FC2ブログ

風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 外国映画

Tags: ヴィゴ・モーテンセン  

Comment (0)  Trackback (0)

映画「はじまりへの旅」

hajimariheno.jpg

先日観たヴィゴ・モーテンセンの映画「涙するまで、生きる」は素晴らしかったが、こちらもそれに負けず劣らずの秀作であった。

アメリカ北西部の森林の奥深くで、現代社会に背を向けて自給自足の生活をしながら暮らすベン・キャッシュ。
それを演じているのが、ヴィゴ・モーテンセンである。
キャッシュには6人の子供がいるが、学校には行かせず、独自の教育方法で子供たちを育てている。
その教育とは、森の中でのサバイバル術を教え、ロッククライミングやランニングで体を鍛え、子供にとっては難解とも思えるような様々な本を読ませるなど、どんな状況に陥ってもけっして挫けないタフな精神と体を作り上げようとするもの。
型破りで偏った教育ではあるが、確実に成果を上げて、子供たちは逞しく育っている。
そんなある日、療養中だった妻レスリーが急死したという報せが届く。
母の葬式に参列したいという子どもたちの願いに応えて、改造したスクールバスで現代社会へと旅立つことになる。
その2,400キロに渡る長い旅のなかで、それまで経験したことのなかった様々な出来事に遭遇、それによって彼らがどう反応し変化していくか。
そしてその行きつく先にはどんなことが待ち受けているのか、そうした姿が描かれる。

いかにもアメリカならではといった映画である。
かってヒッピー文化華やかなりし頃、60年代、70年代には、現代文明に背を向けて生活するコミュニティがアメリカには数多く存在した。
またアメリカには学校に行かせず、家庭で子供を教育するホームスクールという制度が存在する。
そうした背景があるアメリカだからこそ、このような映画が生まれたともいえる。
実際この映画の監督であるマット・ロスは幼い頃、こうしたコミューンで暮らしていたことがある。
そうした実体験をもとに脚本を書き、監督をしたのである。
この映画がけっして荒唐無稽な話ではなく、リアルで説得力のある話として迫ってくるのは、そのような背景があるからだ。

またこの映画を観ていて思い出したのが、「モスキート・コースト」という映画。
ハリソン・フォード主演の映画で、この映画同様現代社会に背を向けて家族6人で中米のホンジュラスへと移住する。
そこで理想とする生活を築こうとするというもの。
過去にそうした映画があったことを考えると、この映画「はじまりへの旅」がけっして珍しい作品というわけではないということが分かる。

この映画でのヴィゴ・モーテンセンはやはり素晴らしい。
彼はキャッシュのように常識に囚われず、自分の主張や意思を曲げないといった信念の男がよく似合う。
「涙するまで、生きる」もそうした信念の男であったが、こちらはそれをさらにひとひねりした役であった。
そういう役を自然体で演じられるのが彼の魅力である。
この映画の原題は「Captain-Fantastic」。
まさしくファンタスティックな役柄であった。
ちなみにこの映画でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされている。

社会とは、家族とは、教育とは、そういった様々な問題を深く考えさせられる映画であった。


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
  ↑ クリック、お願いします。 ↑
スポンサーサイト
テーマ : DVDで見た映画  ジャンル : 映画


Category: 外国映画

Tags: ヴィゴ・モーテンセン  

Comment (0)  Trackback (0)

映画「涙するまで、生きる」

namidasurumadeikiru.jpg

ヴィゴ・モーテンセンの長年のファンである。
彼を知ったのは「インディアン・ランナー」を観てからのこと。
1991年の映画なので、もう30年近く前になる。
その強烈な印象に魅せられ、以来ファンとなり、彼の出演と云うだけで観るようになった。
この映画もそうしたことから何の予備知識もなく観たが、「インディアン・ランナー」に負けず劣らず重い手ごたえのある映画であった。

時はアルジェリアがフランスの支配から独立しようとの機運が高まった1954年。
戦争前夜の不穏な空気が漂うアトラス山脈の山岳地帯が舞台になっている。
そこで小学校の教師をしているのが、ヴィゴ・モーテンセン演じるダリュという男。
ある日彼のもとに殺人犯であるアラビア人の男を連れて憲兵が現れる。
そして彼に代わってその男をタンギーという町まで連れていけと強引に命じて置いてゆく。
だがその気のないダリュは男を逃がそうとするが、男には逃げる気配がなく、逆に男からタンギーまで連れて行って欲しいと懇願される。
なぜ男がそうした行動をとるのか、アラブの「掟」に絡んだ事情が男の口から語られる。
そしてそれを証明するかのように男を殺そうとする村人たちの一団が襲い掛かってくる。
抜き差しならない状況に追い込まれたダリュは、男を連れてタンギーを目指すことになるが、その行く手には様々な危険が待ち構えている。
そしてそれらの障害を命がけで躱しているうちに、ふたりの間に友情のような心の交流が芽生え始める。

原作はアルベール・カミュの短編小説「客」。
カミュといえば不条理小説を書く作家として知られているが、こうしたリアルなものも書くのだということを初めて知った。
彼の小説は昔「異邦人」を読んだだけなので、詳しくは知らないが、原作になった小説は「転落・追放と王国」という作品集のなかに収められたもの。
アルジェリア生まれのカミュが、独立戦争勃発前の1954年に書いた。
それを大幅に作り直して出来たのがこの映画である。

この世の果てのような荒涼とした風景が圧倒的なスケールで迫ってくる。
その不毛の土地のなかで問わず語りに交わされるふたりの言葉が重い。
その会話の中からそれぞれの人生が朧げに浮かび上がり、立場を越えた共感がふたりの間に生まれる。
そしてタンギーの町を目前にして最後の決断を迫られることになる。

ヴィゴ・モーテンセンの魅力炸裂の映画である。
「インディアン・ランナー」以後、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」や「イースタン・プロミス」などで個性的で強烈なキャラクターを演じてきたモーテンセンだが、この映画の彼もそれに勝るとも劣らない。

ヴィゴ・モーテンセンはデンマーク人の父のもと、ニューヨーク州マンハッタンで生まれ、2歳の時にベネズエラに移住、さらに1年後にはアルゼンチンへと移り住んでいる。
また両親が離婚した11歳の時には母親の故郷であるカナダ国境沿いのウォータータウン市に移住、さらに毎年夏になると父親の故郷デンマークへ行くという生活であった。
そうした経験から、彼は英語のほかにスペイン語、デンマーク語、フランス語、イタリア語などを流暢に話すことができる。
そんな才能を生かして彼は、アメリカ映画に限らず、各国の映画に出演することが多い。
この映画もアメリカ映画ではなく、フランス映画である。
そして彼が演じるダリュという男はスペイン系のフランス人という設定。
セリフはほとんどがフランス語、そしてときたまアラビア語も使う。
多国語に堪能な彼ならではの役柄といえよう。
この映画を観たことで、また新たな一面を見ることができたのである。


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
  ↑ クリック、お願いします。 ↑

テーマ : DVDで見た映画  ジャンル : 映画


Category: 外国映画

Tags: 西部劇  ヴィゴ・モーテンセン  

Trackback (0)

映画「アパルーサの決闘」

apaloosa.jpg
レンタルショップの新作コーナーで見つけた映画「アパルーサの決闘」、日本未公開作品ながら、主演が傑作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」のコンビであるエド・ハリスとヴィゴ・モーテンセン、それに名優ジェレミー・アイアンズとレニー・ゼルウィガーが共演、原作がハードボイルド小説の雄ロバート・B・パーカー、そして主演のエド・ハリス自らが監督した西部劇ということで、これは観ないわけにはいかないと、さっそく借りてきた。

エド・ハリスとヴィゴ・モーテンセンは長年コンビを組むフリーの保安官と保安官助手である。
ふたりは、無法者が牛耳るアパルーサの町の住民に雇われ、新任の保安官としてやってくる。
そこで繰り広げられる無法者と保安官の闘いを描いた西部劇である。
その闘いのなかで描かれる男の友情が、この映画いちばんの見所である。
10数年の間、ともに修羅場を潜り抜けてきたエド・ハリスとヴィゴ・モーテンセンの関係が渋くてかっこいい。
お互いのすべてを知り尽くし、しかも深い絆で結ばれている。
互いに命を託し合った者同士の深い絆は、どんなことにも揺るがない。
そのはずが、ひとりの女の登場でいささか狂いが生じ始める。
果たしてその行き着く先は?
ガンファイト、ファムファタール、無法者との闘い、そして男の友情、西部劇のエッセンスが散りばめられたこの映画で、久しぶりに西部劇の醍醐味を堪能した。


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
  ↑ クリック、お願いします。 ↑
テーマ : DVD情報  ジャンル : 映画


Category: 外国映画

Tags: ヴィゴ・モーテンセン  

映画「イースタン・プロミス」

eastern-promise.jpg
クローネンバーグ監督とヴィゴ・モーテンセンが組んだ前作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」の強烈なインパクトが忘れられず、その感動を再び、との期待をこめて「イースタン・プロミス」を観た。
前作のインディアナ州の田舎町から今度は舞台をロンドンに移して、ロシアン・マフィアの世界を描いている。

ヴィゴ・モーテンセンはロシアン・マフィアの運転手兼ボディーガード、ニコライ。
鋭い身のこなし、必要以上のことは言わない寡黙さ、心の内側を見せないストイックさなど、只者ではないオーラを放っていて目が離せない。
さらに彼の全身には数多くのタトゥーが施されており、危険な匂いが漂っている。
ロシアの犯罪者にとってタトゥーは、いわば犯罪の履歴書でもある。
そのタトゥーを見れば、犯した罪や服役期間、性的嗜好までが分かるという。
単なる飾りではなく、犯罪のパスポートでもあるのだ。
eastern-promise2.jpg
そしてロシアン・マフィアの世界における「法の泥棒」という組織の存在。
そこに蠢く欲望と暴力。
そうした得体の知れない世界が、ある事件を契機に彼らと接触を持つようになったロシア系の看護士アンナ(ナオミ・ワッツ)の前に現れ、その危険なゾーンへと足を踏み入れていくことになる。
そこで明らかになる、おぞましい犯罪の数々。
その中心にいるのが、セミオン (アーミン・ミューラー=スタール) とキリル (ヴァンサン・カッセル)というロシアン・マフィアの親子である。
好々爺然としながらも実は酷薄な犯罪人であるセミオン、凶暴であるにもかかわらず父親には頭の上がらないキリル、そして彼とニコライとの複雑に屈折した関係。
そんな親子の存在がこの映画にクローネンバーグ監督らしい歪みと狂気を与えている。

そしてこの映画最大の呼び物ともいえるのが、サウナ風呂での暴力シーン。
そこにクローネンバーグ監督独特の美学が表現されている。
全身にタトゥーを帯びたニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)が全裸で、襲ってくるふたりの殺し屋と激しい格闘を繰り広げる。
切りかかるナイフ、そのナイフがニコライの胸や背中を鋭く切り裂く。
傷つきながらも反撃するニコライ。
血まみれの暴力シーンがこれでもかというくらいの迫力で繰り広げられる。
もうこのシーンだけで、この映画が忘れられない映画になることは確実だ。
そしてこのシーンがなければ、この映画はごくありきたりのフィルム・ノワールというだけの映画だったかもしれないのだ。
ところがこのシーンが登場したことで、映画は俄然クローネンバーグ映画としての輝きを放つことになる。
それほどこのシーンの壮絶さには、目を見張らせられる。
それまでのシーンは、すべてこのシーンのための前置きだったのではないか、このシーンを見せるためだけに存在していたのではないのか、そんなふうに思ってしまうほどである。

切り裂かれる恐怖の映画、極論すれば、この映画はそう呼ばれてもおかしくない。
マフィア映画なのにいちども拳銃が登場しないというところにも、それは表れている。

「イースタン・プロミス」とは、イギリスにおける東欧組織による人身売買契約のことを指す言葉である。

にほんブログ村 映画ブログへ 
テーマ : 映画館で観た映画  ジャンル : 映画


カレンダー
09 | 2018/10 | 11
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
プロフィール

cooldaddy

Author:cooldaddy
住んでいるところ:青森県弘前市
出身地:香川県
年齢:今年(2018年)70歳です。
性別:男

還暦(10年前)という節目を迎え、何か新しいことを始めようとブログを開設しました。
趣味のこと、生活のこと、心に残ったことなど、My Favorite thingsを、気ままに書いていこうと思います。
末永くおつき合いください。

映画サイト「マイ・シネマ館」もやっています。
こちらもよろしく。

ランキングサイトに参加しています。
もしよければクリック、お願いします。↓
ブログランキング・にほんブログ村へ 

月別アーカイブ
cooldaddyの本棚
FC2ブログランキング
ブログ内検索
QRコード
QRコード

1234567891011121314151617181920212223242526272829303110 2018