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風に吹かれて

My Life & My Favorite things

Category: 外国映画

Tags: ウディ・アレン  

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映画「女と男の観覧車」

wonder-wheel.jpg

原題は「WONDER WHEEL」。
コニーアイランドにある観覧車の名前である。
回り続ける観覧車は一見華やかで楽しげだが、結局は同じところを回るだけで、どこか別な場所に行けるわけではない。
それをこの映画のヒロインの悲喜劇の象徴として使っている。

舞台は50年代のコニーアイランド。
そこで働くウエイトレスが主人公。
駆け出し女優時代に、ドラマーだった男と結婚をしたが、舞台の共演者と不倫、それが原因で夫は自殺をしたという過去がある。
そして今はコニーアイランドの回転木馬の管理をしている男に拾われて再婚、遊園地のレストランでウエイトレスをしながら前夫との間に出来た息子の3人で暮らしている。
だが、息子は火遊びの常習犯で手を焼いており、夫は稼ぎがなく貧乏から抜け出すことができない。
八方ふさがりの彼女だが、ある日ビーチの若い監視員と不倫関係になる。
そこに夫の前妻の娘が、ギャングの夫から逃げてくる。
そしてその娘がヒロインの不倫相手と恋に落ちたことで、絡んだ糸がどんどん複雑に縺れていくことになる。
いかにもウディ・アレンらしい展開である。

ヒロインを演じるのはケイト・ウィンスレット。
「タイタニック」のヒロインが、ここではくたびれた中年女性を演じている。
しかもかつては女優を目指していたという設定なのだから、それだけでこのキャスティングに、ウディ・アレンの皮肉な目がこめられているのを感じてしまう。
「私はウェイトレスという役を演じているだけ。」という妄想を抱くヒロインは、不倫相手とともに八方ふさがりの生活から抜け出そうと甘い夢を見ている。
だが事はそう簡単には運ばない。
目論見はことごとく外れ、それにつてれてヒロインの情緒はますます混乱、追いつめられていく。
そのヒステリックな様は、まさに「ブルージャスミン」でケイト・ブランシェットが演じたものと対をなす。
幸せを手に入れたと思っていたのは一時の幻想でしかなく、そんなものはいつまでも続くものではない。
あっという間に手から滑り落ちて、どこかへ行ってしまう。
一発逆転なんて、ただの夢物語にすぎない。
結局は観覧車のように元の場所に戻ってくるしかない。
それが人生さ、というウディ・アレンのシニカルで突き放した呟きが聞こえてくる。


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テーマ : DVDで見た映画  ジャンル : 映画


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映画「ラッキー」

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世界的に高齢化社会が拡がりつつある今、高齢者問題を扱った映画は数多いが、主人公が90歳の老人となると、これはもうかなり稀な映画となる。
演じるのはハリー・ディー・スタントン。
彼が彼自身を思わせるような老人を演じている。
実際この映画は彼のために作られた映画であり、スタントン自身の実体験に基づいたセリフやエピソードが随所に散りばめられている。
なかでも終盤に語られる沖縄での戦争体験は、そのままスタントン自身が体験したことであり、これが物語の重要なキーポイントになっている。

主人公のラッキーは90歳の老人である。
これまで結婚したことがなく家族はいない。
朝起きると、まずはタバコをふかしてコーヒーを飲む。
ヨガで体をほぐし、身体を丁寧にぬぐい、身支度をすると町へ出かける。
そして馴染のダイナーへ行くと甘めのコーヒーをたのみ、クロスワードパズルに熱中する。
合間に店主と無駄話に耽る。
頑固で憎まれ口をたたくが、人々に愛されていることがよく分かる。
そして日が暮れるとバーでブラッディ・マリアを飲みながら馴染みの客たちと過ごす。
そうしたラッキーの判で押したような生活が繰り返し描かれる。
これといった事件が起きるわけではない。
そんなところから昨年観た映画「パターソン」を思い出した。
パターソンは30代の青年だったが、ラッキーは90歳の老人。
パターソンは詩を書くのが趣味だったが、ラッキーはクロスワードパズルとテレビのクイズ番組を見るのが趣味。
そしてそれが重要な小道具として使われているのも共通するところ。
またこうした波風のたたない静かな生活に満ち足りているのも同じ。
さらにマイノリティに偏見を持たず親しくしているところも同じである。
そんな共通点からの連想であった。

ある日ラッキーはめまいを起こして倒れてしまう。
病院で診察を受けるが、悪いところは見つからない。
だがそこから死について考えざるをえない日々が始まった。
死は決して遠くないもの、差し迫った現実としてラッキーの前にその姿を大きく晒す。
平穏な日常は突如変わり、惑いと不安の中でラッキーが行き着いたのが「nothing」という言葉。
そしてその「nothing」に対してとるべきことは、ただ「微笑む」だけ。
そんな心境に至るまでが、様々な友人たちとの何気ない会話やエピソードのなかで描かれていく。

そして自分自身を演じたようなこの飄々とした映画を最後に、ハリー・ディーン・スタントンは2017年9月に91歳の生涯を閉じた。
羨むべき幕引き、なんと素晴らしい人生であることか。
表に出ることのない長い脇役人生の末の、生涯2本目となる主演作が最後の映画であったということは、いかにもハリー・ディーン・スタントンらしい。
老後を生きる身としては勇気づけられ、そして学ぶべきところの多い映画だった。


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映画「ある女流作家の罪と罰」

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生活費もままならないほど落ちぶれてしまった女流作家が、窮余の策として思いついたのが、有名作家たちの手紙の偽造。
作家としての文才と知識を生かして偽造した手紙は、鑑定家の眼も欺くほどの出来栄えで、思わぬ高値で取引されることになる。
それに味をしめた彼女は、次々と偽造を繰り返す。
だが次第に疑われるようになり、ついには逮捕されてしまう。

この映画は、女流作家のリー・イスラエルが、自らの犯罪について書いた自伝『Can You Ever Forgive Me?』を原作としたもの。
そして主人公を演じたメリッサ・マッカーシーと、偽造手紙の売買に手を貸すことになった相棒役のリチャード・E・グラントが、この映画でともにアカデミー賞にノミネートされている。
それでいて、日本では劇場未公開である。
内容が地味なせいと、主役ふたりの知名度の低さがその理由かと思われるが、そのDVDが先日レンタルされた。
さっそく借りてみた。

観始めると確かに地味な内容で、幾分退屈を覚えて眠気を催すが、それでも相棒となる中年ゲイ男のリチャード・E・グラントが登場するや、俄然面白くなってくる。
ダメ人間同士のふたりの日常と奇妙な付き合いが、ディテール豊かに描かれて、まことに興味深い。
彼らふたりは似た者同士、人生の落伍者であり、世間の嫌われ者、だがけっして弱音を吐かない。
いやむしろ世間に対して鋭い刃を向けながら生きている。
その図太さ、厭らしさ、罪深さに次第に惹きつけられていく。
それにつれて、嫌悪すべき存在であった彼らが、いつしか身近で愛すべき人間となって見えてくる。
そして手紙偽造の顛末やふたりの関係がどのように推移していくのか、目が離せなくなってしまったのである。

結末は苦い。
だがそれでいて最後はまことに清々しい。
こんな人間関係もあるのだと、思わず胸が熱くなってしまった。
忘れられない結末である。


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Category: 月別観た映画と読んだ本

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今月観た映画と読んだ本(2019年7月)

観た映画


51wSVEQ7dOL.jpg「人生はビギナーズ」(DVD)
2010年アメリカ 監督/脚本:マイク・ミルズ 出演:ユアン・マクレガー/クリストファー・プラマー/メラニー・ロラン/ゴラン・ヴィシュニック/メアリー・ペイジ・ケラー/キーガン・ブース/チャイナ・シェイバーズ/カイ・レノックス


81B1mLVQIoL__SL1500_.jpg「ベロニカとの記憶」(DVD)
2015年イギリス 監督:リテーシュ・バトラ 出演:ジム・ブロードベント/シャーロット・ランプリング/ミシェル・ドッカリー/エミリー・モーティマー/ジョー・アルウィン/ハリエット・ウォルター/ビリー・ハウル/フレイア・メーバー


519VD11D0EL.jpg「追跡者」(BSプレミアム)
1998年アメリカ 監督:スチュワート・ベアード 出演:トミー・リー・ジョーンズ/ウェズリー・スナイプス/ロバート・ダウニーJr./ジョー・パントリアーノ/ダニエル・ロウバック/トム・ウッド/ラフーニャ・リチャードソン/イレーヌ・ジャコブ/ケイト・ネリガン


71yRVbdr6jL__SL1378_.jpg「ワーロック」(BSプレミアム)
1959年アメリカ 監督:エドワード・ドミトリク 出演:リチャード・ウィドマーク/ヘンリー・フォンダ/アンソニー・クイン/ドロシー・マローン/ドロレス・マイケルズ/ウォーレス・フォード/トム・ドレイク/リチャード・アーレン/デフォレスト・ケリー/レジス・トゥーミー/ボーン・テイラー/ドン・ベードー


51SWmGKBy2L.jpg「イコライザー2」(DVD)
2018年アメリカ 監督:アントワーン・フークア 出演:デンゼル・ワシントン/ペドロ・パスカル/アシュトン・サンダース/オーソン・ビーン/ビル・プルマン/メリッサ・レオ


51ec-Ykmk3L.jpg「ザ・マウンテン」(DVD)
2017年アメリカ 監督:ハニ・アブ・アサド 出演:ケイト・ウインスレット/イドリス・エルバ/ダーモット・マローニー/ボー・ブリッジス


917IuAG6jdL__SX342_.jpg「ローガン・ラッキー」(DVD)
年アメリカ 監督:スティーヴン・ソダーバーグ 出演:チャニング・テイタム/アダム・ドライバー/セス・マクファーレン/ライリー・キーオ/ヒラリー・スワンク/ダニエル・クレイグ


510m3PDksAL.jpg「博奕打ち外伝」(DVD)
1972年 監督:山下耕作 出演:鶴田浩二/高倉健/若山富三郎/松方弘樹/菅原文太/伊吹吾郎/浜木綿子/辰巳柳太郎/金子信雄/遠藤辰雄/汐路章/潮健児/川谷拓三


51Q6zdHhJ6L.jpg「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」(DVD)
2018年アメリカ 監督/脚本:クリストファー・マッカリー 出演:トム・クルーズ/レベッカ・ファーガソン/アレック・ボールドウィン/サイモン・ペッグ/ヴィング・レイムス/ミシェル・モナハン/ヘンリー・カヴィル/ヴァネッサ・カービー/ショーン・ハリス/アンジェラ・バセット



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今月観た映画と読んだ本(2019年5月6月)

観た映画


natural-woman.jpg「ナチュラルウーマン」(DVD)
2017年チリ/ドイツ/スペイン/アメリカ 監督/脚本:セバスティアン・レリオ 出演:ダニエラ・ヴェガ/フランシスコ・レジェス/ルイス・ニェッコ/アリン・クーペンヘイム/ニコラス・サヴェドラ


51Flahxhy_L.jpg「女は二度決断する」(DVD)
2017年ドイツ 監督/脚本:ファティ・アキン 出演:ダイアン・クルーガー/デニス・モシット/ヨハネス・クリシュ/サミア・ムリエル・シャンクラン/ヌーマン・アチャル/ウルリッヒ・トゥクール


quiet.jpg「クワイエット・プレイス」(DVD)
2018年アメリカ 監督/脚本:ジョン・クランシスキー 出演:エミリー・ブラント、ジョン・クラシンスキー、ミリセント・シモンズ、ノア・ジュプ


inorinomaku.jpg「祈りの幕が下りる時」(DVD)
2018年 監督:福澤克雄 出演:阿部寛/松嶋菜々子/溝端淳平/田中麗奈/小日向文世/山崎努/伊藤蘭/キムラ緑子/烏丸せつこ/春風亭昇太/及川光博


tonya.jpg「アイ・トーニャ」(DVD)
2017年アメリカ 監督:クレイグ・ギレスピー 出演:マーゴット・ロビー/セバスチャン・スタン/アリソン・ジャネイ/ジュリアンヌ・ニコルソン/ポール・ウォルター・ハウザー/マッケナ・グレイス


getty.jpg「ゲティ家の身代金」(DVD)
2017年アメリカ 監督:リドリー・スコット 出演:ミシェル・ウィリアムズ/クリストファー・プラマー/ティモシー・ハットン/ロマン・デュリス/チャーリー・プラマー/マーク・ウォールバーグ/アンドリュー・バカン


51knNTGk7NL.jpg「アリー/スター誕生」(DVD)
2018年アメリカ 監督:ブラッドリー・クーパー 出演:レディー・ガガ/ブラッドリー・クーパー/アンドリュー・ダイス・クレイ/サム・エリオット




読んだ本


dennoukotohajime.jpg「還暦からの電脳事始」(高橋源一郎 エッセイ)


41vJuuCMWZL.jpg「あちらにいる鬼」(井上荒野 現代小説)


kurumatani.jpg「夫・車谷長吉」(高橋順子 回想記)


yoruwo.jpg「夜を乗り越える」(又吉直樹 エッセイ)


siitake.jpg「妻が椎茸だったころ」(中島京子 短編小説)


kokou.jpg「高倉健孤高の生涯 上」(嶋崎信房 小説)



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今月観た映画と読んだ本(2019年4月)

観た映画


otokoha-endan.jpg「男はつらいよ 寅次郎の縁談」(DVD)
1993年 監督/脚本:山田洋次 出演:渥美清/倍賞千恵子/吉岡秀隆/下絛正巳/三崎千恵子/太宰久雄/佐藤蛾次郎/関敬六/前田吟/島田正吾/松坂慶子


hanoti.jpg「半落ち」(DVD)
2003年 監督/脚本:佐々部清 出演:寺尾聰/原田美枝子/柴田恭兵/樹木希林/吉岡秀隆/鶴田真由/國村隼/伊原剛志/西田敏行/石橋蓮司/奈良岡朋子/田辺誠一/井川比佐志/高島礼子/本田博太郎/田山涼成//高橋一生/嶋田久作/斎藤洋介/中村育二/笹野高史/嶋尾康史/豊原功補/寺杣昌紀


ooinaruseibu.jpg「大いなる西部」(BS朝日)
1958年アメリカ 監督:ウィリアム・ワイラー 出演:グレゴリー・ペック/ジーン・シモンズ/キャロル・ベイカー/チャールトン・ヘストン/バール・アイヴス/チャールス・ビックフォード/アルフォンソ・ベドーヤ/チャック・コナーズ


3ji10pun.jpg「決断の3時10分」(BSプレミアム)
1957年アメリカ 監督:デルマー・デイヴス 出演:グレン・フォード/ヴァン・ヘフリン/フェリシア・ファー/レオラ・ダナ/ヘンリー・ジョーンズ///////


tomerareruka.jpg「止められるか、俺たちを」(DVD)
2018年 監督:白石和彌 出演:門脇麦/井浦新/山本浩司/岡部尚/大西信満/秋山道男/藤原季節/渋川清彦/高良健吾/寺島しのぶ/奥田瑛二/吉澤健



読んだ本


25nenngono.jpg「二十五年後の読書」(乙川優三郎 現代小説)


sipponoaru.jpg「尻尾のある星座」(村田喜代子 エッセイ)



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今月観た映画と読んだ本(2019年3月)

観た映画


no-escape-s.jpgノー・エスケープ 自由への国境(DVD)
2015年メキシ/コフランス 監督/脚本:ホナス・キュアロン 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル/ジェフリー・ディーン・モーガン/アロンドラ・イダルゴ


osanago-s.jpg幼な子われらに生まれ(DVD)
2017年 監督:三島有紀子 出演:浅野忠信/田中麗奈/南沙良/鎌田らい樹/新井美羽/水澤紳吾/池田成志/宮藤官九郎/寺島しのぶ


meguriauhi.jpg「めぐりあう日」(DVD)
2015年フランス 監督/脚本:ウニー・ルコント 出演:セリーヌ・サレット/アンヌ・ブノワ/ルイ=ド・ドゥ・ランクザン/フランソワーズ・ルブラン/エリエス・アギス/カトリーヌ・ムシュ


downsizing.jpg「ダウンサイズ」(DVD)
2017年アメリカ 監督/脚本:アレクサンダー・ペイン 出演:マット・デイモン/クリストフ・ヴァルツ/ホン・チャウ/クリステン・ウィグ/ウド・キア/ジェイソン・サダイキス/ニール・パトリック・ハリス


tengokujigoku.jpg「天国と地獄」(BSプレミアム)
1963年 監督/脚本:黒澤明 出演:三船敏郎/仲代達矢/山崎努/香川京子/佐田豊/石山健二郎/木村功/加藤武/三橋達也/伊藤雄之助/中村伸郎/志村喬/藤田進


bakumatutaiyo.jpg「幕末太陽傳」(BS朝日)
1957年 監督/脚本:川島雄三 出演:フランキー堺/石原裕次郎/南田洋子/左幸子/金子信雄/山岡久乃/梅野泰靖/織田政雄/岡田眞澄/高原駿雄/芦川いづみ/菅井きん/小林旭/二谷英明/河野秋武/西村晃/熊倉一雄/小沢昭一/殿山泰司/井上昭文


wil-penny.jpg「ウィル・ペニー」(BSプレミアム)
1967年アメリカ 監督/脚本:トム・グリース 出演:チャールトン・ヘストン/ジョーン・ハケット/ドナルド・プレゼンス/リー・メジャース/ベン・ジョンソン/ブルース・ダーン/ウィリアム・シャラート/クリフトン・ジェームズ/アンソニー・ザーブ


7nin-samurai.jpg「七人の侍」(BSプレミアム)
1954年 監督/脚本:黒澤明 出演:三船敏郎/志村喬/木村功/稲葉義男/宮口精二/千秋実/加東大介/左卜全/小杉義男/藤原釜足/土屋嘉男/高堂国典/島崎雪子/多々良純/東野英治郎/田崎潤/上田吉二郎/高原駿雄/山形勲////


django_2019033105421152f.jpg「永遠のジャンゴ」(DVD)
2017年フランス 監督/脚本:エチエンヌ・コマール 出演:レダ・カテブ/セシル・ドゥ・フランス/ベアタ・パーリャ/ビンバム・メルシュタイン/ガブリエル・ミレテ/ジョニー・モントレイユ/ヴァンサン・フラド/グザヴィエ・ボーヴォワ/パトリック・ミル





読んだ本


konotijou-s.jpgこの地上において私たちを満足させるもの(乙川優三郎 現代小説)


rsinban.jpg「羅針盤は壊れても」(西村賢太 現代小説)


sisyousetukaki.jpg「一私小説書きの独語」(西村賢太 エッセイ)


umitojii-s.jpg海とジイ(藤岡陽子 現代小説)



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Category: 読書

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藤岡陽子「海とジイ」

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図書館で何気なく借りた本だが、読み進むうちに小説の舞台になっているのが、故郷である香川県多度津町の佐柳島と高見島であることが分かった。
それでこの小説が急に身近なものに感じられるようになったのである。

物語は「海神(わだつみ)」、「夕凪」、「波光」の3篇からなる連作短編で、老い先短い3人の老人の姿を描いている。
そしてそれぞれの老人のもとに生き方に迷うひ孫、看護師、孫が訪れ、老人と触れ合うなかで生きる力を得るというもの。
話自体はそれほど特別なものではなく、よくある話といえばそうなのだが、語りのうまさと瀬戸内海の小島が舞台という着想の面白さで読ませる。
しかもそれが自分の故郷となればなおさらである。
いやが上にも興味をそそられた。

佐柳島、高見島は同じ多度津町ではあるが、離れ小島なのでそれほど馴染があるわけではない。
ただ子供の頃に何回か父に連れられて訪れたことはある。
電気店を営んでいた父は、電気製品を納めたり電気工事をするためによく行き来していた。
そのため島には知り合いが多く、小学生の時には家族揃って島を訪れ、知人の家に宿泊、休日を過ごしたことがあった。
そして朝早くに沖合まで船を出し、釣りを楽しんだ。
また父親の後を継いだ弟が、父同様に仕事で行き来をしており、そうした縁が今も続いている。

そこで小説の舞台になった佐柳島、高見島のことをあらためて調べてみることにした。

佐柳島は面積1.83平方キロメートル、周囲6.6km。
2017年時点での人口は80人弱。
南部に本浦、北部に長崎というふたつの集落があり、いずれの集落も「埋め墓」と「参り墓」と呼ばれる特殊な埋葬制度が残っている。
そのことについて小説では次のように書いている。

<死んだ人の魂を埋葬する詣り墓と、肉体を埋葬する埋め墓。なぜ魂と肉体を別々に埋葬するようになったのかは、いまだはっきりとはわからない。
「昔から海の仕事をする男が多かったから、亡くなってもご遺体が戻らんことがしょっちゅうじゃったんじゃ。だから詣り墓ができたんかもしれんがのう」>

この制度は子供のとき、何かの折に聞いたことがあり、神秘的な印象をもったことがあった。
小説ではこの両墓制が物語のひとつのキーワードになっている。
また山の上には「大天狗神社」という古い神社があるが、この神社が小学生のひ孫がいじめから立ち直るきっかけとなるものとして効果的に使われている。

次は高見島について。
高見島は、面積2.35平方キロメートル、周囲6.4km、島全体が山になっているため、急斜面に石を積んだところに家が建つという集落になっており、それが独特の景観を作り出している。
江戸時代には北前船の寄港地として、さらには金毘羅参詣に訪れる人で賑わう港であった。
またかつては蚊取り線香の原料となる除虫菊の栽培が盛んに行われていたが、今は30人ほどが暮らすだけの島である。
こちらも佐柳島同様の両墓制が残っている。

1956年(昭和31年)、それまで村であった両島は多度津町に編入されて今日に至っている。
また両島とも今は多くの猫が住む「猫の島」として知られており、それを目当てに猫好きの観光客が訪れるようになったということだ。


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さらにもうひとつエピソードをつけ加えると、1962年に佐柳島を舞台にした映画が作られている。
東映映画の「あの空の果てに星はまたたく」という映画である。
丘さとみ、水木襄主演の青春映画で、脚本が新藤兼人、監督が関川秀雄、その映画のロケが佐柳島をメインに、多度津町内各所で行われたのである。
当時小学生だった私は、身近で映画のロケが行われるということを知り、大いに興奮したことを思い出す。
ただロケ風景を見学することは叶わなかったが、俳優たちが近くの旅館に泊まっていたことから、出演者たちの姿をほんの少しだけ垣間見ることができた。
それでも当時の田舎の少年にとっては、大いに胸躍らせる事件であったのだ。

またついでに書くと、高見島は「男はつらいよ 寅次郎の縁談」(1993年)や「機関車先生」(2004年)のロケ地でもある。
だがその時はもうすでに多度津を離れていたので、それらについての記憶はない。

といったことで、小説を読んでいるうちに、そんないろいろなことを懐かしく思い出したのである。


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乙川優三郎「この地上において私たちを満足させるもの」

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乙川優三郎の自伝的小説。
主人公は、乙川優三郎の分身のような小説家、高橋光洋である。
年齢71歳、千葉県御宿に住む作家である。
その主人公について次のように書いている。

<彼は本名を高橋光洋(みつひろ)といい、七十一歳になる今も小説を書いているが、体力をなくしてからは短篇しか書かなくなっていた。それも二、三十枚のもので、短篇集に編んでも手にしてくれる読者は少ない。本という形を見ることはひとつの喜びだが、今さら他にできることもないので書いているに過ぎない。後世になにか残したいと思うほど欲張りでもないし、名声などどうでもよい人間であったから書くものも我儘であった。長く書いていながら、まだ傑作と呼べるものはなく、これから書けるとも思えないが、挑み続けるしかないのも作家の業であった。老いても生きる目的があるのは幸せなことだと思う。戦時でもないのに死なないことを目的に生きる人がまわりに増えて、健康のために骨身を削りながら精神を病んでゆく。猫のように泰然として逝きたいと考える彼は、そのときがくるまで生き甲斐の足しに書くだけであった。>

乙川優三郎自身の姿を彷彿とさせる人物である。
そして今の彼のもうひとつの生き甲斐は、フィリッピン人女性ソニアとのかけがえのない日々である。
ソニアは光洋が若き日に漂泊したフィリッピンで知り合い深く交流のあった、今は亡きラブリィーの娘サラが、ひとり暮しの光洋を気遣って、家政婦として日本に送った娘で、ラブリィーの兄ドディの孫娘であった。
家庭的な愛情に恵まれなかった光洋は、利発なソニアを気に入り、いずれ彼女を養女として迎えたいと考えている。
そんな穏やかな老後を送る光洋が、過去を振り返り、自身のこれまでの軌跡を辿るなかで移りゆく心境を書き連ねていくというのが、この小説である。
貧しい少年時代、家族離散のように生家を離れて住み込んだ鉄鋼所での生活、フィリピン、フランス、スペインでの放浪の日々、そして小説家となった後の編集者との交わりや小説との格闘、そうしたものが、連作短編の形で書き進められてゆく。
様々な人たちと触れ合い、影響を受け、学んでゆく。
そして歓びや悲しみや苦しみが通り過ぎてゆく。
著者の原点ともいえるそうした時間が、研ぎ澄まされた文章で書かれ、読み応え十分。
そして次のような心境へと至る。

<自分の小説はどうかと振り返り、彼は苦笑した。そのすべてが情熱と努力の産物で、才能などこれっぽちもないからであった。だから苦しみ、体も壊しもしたが、嫌になり投げ出すことはしなかった。書くことが自浄でもあった。運のよいことにそれで暮らしてこられたし、運の悪いことには平凡な喜びを失った。しかも、これでよいという作品がまだない。生活のために才能を封じた兄との最大の違いは、冒険の人生を愉しんだことであろう。そうしなければ充たされない人間だったこともあるが、生きることも書くことも冒険であった。敗北から希望が生まれることもあって、彼は無謀な試みを繰り返した。しかしそれもこれも煎じつめればちっぽけな自分のためにしてきたことであるから、消えるときは一羽の蝶の軽さでよかった。言い換えるなら、この美しい地上に生きた証を残すことなどまっぴらであった。>

こういう気持ちはよく分かる。
同じ老後を生きる身としては、共感度が高い。
そしてこのまるで遺言のようにも思える文章を読みながら、乙川優三郎ファンとしては、この先もまだまだ書き続けてほしいと切に願うのである。
ちなみにこの小説には、姉妹編として「25年後の読書」というのがあるそうだ。
そちらも合わせて読みたいと思っている。


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今日で1ヶ月

愛犬アビーがわが家に来て今日で1ヶ月になる。
この間にあった変化や出来事を記録として残しておくことにした。

まず体重は1キロから2キロに増えた。
見た目はあまり変わらないように見えるが、倍になったわけだ。

フードの量は、2種類のフードを混ぜて1日60グラム。
これが当初の量。
これに生ぬるいお湯をかけて15分ほどふやかし、そこに整腸剤と粉ミルクをかけて朝晩2回に分けてやる。
それが指示されたやり方だったが、朝晩2回は成犬にはいいかもしれないが、子犬だと時間が空き過ぎるように思い、ネットで調べてみると、お腹の負担を減らすためには回数多く分けてやったほうがいいという意見があった。
そこでそれに従い朝昼晩の3回に分けてやるようにした。
そして体重が増えるのに合わせて徐々に量を増やし、今は90グラムを3回に分けてやるようになっている。
これを毎回完食、順調に成長している。

3月6日にはワクチン接種のために、初めて病院に行った。
ここは前回ロシェルの最期を看取ってもらった病院である。
3年ぶりの来診である。
30代(もしかすると40代)の若い先生である。
開口一番「今度はジャック・ラッセルですか、この犬種は10歳くらいまでやんちゃで、手を焼きますよ。」だった。
それに対してこちらは「そういう手ごたえのある犬種だから飼ったのです。」
そんなやりとりをしている間も、アビーは家にいる時とは打って変わっておとなしい。
というか怯えている。
こういう反応はロシェルの時と同じである。
犬なりの直感で、恐怖心があるのだろう。
それでもワクチン接種は、それほど手こずることもなく無事終了。
これでいつでも外に連れ出すことができる。

ワクチン接種が終わったので、そろそろ外に連れ出す準備を始めることにした。
初めて首輪をつけたのが、3月10日。
つけると急におとなしくなった。
いつもと違う違和感に警戒心が働くのだろうが、あまりの急変にびっくりである。
思わず笑ってしまった。

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それでも着けたり外したりを数日繰り返すと、少しは慣れたようで、あまり気にならなくなってきたようだ。
そこで今度はリードをつけて外に連れ出してみることにした。
これが3月12日のこと。

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恐る恐るであるが、いっしょに歩いてくれる。
こうやって少しづつ外の空気に慣らして、距離を伸ばしていこうと思っている。

以上が1ヶ月の様子である。

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テーマ : 犬のいる生活  ジャンル : ペット


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