FC2ブログ

風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 外国映画

Tags: 西部劇  クリント・イーストウッド  

Comment (0)  Trackback (0)

映画「許されざる者」

yurusarezaru.jpg

西部劇という型にはまらない西部劇、異色の西部劇である。
テレビ映画「ローハイド」に始まり長年西部劇にこだわ続けてきたクリント・イーストウッドが、自身最後の西部劇として監督・製作・主演して撮った作品。

ここに登場する主人公ウィリアム・マニーは、イーストウッドがこれまで演じてきたようなヒーローではない。
かつては列車強盗や保安官殺しで名を馳せた無法者である。
しかしそんな彼が、愛する女性と出会って家庭をもち、銃を捨てて農夫となった。
そしてふたりの息子にも恵まれた。
だがそうした穏やかな生活も長くは続かず、3年前に妻は亡くなり、農業の収穫も少なく、今は貧困にあえいでいる。
そんな彼が、貧困から抜け出すために、再び銃を手にするというのが主なストーリーである。

しかし長年銃を持つことから離れていたため腕は落ち、狙った的に当てることができない。
さらにまともに馬を乗りこなすこともできない。
このあたりの不様で情けないイーストウッドの姿が微笑ましい。
そんな年老いたガンマンが、果たして賞金稼ぎのために荒くれ者たちと戦うことができるのか。
危うさを抱えたまま、相棒ネッド(モーガン・フリーマン)と経験の乏しい若者と連れ立って、目指す町へと乗り込んでゆく。
そこで待ち構えるのは、ジーン・ハックマン演じる保安官リトル・ビル。
正義のためにはどんなことをしても許されると考える人物である。
そんな独裁的で危険な保安官相手に、老ガンマンが戦いを挑んでゆく。
無謀とも思えるその戦いの顛末は、果たして如何に?

人間は正義と悪というふうに単純に色分けできるものではないとの認識のもとに、この映画は作られている。
絶対的な悪が存在しないと同時に、絶対的な善も存在しない。
人間のもつ多様性を勧善懲悪を常とする西部劇の中で描こうとした。
それはイーストウッドがこれまで関わって来た西部劇のなかで描かれてきた善と悪という単純な構造の世界とは異なるもの。
そうした構造をいちどぶっ壊し、再構築してみたのがこの映画である。
そこにイーストウッドの衰えることのない作家精神の輝きを見ることができる。

この作品はイーストウッドの映画作りの師となった2人の監督、セルジオ・レオーネとドン・シーゲルに捧げられている。


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
  ↑ クリック、お願いします。 ↑
スポンサーサイト





Category: 外国映画

Tags: 西部劇  クリント・イーストウッド  

Comment (0)  Trackback (0)

映画「荒野の用心棒」

koya.jpg

1964年にイタリアで制作されたマカロニ・ウェスタン、監督はセルジオ・レオーネ、そして音楽はエンニオ・モリコーネ。

黒澤明の「用心棒」をベースに作られたイタリア版西部劇だが、黒澤明の許可を得ないままの映画化だったため、公開後盗作問題になる。
結局和解して問題は解決されるが、社会問題として大きく取り上げられたことから話題を呼び、異例のヒットとなる。
しかしそうした話題性だけでなく、本家のアメリカ版西部劇とは違った面白さが多くのファンを獲得、以後続々とイタリア版西部劇が作られることになった。
そしてその一大ブームとなったイタリア版西部劇を名づけて、マカロニ・ウェスタン(名づけ親は映画評論家の淀川長治)と呼ぶようになった。

この時イーストウッドが演じた「名無しの男」のキャラクターは、後に彼が演じることになるダーティーハリーを始めとした男たちのキャラクターに繋がっている。
すなわちガンさばきがうまく、皮肉屋で、苦虫を噛み潰したような表情をしたアウトロー。
外見はクールだが内には燃えるような熱いものを秘めた男。
その原型が、この「名無しの男」である。

そしてこの映画最大の見どころは、ラストの対決。
静まり返った町の外れで突然ダイナマイトが爆発、高く舞い上がった煙のなかから現れるイーストウッド。
そこに流れるエンニオ・モリコーネの口笛の曲。
息をのむような緊張感に満たされるなか、イーストウッドがたったひとりで5人の男に立ち向かってゆく。
しかもライフル対拳銃という不利な対決。
しかしそれをあっと驚く方法で逆転してしまう。
その爽快さ、意外性に拍手喝采である。

イーストウッドの出世作。
すべてはここから始まった。




Category: 外国映画

Tags: 西部劇  

Comment (0)  Trackback (0)

映画「三人の名付け親 3 GODFATHERS」

nadukeoya.jpg

名作ぞろいのジョン・フォードの映画のなかにあって、この映画は意外と評価されていないが、それでもなかなかの愛すべき映画である。
それが先日のBSプレミアムで放映された。

1948年製作というから、私が生まれた年に作られたことになる。
70年以上昔の映画だが、古さを感じさせないのはさすが。

その年のクリスマス興行を目的として作られたというだけあって、宗教的要素が強いが、だからといって難解というわけではなく、われわれ日本人が観ても非常に解かり易い。
そこはやはりジョン・フォードだ、話の進め方、キャラクターの描き方、自然描写のうまさと、唸らされるところが多い。
さらに銀行強盗を働いた3人の男と、それを追いかける保安官たちの攻防も見応えがあり、飽きさせることがない。
そしていちばんの見どころである人情の機微の描き方には、ジョン・フォードらしいヒューマニズムで貫かれている。
どんな人間の中にもある善なるもの、性善説を土台に描かれた人間賛歌には思わず笑みがこぼれてしまう。
心洗われる映画である。

ところで3人のならず者のうちのひとり、メキシコ人のペドロを演じたペドロ・アルメンダリスは、どこかで見たことのある俳優だと思って調べてみると、『007 ロシアより愛をこめて』(1963年)でイギリス諜報機関のイスタンブール支局長を演じた俳優だった。
大きな目玉とひょうきんな個性で印象に残っている。
ところで彼が演じたメキシコ人ペドロは、この映画の中で最後は拳銃自殺をすることになるが、現実の彼もまた51歳という若さで拳銃自殺をしたそうだ。
その悲しい符号に驚かされた。


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
  ↑ クリック、お願いします。 ↑




Category: 外国映画

Tags: 西部劇  

Comment (0)  Trackback (0)

映画「壮烈第七騎兵隊」

7kiheitai.jpg

昨日のBSプレミアムで観た、エロール・フリン主演の1941年製作の西部劇。
監督はラオール・ウォルシュ。
「海賊ブラッド」、「ロビンフッドの冒険」など、エロール・フリンの代表作をともに作り上げてきた監督である。
相手役は、こちらもエロール・フリンと数多くの映画で共演してきた、オリヴィア・デ・ハヴィランド。
3人の集大成ともいえる映画である。

内容は南北戦争のヒーロー、カスター将軍の一代記。
ウエストポイント陸軍士官学校入学に始まって、南北戦争を経てリトルビッグホーンでの戦死に至るまでが描かれており、ハリウッド映画らしい陽気なユーモアを交えながらの一代記になっている。
カスター将軍についての評価はさまざまあるが、この映画では一貫して正義のヒーローとして描かれている。
必ずしも歴史通りとはいえないところもあるが、娯楽作としては致し方ないところ。
そのあたりのことは、「小さな巨人」、「ソルジャー・ブルー」など、インディアン側の視点から描いた映画が、参考になるだろう。

エロール・フリンは戦前から戦後にかけてのハリウッド・スターである。
あまり馴染のない俳優ではあるが、この映画の溌剌とした演技を見ていると、なるほど類まれなる魅力がある。
一世を風靡したスターだったことがよく分かる。
いっぽう相手役のオリヴィア・デ・ハヴィランドは、「風と共に去りぬ」(1939年)や「女相続人」(1949年)などで、お馴染みの女優である。
「遥かなる我が子」(1946年)と「女相続人」(1949年)で、2度のアカデミー主演女優賞を受賞した、ハリウッドを代表する女優である。
撮影当時26歳、こちらも光り輝き、強く惹きつける魅力に満ちている。
ちなみに妹のジョーン・フォンテインも、ヒッチコックの「断崖」(1941年)で、アカデミー主演女優賞を受賞しており、この賞を獲得した唯一の兄弟姉妹となっている。
なおオリヴィア・デ・ハヴィランドは、100歳を超えて今なお健在だということも、付け加えておく。
また若き日のアンソニー・クイン(当時25歳)が、インディアンの酋長クレイジー・ホース役で出ているのを発見できたことも、大きな収穫であった。
aq.jpg

上映時間140分という大作だが、途中ダレることもなく、飽きずに観ることができた。
1941年という製作年は、第2次世界大戦最中の時代である。
この映画に国威発揚の意識があっただろうことは想像に難くない。
そうした影響があったにしても、これはなかなかよく出来た娯楽大作である。
いい出会いであった。


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
  ↑ クリック、お願いします。 ↑


テーマ : TVで見た映画  ジャンル : 映画


Category: 外国映画

Tags: 西部劇  

Comment (0)  Trackback (0)

映画「ワイアット・アープ」

wyatt-earp.jpg

ワイアット・アープの波乱万丈の生涯を描いた映画である。
先日BSで観たが、観るのはこれが2度目。
ケビン・コスナーが主役のワイアット・アープを演じている。

ワイアット・アープといえば、西部劇には欠かせない伝説のヒーローである。
これまでにも何度も映画で取り上げられているが、記憶に残るものといえば、ジョン・フォード監督の『荒野の決闘』とジョン・スタージェス監督の『OK牧場の決斗』『墓石と決闘』である。
『荒野の決闘』ではヘンリー・フォンダ、『OK牧場の決斗』ではバート・ランカスター、そして『墓石と決闘』ではジェームズ・ガーナーがワイアット・アープを演じている。
またワイアット・アープの相棒のドク・ホリディは、それぞれビクター・マチュア、カーク・ダグラス、ジェイソン・ロバーツが演じている。
いずれも映画史に残る名作ばかり。
おそらくこの映画も、そうした名作に肩を並べようという意気込みで撮られたのだろうが、残念ながらそのレベルには達しなかった。
その意気込みのほどは、3時間を超える上映時間からも窺えるが、結果的にはそれが裏目に出てしまったようだ。
余計なエピソードを詰め込み過ぎて、間延びしている。
新しいアープ像を模索する心意気は買うが、結局空回りに終わってしまった。
そうしたマイナス要素が多いことから、封切当時は悪評続きで、失敗作のレッテルを貼られてしまい、ゴールデンラズベリー賞の最低主演男優賞、最低作品賞、最低監督賞に選ばれるという散々なけなされようであった。
しかしそうはいっても今観ると、失敗作とはいえども見るべきところは多々ある。
ケビン・コスナーが演じるワイアット・アープは、なかなか魅力的だし、ドク・ホリディを演じたデニス・クエイドはそれをさらに上回る魅力を発散している。
彼はこの役を演じるにあたって、20キロもの減量をしたそうだ。
肺病やみというリアリティを出すためだが、最初見たときは誰が演じているか判らないほどだった。
その意欲は成功しており、死の影を引き摺りながら、アープの友情に殉じようとする姿は見応え十分。
デニス・クエイドの新しい一面を見たと思った。

監督はローレンス・カスダン。
ケビン・コスナーとは『シルバラード』以来2度目の西部劇になる。
そしてケビン・コスナーはこの映画の製作も兼ねている。
そこには『ダンス・ウィズ・ウルブズ』で掴んだ栄光をもう一度という思いがあったのではなかろうか。
しかし意に反してそれが散々な評価という結果になってしまった。
その忸怩たる思いを払拭しようとしたのが、『ワイルド・レンジ』だったのではなかろうか。
この映画を観ながら、そんなふうな流れがあるように思えてきたのである。


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
  ↑ クリック、お願いします。 ↑

テーマ : 洋画  ジャンル : 映画


カレンダー
06 | 2020/07 | 08
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
プロフィール

cooldaddy

Author:cooldaddy
住んでいるところ:青森県弘前市
出身地:香川県
年齢:今年(2018年)70歳です。
性別:男

還暦(10年前)という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
趣味のこと、生活のこと、心に残ったことなど、My Favorite thingsを、気ままに書いていこうと思います。
末永くおつき合いください。

映画サイト「マイ・シネマ館」もやっています。
こちらもよろしく。

ランキングサイトに参加しています。
もしよければクリック、お願いします。↓
ブログランキング・にほんブログ村へ 

月別アーカイブ
cooldaddyの本棚
FC2ブログランキング
ブログ内検索
QRコード
QRコード

1234567891011121314151617181920212223242526272829303107 2020