍が見つかった。
一時は死をも覚悟したが、幸いにもそれは良性の腫瘍だった。
以後彼はいっさいの虚栄を捨て、故郷である島に戻ってきた。
だが闘うことをやめてしまった彼の作品は、形骸化したものになった。
それを折見からズバリ指摘されたのである。
それを聞いた彼は、今書いている小説を突然終わらせてしまう。
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これに続いてのエピソード、金魚の魚拓をとるという場面へと続いていく。
終了した連載小説の単行本化に際して、装丁をどうするか、と聞かれた村田は、小説のモデルになった金魚の魚拓をとることを提案する。
そしてその役目を折見に命じたのである。
魚拓をとるということは、金魚は死んでしまうことである。
躊躇する折見だったが、「しょせん人生ってのは、自分が魚拓にされるまでの物語だ。実に意外で、ひどく残酷なものなんだよ。」と言い放つ村田の言葉に、折見は魚拓をとることを決意する。
折見が涙を流しながら魚拓をとるシーンはこのドラマのクライマックスである。
それは無残で痛々しくはあるが、また美しい場面でもある。
そしてこれをきっかけに、折見が村田の前に姿を現すことはなくなり、ラストの再会シーンへと進んでいく。

ごく短い作品(1時間弱)ではあったが、見応えのあるドラマだった。
ふたりのバトルとも思えるような会話のなかから、ふと浮かび上がってくる命の輝きに深く魅せられてしまった。
老作家を演じる原田芳雄と女性編集者を演じた尾野真千子のふたりが素晴らしい。
かつては栄光に包まれていたが、今はただ頑迷で人を近づけようとしない孤独な男、それでいて寂しがり屋で、そうした弱みを見せようとはしない男を、原田芳雄はユーモアを交えながら絶妙に演じている。
また控えめながらも芯の強さを隠し持った女性編集者を尾野真千子が魅力的に演じており、このふたりのやりとりをいつまでも見ていたい気持ちにさせられた。
さらに舞台となった瀬戸内海の小島の風景が懐かしく、その効果も手伝って忘れられないドラマになった。
こういうドラマを観た後は、妙に人恋しくなるものだ。


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今日は一日“戦後歌謡”三昧

今、NHK FMの「今日は一日“戦後歌謡”三昧」という番組を聴いている。
午後0:15~10:45まで延々10時間以上も放送されるという番組である。
たまたまラジオを点けたらやっていたもので、聴きだしたら途中でやめられなくなってしまった。
司会は立川志らくと加賀美幸子。
大の歌謡曲フリークである立川志らくの話が詳しくて、おもしろい。
昭和歌謡のよく知られた名曲からコアな曲まで、つぎつぎと流れて、飽きずに聴き続けている。
珍しいところでは、つい先ほど八代亜紀がカヴァーで歌った「リバーサイド・ホテル」が流れたが、井上陽水の歌とはまた違った味わいがあってなかなかいい。
興味深く聴いた。
今は美樹克彦の「花はおそかった」が流れている。
最後に「ばかやろー」と叫んで終わる、あの歌である。懐かしい。
この後どんな曲がどのくらいかかるのだろう、楽しみだ。
歌謡曲一色の一日である。


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プロフィール

cooldaddy

Author:cooldaddy
住んでいるところ:青森県弘前市
出身地:香川県
年齢:今年(2008年)還暦です。
性別:男

還暦という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
趣味のこと、生活のこと、心に残ったことなど、My Favorite thingsを、気ままに書いていこうと思います。
末永くおつき合いください。

映画サイト「マイ・シネマ館」もやっています。
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